大井 絢古 Junko Oi 芸術の伝承

芸術の伝承
恩師各氏から与えられた 計り知れない恩恵である音楽的霊感を 絢古は
演奏や音楽教育を通して 機会あるごとにすべての人と分かち合いと願っています。
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故 堤 清 先生
インディアナ大学音楽学部 堤剛教授の御父上
堤清先生は 最初に絢古にチェロの手ほどきを
なさった方です。 厳しいことで名高かった先生ですが絢古は
音楽のお祖父様と慕いました。 堤先生はレッスンの度に
絢古が宿題の曲をそれはよく弾くので驚いた、 そして 次の
宿題がどれ程難しいかを 忘れずに強調されたものです。
堤先生の独自の子供の教え方に 絢古は深い敬意を
懐いています。 ひとりひとりの子供の能力と進歩に合わせて 先生は
よく知られている節の編曲を自ら手掛け、それを丁寧に手書き
なさった楽譜を使っておられました。 その楽譜を手に取って拡げると
今でも 先生がすぐ傍にいらっしゃる様に心温まるのを感じるといって
絢古は 其の頃を懐かしみます。
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誘引
パリのエコール・ノルマール音楽院の 故レイヌ・
フラショー教授は 絢古の才能を逸早く見抜き、
音楽院学生を対象にした講習会に 僅か11歳の
彼女を招待して下さいました。 講習会は 深く心に
刻まれたフラショー教授演奏のコダーイの独奏ソナタを
はじめ 連日行われた講習や演奏会など 生涯
忘れられない想い出となり、 それを実現して下さった
フラショー教授に絢古は深く感謝しています。
音楽専門の高校生・大学生に紛れて参加した鎌倉学生
音楽コン ク ールで 、 14 歳のときに 金賞とともに 特別賞の
鎌倉市議会議長賞を受賞するという形で認められた事が、
本格的に演奏家になる道を選ぶきっかけとなり 絢古は世界でも
著名な音楽家を多々輩出する桐朋学園で勉強する事になります。
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安田 謙一郎 教授
桐朋学園大学音楽学部
ピエール フルニエ 及び ガスパール カサド 師事
チャイコフスキー コンクール 第三位
安田先生の洒落っ気たっぷりのレッスンを
絢古は非常に印象深く想い出します。
- 晩年の肖像画に描かれているでっぷりした
体型を見る限り、 ブラームスが、 その頃の
痩せた子供のような体型の絢古と同じ様に
すばしっこく歩いたり踊ったり出来た筈は到底
有得ないので、 たとえ彼が自曲の速さを
行進するようにとか メヌエットを踊る様になどと
指定していても 実際には それを控えめに
解釈して遅めのテンポで弾かなければ
ブラームスの本意には沿えないでしょう。-
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また或る時は、 先生の示唆は
聴覚の領域を超えて拡がります。
音色や音質の違いの表現を可能に
する為に ひとつの和音 あるいは
ひとつの調と それに特有な色彩を
結びつけてはどうでしょう。- 絢古は
早い時期にこの共感覚を呼び
起こして下さった安田先生に
心から感謝しています。
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フランスとドイツの影響
かなり後になって絢古は この頃学んだ事が現在の解釈や奏法に
深く影響している事に気付くようになります。 フォイヤーマンの高弟で
桐朋学園の創始者の斉藤秀雄によって紹介された ドイツ的な組織的・
能率的研究法を 絢古は その伝統を受け継ぐ桐朋学園で
紹介されました。 同時に フランス的演奏解釈法は 安田先生や、
伝説的なフルニエ、トゥルトゥリエ、ナヴァラなどの高弟各氏による室内楽の
レッスンを通して扇動されました。
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故 井上 頼豊 名誉教授
桐朋学園大学音楽学部
ロシア音楽演奏及び教育の権威者
チャイコフスキー コンクール審査員
英国留学前に井上先生と
最後に過ごした時を 絢古は
感慨深く語ります。 - 先生は、
勉強を完了して上達したところを
お聞かせ出来る様になるまで必ず
待って いますか ら と おっしゃって
下さったのです。 想えば、
御容態のかなりの悪化を自覚して
おられたにも関わらずの お優しい
お励ましでした。
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先生の愛妻が 絢古の母にこんな話を
