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薬の
正しい使い方
わたしは薬剤師です
薬剤師の国家資格をもち、みなさんが安全
に正しくお薬を飲むお手伝いをします。
医薬品の供給
(OTC、医療用医薬品)
適正使用の推進
健康相談、
禁煙補助など
Q1 「お薬」 とは、
何ですか?
考えてみよう
みなさんが普段飲んでいるお薬があります
か?
思い出してみましょう。
お薬とは…
病気の診断や治療、または予防することを
目的に使われるもののことで、「薬機法」と
いう法律で医薬品として定められています。
Q2
「お薬」は、何のために
あるのですか?
考えてみよう
こんなとき、どうしましたか?
●転んで怪我をしたとき
●熱が出たとき
●お腹が痛くなったとき
自然治癒力
病気やけがを乗り切るために、本来人間
が持っている力。病気やけがから回復する
時に働きます。
年齢とともに
低下します
「自然治癒力」だけでは回復出来ない時もあります。
そこで、薬は病気の原因を取り除いたり、
「自然治癒力」を助け、病気やけがが早く治るよう
にしたり、重くならないようにしたりします。
体が弱っ
た時
元気な時
自然治癒力
自然治癒力
+
薬の力
Q3
「お薬」には、どのような種類が
あるのですか?
考えてみよう
今までどのようなお薬の形をみたことがありま
すか?
薬の種類は大きく
3つに分類されます
内服薬
口からのむ薬
外用剤
注射剤
皮膚、目、鼻などの
粘膜に使用する薬
皮膚や筋肉、
あるいは血管内に
直接入れる薬
軟膏・貼付剤
カプセル
錠剤
トローチ
点眼剤
散剤
(粉ぐすり)
シロップ剤
消毒薬
なぜ錠剤やカプセルにしてあるのでしょう
・苦い味を隠すため
・長時間、効くようにするため
・光から薬を保護するため
・散剤(粉薬)が飲みづらい人のため
・胃の中で溶けないで腸で溶けるようにするため
このような理由によって錠剤やカプセルは作られて
います。錠剤をかみ砕いてのんだり、カプセルの中
身を出してのんだりしてはいけません。
薬が効かなかったり、逆に効きすぎて危険な場合が
あります。
など
なぜ錠剤やカプセルにしてあるのでしょう
カプセルの中の顆粒に、
このような工夫を加えることがあります
例えば・・・
胃で溶ける顆粒
はやく効く
腸で溶ける顆粒
ゆっくり効く
なぜ錠剤やカプセルにしてあるのでしょう
「錠剤」にはこんな
「仕掛け」もあります
例えば・・・
味などを
かくす膜
胃で溶ける成分
腸で溶ける膜
腸で溶ける成分
錠剤になる薬とカプセルになる薬の違いは?
薬の成分によって、錠剤にしたり、カプセルにしたりするなどし
て、薬の成分が壊れることのないよう、また、効果が出やすい
ように形を使い分けています。
カプセル
粉や顆粒、液体と
いろいろな状態の
薬を中に入れること
ができます。
粉に圧力をかけて
固くまとめることが
できます。
錠 剤
Q4 「お薬」 の使い方には決まり
が あるのですか?
考えてみよう
こんなところに
書いてあります!
今までに
医師や薬剤師からお薬の使い方に
ついて指導されたことがあります
か?
薬の使い方には決まりがあります。
用法(のみ方、のむ回数、のむ時間)・用量(のむ量や数)が
決められています。
いつのむか
食前
食事の30分前
食後
食事が終わってか
ら30分以内
食間
食事が終わってか
ら約2時間後 など・・・・
何回のむか
例
・1日3回毎食後
・1日2回朝食後と夕
食後
など・・・
のみ方は
コップ1杯程度の水ま
たはぬるま湯でのみ
ます。
~薬の決まりを知るために~
薬の旅
薬は、血液の中に入ってはじめて効果を発揮します。
~薬の決まりを知るために~
薬の血中濃度
お薬の効き目は『体の中の薬の量』できまります。
血液にとけている薬の濃度のことを血中濃度といいます。
血中濃度によって薬の効き目の現れ方が決まります。
●1日3回のむ薬の場合
決められた量より多くのむと
危険なことがあります
高
い
危険な範囲
薬
の
血
中
濃
度
時間 朝のむ
効き目が
現れる範囲
効き目が
現れない範囲
昼のむ
夜のむ
「効かないからもう1錠」や「痛みが軽いから半分だけのむ」はダメ!!
