第6回目

国際経済学
(6) 消費者余剰
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2012年11月26日
お買い得感を需要曲線で表す

前から気に入っていた洋服がバーゲンで安く売
っていた!お買い得で嬉しい.

人々は財に異なった満足度を得るが

支払う価格は同じ.取引をした後の満足度は?

実際に価格を支払ったときの財からの満足度
の残りを見たい.残りを余剰という.

洋服が5000円までだったら買ってもよい.
バーゲンで3000円で売られていた.この満足度
の残り 5000-3000=2000
が消費者余剰
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
アイスショーへの支払意欲

5000円を支払うつもりが支払意欲(支払許容額)だ

ある財の支払意欲とは,それ以下の価格なら一単
位購入する.しかし,それを上回れば購入しない
という金額を表している.価格が支払い意欲と同
額ならば買っても買わなくても良いと思っている

イチローはアイスショーを一回見るか見ないかを
検討している.イチローの一回のアイスショーの
視聴に対する支払意欲は10,000円としよう

アイスショー価格が7,000円ならば見る.12,000円
ならば見ない
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支払意欲から需要表を作る
もしイチローが価格7000円でアイスショーのチケ
ットを購入したら
10000-7000=3000
 支払意欲から購入価格を差し引いた3000円がイチ
ローが得る消費者余剰だ

イチロー以外にも石川遼,ダルビッシュ,北島康
介,亀梨がアイスショーを見ようと考えている
 ダルビッシュの支払意欲は8000円,石川遼は5000
円,北島は4000円,亀梨3000円.
 価格7000円ならばイチロー、ダルビッシュ購入

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買い手
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支払意欲(円)
イチロー
10000
ダルビッシュ
8000
石川遼
5000
北島康介
4000
亀梨和也
3000
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消費者余剰

消費者余剰は取引をした後の満足度を表す

実際に価格を支払ったときの財からの支払い意欲の
残り(余剰)

正確には支払ってもよいと考えている金額から実際
に支払った金額を差し引いた値が消費者余剰
消費者余剰=支払い意欲ー価格

英語で Consumer Surplus と言う

消費者余剰をCS と略す

支払い意欲のグラフから消費者余剰を図示しよう
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲
10000
石川遼の支払い意欲
北島康介の支払い意欲
8000
5000
亀梨和也の支払い意欲
4000
3000
枚数
1
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3
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アイスショーのチケットは何枚売れる

価格が低ければ沢山売れる

価格<支払い意欲 → 購入

価格>支払い意欲 → 購入しない

実際に売れる枚数 → 価格=支払い意欲

価格が7000円だったら何枚売れる?
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
2枚まで売れるだろう
10000
8000
価格は7000円
5000
4000
3000
3枚目は売れない
枚数
1
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3
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
•支払い意欲イコール価格は購入量を表す
•価格7000円⇒2枚購入
•支払い意欲は需要曲線と同じ機能を持つ
10000
8000
価格は7000円
5000
4000
3000
購入量
枚数
1
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3
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支払い意
欲のグラフ
は需要曲
線である
支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲
10000
8000
7000
5000
価格は7000円
4000
3000
需要量
枚数
1
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3
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需要曲線(価格から数量へ)
価格
P
需要曲線
数量
Q
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需要曲線=支払い意欲曲線

最後の一個の支払い意欲と費用(価格)が同じときは
それを購入すると考えていく

支払い意欲を大きいほうから並べて価格と支払い意
欲が一致している支払い意欲の個数が需要量

価格=支払い意欲⇒購入量

これは需要曲線と同じ

価格に対して購入しようとする数量

支払い意欲曲線は各数量から1単位増えたときに支
払っても良い金額
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支払い意欲曲線と需要曲線
価格(円)
各棒グラフは個人の支払い意欲
10000
8000
需要曲線
5000
4000
3000
枚数
1
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3
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支払い意欲と消費者余剰
支払い意欲(円)
イチローの消費者余剰=10000-7000=3000
ダルビッシュの消費者余剰
=8000-7000=1000
価格は7000円
10000
8000
7000
5000
4000
3000
需要量
枚数
1
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3
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需要曲線と消費者余剰
価格(円)
需要曲線
10000
消費者余剰
8000
7000
5000
価格は7000円
4000
3000
枚数
1
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3
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消費者余剰


支払ってもよいと考えている金額から実際に支払
った金額を差し引いた値が消費者余剰
消費者余剰を表す面積=△ABCの面積
価格
A
価格 P
消費者余剰
B
需要曲線
C
数量
Q
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個別消費者余剰と総消費者余剰

市場全体の消費者余剰は総消費者余剰と呼ばれる

イチローやダルビッシュの消費者余剰は個別消費
者余剰と呼ばれる

各個人の消費者余剰は正確には個別消費者余剰

消費者余剰は個別消費者余剰と総消費者余剰の両
方の意味でしばしば使われる.個別と総の省略

どちらなのか自分で判断
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価格の下落の効果

物の値段が下がると嬉しい.消費者余剰でどう
表現できるか?

アイスショーの価格が4500円に下落した

イチローのCS=10000-4500=5500
余剰は3000円から2500円分増加した

ダルビッシュのCS=8000-4500=3500
余剰は1000円から2500円分増加した

既存の買い手は価格下落分だけ余剰が増加

新たに石川遼が購入する
石川遼のCS=5000-4500=500
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価格下落と消費者余剰
イチローの消費者余剰の増加
価格(円)
ダルビッシュの消費者余剰の増加
10000
石川遼の消費者余剰
8000
7000
5000
4500
4000
元の価格は7000円
新しい価格は4500円
3000
新しい需要量
枚数
1
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3
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価格の下落は既存と新規の消費者
への効果をもたらす

既に買っている人には均等に価格下落分だけの
消費者余剰が増える

価格下落によって新たな消費者を獲得できる

新たな消費者の消費者余剰は価格下落分よりは
小さい
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価格下落と消費者余剰
価格
元の消費者余剰
既存の買い手の消費者
余剰の増加
A
元価格 P
新価格 P’
C
B
新たな買い手の消費者
余剰の発生
E
D
需要曲線
数量
Q
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復習

消費者余剰は取引による消費者の利益

消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間

価格の下落によって消費者余剰は増える

元から買っている消費者は価格下落分だけ利益を得
る

新たな買い手は価格下落分よりも小さい消費者余剰
が発生する
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