なさった事があります。 - ほかの
お弟子さん達と違ってね、 絢古さんの
レッスンの時は余り音が聴こえてこないわね、
おしゃ べりにお花が咲いて いるらしくて 。-
哲 学 的 な 会 話は 当 然 の こ と な が ら 主 に
音楽についてでしたが シベリアで戦争捕虜
に な っ て お ら れ た 間に ロ シ ア 語 を 会 得 し て
しまわれた先生の“生き延び術”に もっとも
心を動かされたと 絢古は回想します。
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ある日レッスンでバッハを弾いているまっ最中に
突如音程に対する疑問が湧き まるで泥沼にでも
嵌まっているように感じた事がありました 。 出来る
限りの最高の状態でその日のレッスンに望めていない
事を大変恥じ、 自分自身を許せない気持ちで困惑
している絢古に井上先生は、 「後退していくように
感じるのは 感覚が鋭くなっているという事なのよ。
それは実際には以前よりも上達している
証拠でしょう。」と おっしゃって下さいました。
この時以来、 絢古は 彼女自身の言うところの
絶望の泥沼に嵌まる度に この先生のお言葉によって
鼓舞されるのを感じてきました。
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先生の御葬儀に出席の
叶わなかった事をお詫びした時、
先生の御奥様は、 「勉強の
為の時間を割いてお葬式に
出席したとしても頼豊さんは
歓ばなかったでしょうね。 貴女の
心には(頼豊さんの)教えが
しっかりと刻まれている事を
頼豊さんは知っていますよ 。」と
おっしゃいました。 休みなく
自己修養を努める事のみが
御恩返しになるのだという信念を
御奥様がご理解下さって
いらっしゃる事で 絢古はとても
慰められました。
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ご褒美
桐朋学園卒業後まもなく 、 絢古は
日本音楽コンクールで入賞を果たし、
同じ年に 日本音楽連盟より シューマンの
コンチェルトの演奏に対しての 特別賞を
受賞しました。
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渡英そしてロシア音楽追究へ
奨学を許された英国王立北音楽大学から 絢古は 大学院
ディプロマ修士を授与されましたが 在学中に師事した
ラルフ・キルシュバウム、 エマ・フェランド両教授に 絢古はとても
感謝しています。 英国西部コンウォール州での国際セミナーで
巡り逢ったのは 米国ローチェスター大学と英国王立音楽院で
教鞭を執る スティーヴン ・ドーン教授でした。 教授の独特の
視野によって進境を促されたのを 絢古は懐かしく想い出します。
それまでの絢古の生涯の最大の夢は ロシア式奏法を学ぶ事
でしたが、 日本チェロ協会の会員となった年に、 限りない感謝を懐く
カリーナ・ゲオルギアン、 アレクサンダー・ボヤルスキー両教授と
出会った事により その夢が叶う事になります。
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アレキサンダー ボヤルスキー 教授
英国王立音楽大学
1997年から2000年まで師事を仰いだ アレクサンダー・ボヤルスキー教授は 絢古が
壊れやすいお人形さんのようだとおっしゃって 必ず「大丈夫ですか、 今日は何の曲を持って
来たのですか?」と労わりながら レッスンを開始されました。
教授は かなり永い間絢古が抱えていた音楽的な
懸念を 瞬間的に和らげて下さいました。 生徒の疑念の
本質をこれほど即座に見極める事の出来る方は
ボヤルスキー教授を措いて他にはいらっしゃらないと絢古は
公言し ます 。 教授 のこ の上 なく 貴重な 助 言に よ って
間もなく絢古は 自身への信頼を取り戻す様になります。
英国王立歌劇場オーケストラで主席ヴィオラを務める 教授のご子息の
コンスタンティンさんのリサイタルを聴きながら、 絢古は コンスタンティンさんはきっと持てるに
違いないと考えました。 - 教授もご子息も ハンサムで、背が高く、素晴らしい音楽家で、
おまけに洒落の感覚に長けていらっしゃるのです 。 英国王立音楽大学、ユーディ・
メニューイン音楽学校両校で教鞭を執っておられる教授の御奥様は いつも優雅で気品の
高さを醸し出していらっしゃいます。- 絢古は彼女の理想である教授御一家を思慕します。
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カリーナ ゲオルギアン 教授