~コップ1杯程度の量の飲み物でのむ理由~
ペタペタ実験
2 指に水をつけて・・・
1 水とカプセルを用意します
水
カプセル
3 カプセルにくっつけると・・・
指先と同じことがのどで起こると、
カプセルがのどにくっついて溶けてしまう。
~水で飲む理由~ (例)
お
茶
: 薬の効果が弱くなることがあります。
牛
乳
: 薬の効果が発揮されるのに時間がかかり
過ぎることがあります。
コ ー ラ
コ ー ヒ ー
: カフェインの作用により、眠れなくなること
があります。
ジ ュ ー ス
: 果物や野菜の成分は目的とする効果を変
えてしまうことがあります。
Q5
「お薬」 には、副作用があると聞きますが、
それはどのようなものなのですか?
また、なぜ起こるのですか?
考えてみよう
「副作用」について知っていることがあります
か?
すべての薬には、「主作用」と
「副作用」があります。
主作用
病気を治したり
軽くしたりする働き
副作用
本来の目的以外の
好ましくない働き
熱が下
がった!
解熱剤を飲
んだら胃が
痛い・・
かゆみがと
れた
アレルギー
の薬を飲ん
だら眠い・・
副作用が起こる主な原因には
こんなことがあります。
① 薬のもっている性質によるもの
② 薬の使い方によるもの
③ 薬を使う人の体質、年齢によるもの
④ 薬を使った人のその時の体の状態に
よるもの
⑤ 一緒に飲んでいる薬の影響
自分にあった薬を正しく使うことで副作用の危険を減らすことができます。殆
どの薬では重い副作用がでることはありません。しかし予想出来ない副作用
が出ることがあります。
薬を使用して副作用が疑われる時は、
すぐに医師・薬剤師に相談しましょう。
Q6
「お薬」 には、飲み合わせが悪い組み合わ
せあると聞きますが、どのようなものなので
すか?また、なぜ起こるのですか?
考えてみよう
「相互作用」について知っていることがあります
か?
相互作用とは・・・
お薬と一緒に摂取することで、効果に影響
(作用の減弱・増強等)を与える組み合わ
せがあります。お互いの効果に影響を与え
ることを相互作用と呼びます。
お薬と食品、お薬と他のお薬、その他健康
食品等にも相互作用は存在します。
例) 納豆 と ワルファリン
抗凝固薬と呼ばれ、血液のかたまり(血栓)ができ
るのを予防したり、治療する薬です。ワルファリン
は肝臓でのビタミンKに依存した凝固因子の合成
を阻害して抗凝固作用を発揮します。
相互作用
納豆(納豆菌)は小量でも腸の中でビタミンKを作り
だします。ワルファリンの効き目が悪くなってしまい
ます。納豆は食べないようにしてください(他の大
豆食品は大丈夫です)。
例) うつの薬 と 肩こりの薬
うつ病などに使われるルボックス(フルボ
キサミン)は、特に精神神経科などで処方
され年齢を問わず使用されています。
筋肉のこりをほぐすテルネリン(チザニジ
ン)は、主に整形外科や神経内科から処
方され、筋肉の硬直の改善や、頭痛の予
防などに使用されています。
同時に飲むとテルネリンの血中濃度が33倍
に上昇したという報告があります!
このような事態を防ぐために、
お薬手帳やかかりつけ薬局を持ちましょう!
1人1冊持ちましょう。過去、現在のお薬の
記録を持ち歩くことで、正しく安全にお薬を
受け取ることができます。
あなたの病気や薬について、確実に理解し
ているかかりつけ薬局を持ちましょう。いろ
いろな医院や病院でお薬が出されても、1
つの薬局で管理してもらえると安心です。
薬は、正しく使いましょう!
・薬を自分の判断で勝手に
飲んだり使ったりしてはいけません。
・薬は一人ひとりの症状などに
あわせて使う必要があります。
友達からお薬をもらったり、逆に
友達にあげたり、また家族が病
院からもらったお薬を使ったりす
るのは良くありません!
同じ症状のようでも原因が違っていたり、
前回とは身体の状態が異なっていたり
することが考えられるので,
残った薬注) は飲んでは駄目です
注)薬には「使用期限」があります。
この点からも、残った薬は使用しないで下さい。