VRMLコンテンツ及びドーム型スクリーンを用いた地理教育支援教材

3Dコンテンツを用いた地理教育の
ためのWBT教材開発
土田 賢省(東洋大学)
塩野 康徳(東洋大学)
上津原 恵(東洋大学)
夜久 竹夫(日本大学)
2009年6月27日日本情報科教育学会 第2回全国大会(九州工業大学)
1
本研究の位置づけ
プログラム学習の原理と特徴をもったコー
スウェアによる教育


地理教育にコンピュータを活用し,教科「情報」
の観点から,情報の利活用の効果を実感させ
て,利活用の動機付け,技能を向上させる.
効果的な教材の作成.
2
発表内容
1.はじめに
2.WBT教材の概要
3.WBT教材の拡充
4.まとめ
3
1.はじめに
4
1.1 背景(1/2)
教科「情報」ではコンピュータの利用に関
する事項が多数取り扱われている.


目的に応じたコンピュータや情報通信ネット
ワークの活用が必要であることを理解させ,そ
の考え方や方法を習得させる
他の科目においても既存の教科書教材のみ
ではなく,それに加えた補助教材ソフトを使用
し学習効果を促進させる
5
1.1 背景(2/2)
地理教育の目的
『日本や世界の地域の諸事象を位置や空間
的な広がりとの関わりで捉え,それを地域
の規模に応じて環境条件や人間の営みな
どと関連付けて考察し,地域的特色を捉え
るための視点や方法を身に付けさせる』
(中学校学習指導要領より,1998年)
6
1.2 動機(1/2)
他の科目での情報(ICT)を活用において、準備(コン
ピュータやソフトウェア環境)、教材開発(コンテンツ作り)
は教員が主体で、生徒では出来上がったものを使うのみ
他科目でのICT活用に生徒も準備(計画、設計、開発)の
段階から参画して、「情報」の実習、プロジェクトとして協
働作業を経験すれば、「情報」、当該科目の双方に教育
的効果が見込まれる
わざわざ外に情報活用の題材を探さなくても、生徒の最
も身近(生徒が真のユーザである)ものとして、他科目で
のICT利用がある(例えば、「地理」へのCG応用)
7
1.2 動機(2/2)
学習者が能動的に地図や統計情報などを
利用し,体験的に地域の情報を理解する
経験が必要
既存の教材では体験的学習が不十分
既存の教材
8
1.3 研究の目的
教科「情報」の観点から、情報の利活用の効
果を実感させ、利活用の動機付け、技能を向
上させる

