嚥下 - D-Byfor

嚥 下
軽視・見落とされている
歯槽・歯牙の存在
嚥下は口腔閉鎖に始まる
練馬区歯科医師会会員
神谷文彦
☆
硬口蓋
軟口蓋
食塊
舌
喉頭蓋
喉頭
後咽頭壁
咽頭
食道
☆
咀嚼⇒嚥下へ
舌尖が挙上=食塊を咽頭部
に移動させる舌の形態の変
化に注目
②軟口蓋⇒後咽頭壁に接触
②
①口腔閉鎖
③気道閉鎖
④食道開孔
①
③④
口腔閉鎖⇒
②軟口蓋は後咽頭壁と接触し
鼻咽腔を閉鎖し食物の鼻腔
への進入を防ぐ
[食道は胸郭の中にあり、吸気時に胸
腔内が陰圧になる時、同時に食道内
も圧力が下がる]
①舌が口蓋に圧接する
⇒口腔閉鎖完了
☆
☆
■胃内部は常に陰圧状態で
あることにも注目
■気道閉鎖⇒食道入口開孔
⇒飲み込むと云うより胃に
⇒食道内に陰圧が生ずる
⇒食塊は食道に引きこまれ、
引っ張り込まれると考える
胃に送られる。
方が合理的である。
■蠕動運動は食塊を胃に送る
補助的なものとするのが理
に合っている。
舌の拡がりを止める壁(歯槽提・歯牙)
=舌の口蓋への圧接を補助する役割
歯槽
歯槽
加齢と共に歯牙の喪失(特に臼歯部)
⇒歯槽骨の吸収=歯槽の平坦化
⇒舌の拡がりを止める壁の喪失
歯牙
歯牙
(上顎に義歯が入っていない場合)
舌の側方への拡がり状態の発
⇒歯槽骨の吸収=歯槽の平坦化
■口腔閉鎖不全=食堂・胃の陰圧
生
⇒舌の拡がりを止める壁の喪失
状態保持を阻害
⇒口蓋への圧接力低下
⇒口腔閉鎖不全
☆
☆
舌接触補助床(嚥下補助装置)
※歯牙があることを前提としている
※無歯顎について考慮されていない。
⇒口蓋部の閉鎖か口蓋壁を低下
させる為の装置である。
☆
嚥下は「口腔閉鎖」に始まる。⇒口蓋への
舌の圧接を効率良く、適切に行わせる為
に必要な歯槽と歯牙=壁の存在
[舌の側方への広がり]⇒不完全な[口腔
[舌の側方への広がり]を止める役割を
閉鎖]を誘発する。
[果たす壁]=[歯槽・歯牙]
⇒無歯顎状態は[舌の側方への広がりを
止める役割を果たすもの(壁)が無い]
⇒上顎に義歯状の装着が効果的。
嚥下能力機能の低下する前に義歯装着
をすることが肝要⇒後からでは義歯の
異物感を克服出来ない。
完
完全な口腔閉鎖を導く装置として上顎だ
けの壁装置を装着させることは可能⇒
嚥下補助装置として介護保険の給付
対象とすべきである。