すずかけの木通信 H26年2月号

すずかけの木通信
平成26年2月号
抗生物質(抗菌薬)の話
抗菌薬によって細菌の
増殖を抑制することの
できる最小濃度を
MIC(最小発育阻止濃度)
と呼びます。抗菌薬の
濃度が薄すぎると細菌の
増殖を抑えることができ
ません。
抗生物質を服用すると
血中濃度が段々と上昇し
Cmax(最高血中濃度)
に達すると、そこからは
徐々に濃度が低下して
いきます。
抗菌薬の濃度が薄すぎる
と細菌の増殖を抑えるこ
とができません。抗菌薬
の濃度が高いほど細菌の
増殖抑制作用も強くなり
ます。
抗菌薬耐性変異株が
MICを超えていても、MPC以下では、
耐性菌の増殖を促進してしまうので、
細菌を殺す目的を達成するためには、
十分量の抗菌剤を十分な期間、
服用する必要があります。
しかし、抗菌薬には、
①下痢、薬疹などの副作用
②正常細菌(善玉細菌)叢が破壊され、
病原性細菌(悪玉細菌)が増殖する
可能性などマイナス面もあります。
時間依存性抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系他)について書きましたが、
抗菌薬濃度がMICを下回っても細菌増殖抑制効果が持続する濃度依存性抗菌薬
(テトラサイクリン系他)もあります。病状、病態、全身状態などを勘案し、
抗菌剤の種類、服用量、服用期間を決定しますので、指示通り服用下さるよう
お願いします。
平成26年2月1日
院長
丸山誠二