OECD電子商取引消費者保護ガイドライン

インターネット取引とODR
2010.11.15
一般社団法人ECネットワーク
http://www.ecnetwork.jp/
理事 沢田 登志子
慶應義塾大学法科大学院 20101115
自己紹介
• 1984-2003 経済産業省に在籍
– 1998-2000 電子商取引の消費者保護政策を担当
• 2003.4- 2006.3 次世代電子商取引推進協議会(ECOM)主席研究員
– インターネット関連ADR実証実験「ネットショッピング紛争相談室」運営
(経済産業省委託事業)
・ 2006.4- 有限責任中間法人ECネットワークを設立(会員制、非営利)
・ 2009.5- 中間法人法廃止に伴い、一般社団法人に名称変更
【資本金】 300万円
【事務所】 千代田区神田須田町1-34-4 神田グロウビル9F
【理事】 沢田登志子、原田由里
【会員】 計168 A会員:2
B会員:5
一般会員:41 (法人37 個人4)
賛助会員:120 (法人21 個人99)
慶應義塾大学法科大学院 20101115
ODRの歴史
1996頃
“hobbyist” phase(オタク期)
1997-1998 “experimental” phase(実験期)
1999-2000 “entrepreneurial” phase(ベンチャー期)
2001-2004 “institutional” phase(組織的取り組み期)
・・・公的組織、裁判所、既存ADR機関が本格的に参入
2004頃~ 実用化/商用化phase
2008頃~ 国際連携活発化
慶應義塾大学法科大学院 20101115
ODRの種類と実際
(2008講義資料より)
1.非同時性コミュニケーション
・文字・・・電子メール (例)ECネットワーク
掲示板(プラットフォーム) (例)The Mediation Room
・映像・・・ビデオ(会議)
2.同時性コミュニケーション
・映像・・・テレビ会議 (例)eNeutral
・文字・・・チャット (例)韓国電子商取引振興院調停センター
*仮想空間でのODR (例)ポルトガル司法省e-Justice Center →YouTube画像
Center for Electronic Dispute Resolution, CEDIRE.org
3.自動交渉(blind bid)
・ お互いの希望額を何段階か入力すると、独自アルゴリズムで計算され
た“調停案”が提示される仕組み。
・ 金額のみ争うケース(保険金支払額等)などに向く。
(例)SmartSettle、Cybersettle
慶應義塾大学法科大学院 20101115
ODR発展の(1つの)背景
・・・Eコマース
◆インターネットの普及・商用化(1997~)
→国境を越える消費者取引
→国境を越える消費者トラブル
◆電子商取引の発展には、市場全体の信頼醸成が重要
・・・OECD電子商取引消費者保護ガイドライン
→各国法の相違・執行の困難さ→事前規制は無理
→有効な紛争解決手段が不可欠
→しかし裁判は非現実的
⇒そこでADR
⇒しかもオンラインADR(ODR)
慶應義塾大学法科大学院 20101115
OECD電子商取引消費者保護ガイドライン
1999年12月
(基本理念)・電子商取引においても他の取引と同等の消費者保護が必要
・各国の法制度の違いを尊重
(主な内容)・広告や営業方法が公正であること
・事業者/商品・サービス/取引条件に関する情報開示
・購入の意思確認手段
・安全な支払メカニズム
・準拠法・裁判管轄
・裁判外紛争解決(ADR)と救済
・プライバシー
・周知・啓発
GBDe *
トラストマーク提言(2001年)
*GBDe; Global Business Dialogue
on Electronic Commerce
自主規制(行動規範)
&トラストマーク
慶應義塾大学法科大学院 20101115
GBDe/CI *
ADR提言(2003年)
プライバシー
保護
*CI; Consumers International
裁判外紛争解決
Alternative
Dispute Resolution
(ADR)
詐欺対策
民事救済
執行協力
→OECD越境詐欺ガイドライン
(2003年)
UNCITRAL(国連国際商取引法委員会)
ODR作業部会
2010年12月~
OAS(米州機構)における米国政府提案(2010年6月):
「国際電子商取引における消費者紛争の電子的解決
~モデル法/協力体制(案)」
1.目的
2.モデル規則(別紙)
3.ネットワークと中央ウェブサイト
4.中央情報センターの運営
5.国家消費者保護当局と国家管理機関
6.ODR提供者
7.機密保持と報告要件
8.参加する売主
9.仲裁裁定及び合意の執行
10.定義
慶應義塾大学法科大学院 20101115
出所:Designing a Global Online Dispute Resolution (ODR)
System for Cross-Border Small Value – High Volume Claims
Colin Rule, Vikki Rogers, Louis Del Duca