15,電気溶接作業現場における低周波磁界の測定と解析プロジェクト2

電気溶接環境における低周波磁界の
計測と解析
15
Measurement and analysis of low frequency
magnetic field in Electronic Welding
小林拓己(Takumi Kobayashi), 飯塚洋介(Yosuke Iizuka)
山根敏(Satoshi Yamane)准教授
株式会社ダイヘン，株式会社ナストーア，他
大電流を扱う溶接作業環境では、強い磁界の曝露による作業者へ
の健康影響が懸念されている。本プロジェクトでは磁界曝露量低減
化を目的に、抵抗溶接機から発生する低周波磁界の計測を行い、磁
界領域を確認した。また、曝露低減対策の方法を検討した。
In the electric welding, a strong magnetic field is generated to treat a large current, and it has the possibility of
influencing worker's health. The purpose of this project was a decrease of the amount of the magnetic field
exposure, and the low frequency magnetic field generated from the resistance welder was measured, and the
magnetic field area was confirmed. Next, the exposure decrease measures were examined.
近年、労働環境において、作業者が電磁界曝露を受け体内
に発生する誘導電流による健康影響が懸念されている
DELECTIVE 2004/40/EC
（労働者の電磁界曝露に関する欧州指令）
Current[A]
４．磁界計測
１．背景・目的
溶接電流実効値：13.2kA
通電時間：0.4s
30000
20000
10000
0
-10000
-20000
-30000
0
※EU加盟国は、２０１２年４月までに電磁界曝露について
法令化しなければならない
抵抗溶接環境・・・低電圧・大電流を扱う
⇒作業者が強い磁界の曝露を受ける可能性
目的：溶接作業環境の改善を目指し、抵抗溶接
作業者の曝露磁界の低減対策を検討
0.05
0.1
0.15
0.2
time[s]
Welding current
アルミ板寸法(cm)
側面：100×75×0.5
正面：100×50×0.5
-200
200
100cm
400
２．抵抗溶接
-400
-200 y(mm)
200
400
黒丸は測定点
50cm
５．アルミ板による磁界遮蔽
実効値
計測結果
磁界発生
健康影響を与えるのは時間変化する磁界であり、
曝露磁界の参考レベルは磁界の周波数に依存する
３．磁界曝露低減対策の検討
数値シミュレーションソフトMaxwell3Dを用いてアルミ板に
よる磁界遮蔽効果を検討した
[μT]
400
1629
1171
591
234
Magnetic field effect value (Al free)
y＼ｘ(mm)
-200
※表中斜線は計測
0
器と測定箇所の都
合上、計測不可能な
200
点のため、値なし．
400
-400
1457
1249
640
295
-200
0
200
6270
5167
1367
1889
6433
4408
1165
366
401
377
[μT]
Magnetic field effect value (Al inst)
29～57%まで
-200
0
値が低減したが、 y＼ｘ(mm) -400
-200
465
計測箇所に
0
317
よって低減割合
200
186
に差が生じた
400
132
247
228
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
FFT処理結果
溶接回路
-200
x(mm)
200
400
400
472
334
158
105
218
メイン周波数に
おいて半減
0
-400 -200y(mm) 200 400
200
Al installation
Al free
Reference Lv.
Magnetic induction[μT]
電流の行きと帰り
の経路が異なる
75cm
x(mm)
アプローチ：溶接機メーカーから抵抗溶接機を提供していただき、
溶接接機周辺の磁界分布を測定．
アルミ板を使った磁界遮蔽効果の確認．
主な用途：自動車のボディ接合
原理：数十kAの大電流による抵抗熱
各測定点における磁界波形につ
いてFFT処理→周波数成分を求め、
アルミ板を設置していない状況で
の計測結果と比較
100
200
300
Frequency[Hz]
400
500
Spectrum distribution
それぞれ合成・FFT処理
Result
磁界の発生範囲縮小 ⇒ 曝露低減の可能性
今回：実際にアルミ板を用いた状況で磁界計測を行い、
周波数成分を求めて低減化の効果を確認する
y
z
Magnetic induction[μT]
Analyze Model
x
Magnetic induction[μT]
アルミ板（厚さ5mm）
コの字形に囲う
1000
800
600
400
200
0
-200
-400
-600
-800
-1000
0.06
0.08
0.1
0.12
Time[s]
0.14
0.16
Magnetic induction(Al free)
500
400
300
200
100
0
-100
-200
-300
-400
-500
x
0.2
0.22
0.24
0.26
Time[s]
y
0.28
Magnetic induction (Al inst)
周波数成分において磁界の低減が確認されたので、
今後はアルミを用いた現実的な低減対策を検討する
z
0.3

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