他の科目に関連した補助教材で,コンピュータに
よる3次元CGを対話的に操作することを通じて、こ
のような観点からも効果が期待できるようなシステ
ムの実現を目指した。
体験的な地理学習を補助する効果的な教材
の作成
*Akagi, G., Koichi, A., Miyadera, Y., Shimizu, M., Tsuchida, K., Yaku, T. and Yasui,
M., 2007, in IFIP International Federation for Information Processing, Volume 230,
Knowledge Management for Educational Innovation, eds. Tatnall, A., Okamoto,
9
T., Visscher, A., (Boston: Springer), pp. 83-88, 2007(2006).
2.WBT教材の概要
10
2.1 WBT教材の特徴
(1) 全てのコンテンツがWebで公開可能
HTML, Javascript, VRMLで記述
(2) 1つのコンテンツに対し,多角的な視点からの
理解が可能
学習者が教材の3DCGを動かしたり,視点を移動
することが可能
(3)学習過程を作成者側で完全に指定するのでは
なく, 学習者が能動的に教材を利用できる
コンテンツに対する操作に自由度を持たせている
11
2.2 WBT教材のコンテンツ(1/5)
コンテンツ構成
地理用語集・地学用語集
3D伊能図
コンテンツ
HTML
VRML
その他画像
ファイル
地理・地学用語集
192
122
25
3D伊能図
24
39
26
コンテンツごとのファイル数一覧
12
2.2 WBT教材のコンテンツ(2/5)
(1) 地理・地学用語集
用語とその説明
地形の特徴を表す用語には,例となる3D地
形図を表示
地形が形成される構造,太陽系の構造などを
説明する3Dコンテンツ
利用者が用語と説明のみを読むのではなく,
3Dオブジェクトを操作することで双方向的な
学習が可能
13
2.2 WBT教材のコンテンツ(3/5)
(1) 地理・地学用語集 (続き)
Webブラウザ上で表示される地理教育支援教材
14
2.2 WBT教材のコンテンツ(4/5)
(1) 地理・地学用語集 (続き)
Webブラウザ上で表示される地理教育支援教材
15
2.2 WBT教材のコンテンツ(5/5)
(2) 3D伊能図
伊能図のGIF画像を貼った3D地形図
利用者が能動的に伊能図の世界を体験する
富士山を多方面から眺めた景色
伊能中図 (富士山)
3D伊能図 (富士山)
16
3.WBT教材の拡充
17
3.1 地理問題集
学習効率を上げるため,3D地形図を活か
した地理問題集を開発
18
3.2 問題の構成
基本問題
用語確認問題
地形図確認問題
応用問題
等高線から3D地形図を読み解く
3D地形図から等高線を読み解く
19
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(1/7)
基本問題
用語確認問題例
20
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(2/7)
基本問題
誤解の表示例
21
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(3/7)
基本問題
リアス式海岸についての解説ページ
22
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(4/7)
基本問題
地形図確認問題例
23
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(5/7)
応用問題
等高線から3D地形図を読み解く問題
24
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(6/7)
応用問題
3D地形図から等高線を読み解く問題
25
3.3 試作したWBT教材のコンテンツ(7/7)
応用問題
地形図と等高線の対応
26
3.4 コースウェアの流れ
問題
解答
正解
解説を見る
判定
Yes
誤解
解説
No
次の問題へ
問題集のフローチャート
*F.Terada, M.Matsuyama, T.Syakushi, K.Sukoh, and T.Yamamoto, ENGLISH
EDUCATION USING MULTIMEDIA CAI SYSTEM---USE OF THE SYSTEM IN 27
MEETING THE NEEDS OF ENGLISH LANGUAGE EDUCATION, pp319-324, 1986
4.まとめ
28
4 まとめ(1/2)
地理・地学学習を効果的に進めるための
WBT教材を作成した
本システムでは、ユーザが教材コンテンツ
の3Dオブジェクトを動かしたり、視点を容
易に変更できる

