宇中教研 総合的な学習の時間部会 総合的な学習の時間の指導と 評価についての研究 ― 授業実践を踏まえた成果と課題の検証を通して ― ○○中学校 総合的な学習の時間「泉タイム」 • 育てたい生徒像 問題意識を持ち、進んで課題追求、 課題解決しようとする生徒 各学年の運営方針 • 1学年 ・福祉学習 ・学び方学習 ・課題追求学習 • 2学年 ・社会体験学習 ・職業・人の生き方などの課題追求学習 ・地域学習 • 3学年 ・グループによる課題追求学習 ・個人による課題追求学習 第1学年の取り組み 3 第1学年泉タイム活動計画と評価(別紙3) (1) 目標 1 3年間を見通したスキル学習を通して、学び方や考え方の基礎を身に付けさせる。 2 福祉学習を通して、共生社会についての理解を深めさせ、また、自ら課題を設定し追究する活動を通して、主体的な課題追究能力の基礎を身に付け させる。 (評価の観点)①自ら追究したい課題を設定する力 ②見通しを持って、意欲的に追究する力 ③必要な情報を集め、分かりやすくまとめたり伝えたりする力 ④学んだことを生活や学習に生かそうとする態度 (2) 活動計画と評価 評価規準 観 時間 項 目 具 体 的 な 活 動 内 容 学習形態 十分満足できる状況 ☆支援を必要とする生徒の援助手だて 点 ガイダンス ①:総合的な学習に向けて(心構え、持ち物など) ・自分の学習内容が分かる ・自分の学習内容が分か ① ②: 〃 (テーマ、学習の意義など) (ワークシート) り、前向きに取り組もうと 学年 する。 1・2 学級 ☆1年間の学習内容の福祉学習、学び 方学習、発表会があることを理解させ る。 福祉学習 ①:「福祉」、「高齢化社会」について 学級 ・福祉学習について、今年度の学習内 ・学習内容が分かり、意欲 ① 3・4 ②:「高齢者福祉」について (ビデオ視聴) 学級 容がよく分かる。 的に取り組もうとする。 (ワークシート) 「老人ホーム」について 5・6 学級 ①:「特別養護老人ホーム」について ②:「高砂荘」について 車椅子の使い方・車椅子体験学習 7・8 9・10 学級 学級 学年 高砂荘交流活動に向けて(活動計画) 11・12 学級 高砂荘交流活動 13・14 学級 手話講座 点字講座 アイマスク講座 15~18 19~22 23~26 学年ロー テ ーショ ン 27~30 学び方学習 A 図書館の活用の仕方 1 B インターネットの利用 31~34 (情報収集 35~38 のしかた) C インタビューの仕方 D 礼状の書き方 39~42 まとめ 課題の見つけ方と課題設定 43・44 45・46 学び方学習 2 (情報のまと め方) 47・48 59・60 61・62 グループ別活動 (グループの活動内容に 沿って随時行なう。) (発表のし かた) 63 ~ 66 グループ別活動 発表の実践① 発表の実践② 67 68 まとめと反省 69・70 話し合いと会議のしか た・ア ンケ ートの作り 方・とり方・情報の分析・ 資料の整理と統計・グラ フ・図へのまとめ方・レ ポートの書き方・レイア ウトの工夫など 中間発表会 計画の練り直し・発表の しかた(OHP・実物提 示・話し方など) ・車椅子の使い方が十分に分かる。(自 己評価カード、観察) ☆分からない生徒には、繰り返し助言 する。 ・高砂荘との交流計画を意欲的に立て ることができる。 (ワークシート) ☆交流にあたり生徒の興味、関心があ るものを一緒に考える。 ・高砂荘では学習したことを元に積極 的に交流に取り組むことができる。 (自己評価カード、観察) ☆積極的に交流できるように助言す る。 ・福祉体験学習に意欲的に取り組むこ とができる。 (自己評価カード、観察) ☆将来に役に立つことを理解させる。 ・効果的な情報の集め方を理解するこ とができる。 (自己評価カード、観察) ・正しい礼状の書き方が理解できる。 (自己評価カード) ☆効果的な情報の集め方、礼状の書き 方を適宜助言する。 ・障害者の方の気持ちを ④ 考え、車椅子の効果的な 使い方が分かる。 ・学んだことを元に意欲的に課題を設 定しようとする。(ワークシート) ☆どんなことに興味があるのか一緒に 考える。 ・同じ課題を持つ生徒でグループをつ くり、活動計画を立てることができる。 (ワークシート) ☆協力してできるように支援する。 ・福祉について設定した課題をグルー プで協力しながら、意欲的に調べてい る。 (観察、自己評価カード) ・協力して調べられるように、励ました り、支援したりする。 ・将来に生かそうと意欲的 ① に自ら課題を設定し、調 べようとする。 ・高砂荘との交流に向け ① て、目的意識を持って計 画を立てることができる。 ・お年寄りの気持ちを考 ② え、意欲的に交流学習が できる。 ・将来に生かそうという意 ④ 識を持って、積極的に福 祉学習に取り組ん でい る。 ・自分の目的に合った効 ③ 果的な情報収集の仕方を 考え、適切に情報を集め ることができる。 学級 学級 グループ作りと活動計画 49 ~ 58 学級ごと にA~D をローテ ーション する。 ☆福祉の必要性を理解させる。 学級 学級 学級 学級 学級 ・調べたことを、工夫して発表すること ができる。 ・グループで計画を練り直し、よりよい 発表ができる。 (自己評価カード・相互評価カード) ☆分かりやすい発表について一緒に 考える。 ・グループで協力して意 欲的に取り組むための計 ① 画を立てられる。 ・将来に役立てるように意 欲的に課題を調べてい ② る。 ・調べたことをわかりやす ③ く工夫して発表することが できる。 ・グループで計画を練り 直し工夫してよりよい発表 ができる。 学年 1年間のまとめ 学級 ・学んだことを前向きにとらえ、今後に 生かそうとする。 (自己評価カード) ☆学んだことを元に今後に生かせるよ うに励ましたり、方向性を示したりする。 ・将来に生かそうとして積 ④ 極的に泉タイムの学習に 取り組んだことを振り返る ことができる。 第1学年の取り組み • 福祉学習 ・アイマスク体験 ・手話講座 ・点字講座 ・高砂荘訪問 • スキル学習(学び方学習) ・図書館の利用の仕方 ・礼状の書き方 ・インターネットの利用の仕方 ・インタビューの仕方 など • 課題追求学習 福祉学習(手話講座) 福祉学習(点字講座・お礼の手紙) 平山さんへ こんにちは この前はとても勉強になりました。前に私 は点字について調べたことがあります。その時は、よく分からなかっ たけど、平山さんに教えてもらって今までよりとてもよく分かりました。 本当にどうもありがとうございました。 泉が丘中学校 生徒○○ 福祉学習(高砂荘訪問) 福祉学習のワークシート(自己評価型) スキル学習(図書館の利用の仕方) スキル学習(礼状の書き方) 課題追求学習(ワークシート) 課題追求学習(発表会) 課題追求学習(ポートフォリオ評価) 課題追求学習(自己評価・反省) 生徒の感想 生徒B 調べ学習にみんなで協力して取り組むことができた。 今回は、本やインターネットだけでなく、FAXによるイ ンタビューと工夫した調べ方ができたのでよかった。 テーマに沿った調べ学習ができてとても良かった。 生徒D 福祉の学習を通して、いろいろなことを体験でき、い ろいろな事を知ることができた。日頃障害者の方が 困っていたら、「どうしましたか?」と聞いてみようと 思った。 観察による評価 • 生徒一人一人の活動の様子を観察し、行動 や言葉などからできるだけ生徒の内面読み 取るように努力し、支援できるようにしている。 成果と課題 • 成果 ・豊富で印象に残る体験 ・外部講師による活動 ・福祉施設での交流 ・福祉体験による生徒の意識の変容 ・活動ごとの評価の実践 成果と課題 • 課題 ・生徒のゆとりの減少 ・教師、生徒、保護者の三者間の連携 ・保護者への伝達方法の改善、協力体制の構築
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