デトモルト音楽大学及び英国王立北部音楽大学
チャイコフスキー コンクール優勝
現代曲の権威者
カリーナ・ゲオルギアン教授の
演奏を初めて‘拝見’した時
絢古には、 教授の 指板に
対する左手の置きかたがそれまでに
見慣れていた他のチェリスト達とは
違うように思えて これは 座って
いた客席の位置の為だろうかと
不思議な興味をそそられました。
結果的にはこの時の観察が、
自 身 の 豊 か な 想 像 力 を
魅力 的 な音 へ と変 容 さ せ る事 を
可能にする 絢古独自の技術の
確立に繋がります。
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ダーティントン国際夏季講習会での
初めてのレッスンで、 ゲオルギアン教授が
即時に認めたのは 絢古の音楽への
奥深い理解でした。 その時以来の
教授の果てしなく惜しみない精神的な
励ましに 充分に感謝する事はとても
出来ないと言い、 教授のことを生涯の
心の師と崇める理由を 絢古は
次の様に説明します。
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教授の存在は畏敬を呼び起こします。
教授は、 音楽への熱情と 妥協を許さない献身的な
教授法で 世界で最も尊敬されているチェリストの
ひとりとしての揺ぎ無い名声を確保していらっしゃるにも
関わらず、 芸術に対する完璧な忠誠心から、
世界初演の大変重要な演奏会の前に 生徒達に
御自分のリ ハーサルでの演奏への批評をお尋ねに
なられる様な謙虚さをお証になられたのです。
別の機会には レッスン中に生徒のチェロを気軽に取られて
それほど長くは無いフレーズの模範演奏を示された事がありましたが、
教授の崇高な精神は すべての聴衆の心の琴線にふれて
涙を流さなかったひとはいませんでした 。 「ときの止まった様な
あの空間に居合わせる事が出来たのは 至上の悦びでした。」
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Professor Yoritoyo Inoue
REFERENCES:
http://www.classicus.jp/shafran/pictures/tchaikovsky.html
Professor
ANNABEL
Ralph
MARTIN
Kirshbaum
-BAH
http://www.cellist.nl/
(2003)
http://www.kirshdem.com/artist.php?id=ralphkirshbaum
“Interview with June Grandwells”
MisterPinEd Ltd
Professor Emma Ferrand
http://www.rncm.ac.uk/?_id=386
KUMIKO ANDO
(1998) 15 October 1998 Edition
Professor
Steven
“Interview
with
June Doane
Grandwells
http://www.cello.org/Newsletter/Articles/SDoane.html
Her Search for the
Way to Convey the Beauty of the Suppression of Emotions in the East”
http://www.esm.rochester.edu/faculty/?id=60
Nichi-Ei Times (1991 to 2002)
ProfessorM
Alexander
ICHIKO OBoyarsky
I
http://www.rcm.ac.uk/prof.asp?display=professors&link=196
(1976 to 1982)
“June’s Lesson Diaries”
Konstantin
Boyarsky
Private Collection
http://www.zavarteclassic.com/konstantin-boyarsky
Professor
NatalieBY:
Boyarsky
EDITED
http://www.yehudimenuhinschool.co.uk/1g.asp
EUGENE RYAN
Professor
Georgian
VALKarine
SOUTHON
Copyright
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http://www.karinegeorgian.com/