教科「情報」の情報の利活用における教育的
効果につながる
29
4 まとめ(2/2)
今後の課題



コンテンツの拡張・システムの改善
学習者がより能動的に利用できる教材
地理以外の科目への応用
30
ご清聴ありがとうございました
31
6.1 まとめ(2/2)
(4) 社会科の教諭による評価
→対話的な学習が体験できる可能性がある
との評価を得た
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
32
6.2 今後の課題
(1) コンテンツの拡張・システムの改善
(2) 未実装のプログラムの完成
(3) GIS(地理情報システム)を利用したコン
テンツの開発
(4) 「ユーザが作る」コンテンツの開発
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
33
デモをご覧ください
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
34
2.1 WBT教材の特徴(1/2)
すべてのコンテンツはHTML,Javascript,
VRMLで書かれているため,教材はWeb上
での公開が可能である(図1参照).
学習者が教材の3DCGを動かしたり,視点
を移動することができるため一つのコンテ
ンツに対し,多角的な視点からの理解がで
き
学習過程を作成者側で完全に指定するの
ではなく,学習者が能動的に教材を利用す
ることのできる自由度をコンテンツに持た
35
せている.
3.2 試作したWBT教材の特徴(1/2)
(1) 全てのコンテンツがWebで公開可能
HTML, Javascript, VRMLで記述
(2) 1つのコンテンツに対し,多角的な視点か
らの理解が可能
学習者が教材の3DCGを動かしたり,
視点を移動することが可能
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
36
3.2 試作したWBT教材の特徴(2/2)
(3) 学習者が能動的に教材を利用することが
できる
コンテンツに対する操作に自由度を持
たせている
(4) 3DCGコンテンツの効果を増幅
CyberDomeの利用
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集会 (九州大学)
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2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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1.4 研究の目的
(1) 地理・地学学習を効果的に進めるための
WBT (Web Based Training)教材の開発
(2) 3D地形図をはじめとする3Dコンテンツの作
成
(3) ドーム型スクリーンを用いた教材の効果的
な利用
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4.評価
高校の社会科の教諭による試行評価結果
(1) 写真では分かりにくい「本当の地形」を表示するこ
とが期待できる (総評)
(2) 地域の時系列変化のコンテンツとして「農村の市
街化」などが考えられる (提言)
(3) 自習用の教材として活用する方向が良い (提言)
(4) 地形の測量の可能性 (質問・提言)
(5) 地下の様子の表示可能性 (質問・提言)
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集会 (九州大学)
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5.未実装のプログラム
2005年11月5日 情報処理教育研究
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5.未実装のプログラム
地域学習への応用
学習者入力型のプログラム
3D地形図の時系列表示
一つの地域の時間変化を複数の3D地形図を
用いて表現
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集会 (九州大学)
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6.まとめと今後の課題
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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6.1 まとめ(1/2)
(1) 地理・地学学習を効果的に進めるための
WBT教材を作成した
(2) 3Dコンテンツを作成した
HTML:259ファイル,VRML:202ファイル
(3) ドーム型スクリーンを用いた教材の効果
的な利用を一部コンテンツで実現した
(内部評価)
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6.1 まとめ(2/2)
(4) 社会科の教諭による評価
→対話的な学習が体験できる可能性がある
との評価を得た
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6.2 今後の課題
(1) コンテンツの拡張・システムの改善
(2) 未実装のプログラムの完成
(3) GIS(地理情報システム)を利用したコン
テンツの開発
(4) 「ユーザが作る」コンテンツの開発
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集会 (九州大学)
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2.準備
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2.1 3D地形図(1/2)
(1) 数値地図
国土地理院発行 CD-ROM
数値地図50m/250mメッシュ(標高),
49
2.1 3D地形図(2/2)
(2) VRMLへの変換
数値地図からVRMLデータに変換し(変換
プログラムは2004年に完成),地形図を
3D表示
地形図(VRML)を汎用ブラウザで3D表示
地形図の3D表示例
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2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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2.1 WBT教材のコンテンツ(1/2)
コンテンツ構成
地理用語集・地学用語集
3D伊能図
歴史と3D地形図
3D商店街
管理画面・その他
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2.1 WBT教材のコンテンツ(2/2)
HTML
VRML
その他画像
ファイル
地理・地学用語集
192
122
25
3D伊能図
24
39
26
歴史と3D地形図
8
40
3
3D商店街
7
1
0
管理画面・その他
28
0
24
合計
259
202
78
コンテンツごとのファイル数一覧 (2005.10.31)
54
VRML
VRML (Virtual Reality Modeling Language)
WWW上で物体の三次元表現をするためのオブ
ジェクト指向言語.構成要素をあらわすノードと
その性質を表すフィールドの組で構成される
視点の移動、オブジェクトの移動,アニメーション
の表示等がWebブラウザ上でできる
CGに関する高度な知識や高価なソフトが不要
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CyberDome
CyberDome Viewer Pro (松下電工) に
より3台のパソコンを連動させ,ドームス
クリーンに表示
ARS形式 (松下電工独自方式)を採用
VRML97ファイルからARS形式へ変換す
るコンバータを使用
3D Studio MAX プラグインによりARS形
式への変換
2005年11月5日 情報処理教育研究
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GIS
GIS (Geographical Information System )
デジタル化した地図データと,統計データや位置
に関連したデータとを統合的に扱う情報システム
地図データと他のデータを相互的に関連付けた
データベースと,それらの情報の検索や解析・表
示などを扱うソフトウェアから構成
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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WBT
WBT (Web Based Training)
インターネットやWWWの技術を利用して教育を
行う
学習者は時間や場所を選ばずに,自分のペース
に合わせて学習を進める事ができる
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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WBTとe-Learningとの違い
e-Learning:ソフト専用の特殊なプロトコル
を使って通信教育→汎用性がない
WBT:Webブラウザやインターネット上の
情報やシステムを利用する→汎用性があ
る
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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数値地図1kmメッシュ
1kmメッシュ(標高) :中心点の標高値
1kmメッシュ(平均標高) :中心点周囲の16点
の標高値の平均値
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Browse
Material
Student
Internet
3D Database
Browse
Student
Input
Browse
Browse
Student
Student
Area Study
Local Area
3Dデータベースを用いた地域学習教材
2005年11月5日 情報処理教育研究
集会 (九州大学)
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