PPT - KEK

A02計画班 研究目的
現実的なクォーク質量でのフルQCD格子 計算が目前に迫る一方、現実的核力を用い
た原子核の厳密計算が可能になってきた。2007 年には、半世紀以上にわたり現象論
的にしか取り扱えなかった核力を、並列計算機を用いた格子QCD 計算から理論的に
導出する道が、最近拓かれた。
これらの現状を踏まえ、A02計画研究「クォーク力学に基づく原子核構造」では、
・ 格子QCD を用いた核力研究をさらに進展させ、フルQCD 計算による核力や
ハイペロン力の全解明を目指すとともに、
・その結果に基いて、大規模計算により、原子核構造論・ハイパー核構造論・
高密度物質構造論を系統的に展開する。
・計算資源としては、Blue Gene/L (KEK), PACS-CS(筑波大)、T2Kなどのスパコンを
活用し、10PFlops 級次世代スパコンも視野にいれる。
A02計画班概念図
QCDに基づく高密度中性子物質・
ハイペロン物質の構造
QCDに基づく安定・不安定原子核の構造
格子QCD計算による
高密度クォーク物質
密度汎関数法計算
による核構造
中務
矢花
中村
クラスター変分法
計算による核物質
確率的変分法計算
によるハイパー核
根村
鷹野
PD
肥山
モンテカルロ殻模型
計算による核構造
大塚、鈴木
清水
PD
PD
格子QCDによる核力の導出
初田、青木、根村
佐々木
石井
計画研究A01: 量子色力学にもとづく真空構造クォーク力学
UMOA法計算による
有効核力
藤井
PD
計画研究A04: 分野横断アルゴリズムと計算機シミュレーション
計画研究A02: クォーク力学に基づく原子核構造
計画研究A03: クォーク力学・原子核構造にもとづく爆発的天体現象と元素合成
A02計画班 研究計画・方法
(1) 計画研究A01で提供される大きな格子上のフルQCD ゲージ配位を用い、物理
的クォーク質量での現実的核力を計算し、格子QCD による第一原理核力として
核構造計算に提供する(石井)。
(2) 格子QCD 計算で得られたハイペロン力と確率論的変分法を用いて、軽いハイ
パー核の構造計算を行い、ハイペロン物質の新側面を探る。
(3) 格子QCD 計算で得られた核力をインプットに、クラスター変分法を用いて
核物質状態方程式の計算を行い、計画研究A03 の中性子星や超新星爆発等
への応用に供する(鷹野)。また、高密度格子QCD 計算の手法を探る。
(4) 格子QCD 計算による核力や、それを基にUMOA法で構築した有効核力を用い、
モンテカルロ殻模型計算を実行し、ウラン238 にまで至る安定・不安定原子核
の精密計算を行う。元素合成に供する。
(5) 全核種・全アイソトープについて基底状態や電磁-スピン-スピン・アイソスピン
応答などを密度汎関数法で計算し、理論核 データを構築する。 結果は、
計画研究A03 の超新星爆発時の元素合成過程へのインプットとなる。
A04班と連携してアルゴリズムを進展させる(矢花、清水)
研究支援員(PD)は、複数の研究テーマにまたがる優秀な若手の人材を配置し、
研究遂行の流れを一気に加速させる。
A02計画班経費(概算)
H20
予算:
520万円
人件費: 220万円
H21
H24
2180万円
2180万円
1700万円 1800万円
1800万円
1800万円
150万円
150万円
150万円
240万円
160万円
その他
50万円
(旅費)
(消耗品)
250万円
計算機
H23
2260万円 2180万円
10万円
T2K
H22
150万円
0
230万円
0
230万円
0
230万円