Progress of Shintake Monitor

Progress of Shintake Monitor
(IP-BSM)
KEK site meeting 2008/8/27
T. Yamanaka
今日の内容
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位相モニタのおさらい
測定結果(安定化なし)
フィードバックパラメータの決め方(PID制御)
PIDパラメータの最適化
位相安定度の評価
位相モニタ
• IPでの位相を推定するため、レーザー光を別の
場所でも交差させ、干渉縞をつくる
• 干渉縞を顕微鏡レンズで拡大し、イメージセンサ
で観測可能なサイズにする
• 測定した干渉縞をFourier変換し、位相を求め、
その時間変化を見る
• 干渉縞の位相は、交差するレーザー光の位相
差(光路差)で決まるので、片方の光路長を変化
させれば位相を動かせる
• ↑このために、ピエゾステージを設置し、位相モ
ニタの結果を使って、フィードバック安定化を行う
位相モニタの構成
Peak周波数の位相を計算
ピエゾステージにフィードバック
して位相を安定化
Fourier変換
Piezo Stage
干渉縞の観測
Microscope Lens
50% Beam Splitter
Linear Image
Sensor
実際の光学系の構成(174度モード)
Piezo Stage
Microsope Lens
50% Beam Splitter
IP
Linear Image
Sensor
顕微鏡レンズ
•顕微鏡レンズは、上下2段あり、174度モードのときだけ2チャンネル使って位
相をモニタする
•レンズに対応して、イメージセンサも上下2段ある
イメージセンサでの測定
全1024 Pixel
200 Pixel 部分を拡大
― ch1
― ch2
― ch1
― ch2
測定結果(安定化なし)
― ch1
― ch2
• 6000 sec(=100 min)の測定結果
• 細かいジッターと、大きなドリフトがあるの
がわかる
• ch1とch2に若干の相関が見られる
• 60 sec(ビームサイズ測定の目標時間)
を拡大
• 長時間のドリフトは無視できる
• パルスごとの細かいジッターと、10 sec
間隔ぐらいのジッターがある
位相の安定度
ch1: Phase RMS = 383.7 ± 49.7 mrad
ch2: Phase RMS = 408.6 ± 54.5 mrad
• 東大で測定した時は安定化なしで、約800 mrad だったので、良くはなっている
• しかし、現在の約400 mradの位相の安定度を干渉縞ピッチ266 nmのときに換
算すると、16.9 nmに相当し、問題になる
• 200 mrad以下が理想
PID制御
• P(比例:Proportional)動作
– 現在値と設定値の偏差に比例した出力を出す
• I(積分:Integral)動作
– 偏差の積分に比例した出力を出す
• D(微分:Derivative)動作
– 偏差の微分に比例した出力を出す
P制御
• 原理的には、P動作だけで設定値に合わせる
ことが可能だが、一般に設定値との一定のズ
レ(オフセット)が残る
• また、ゲインを上げすぎると設置値付近を振
動するようになる
I制御
• P制御にI制御を加えると、一定のオフセットが
ある場合に出力が蓄積されて行き、オフセッ
トを除去することができる
• 積分時間を短くするほど、帰還が強くかかり、
短時間で修正することができるが、短くし過ぎ
ると、設定値のまわりを振動する
D制御
• 外乱で制御値が変化したとき、微分に比例し
た出力をすることで、変化の方向を予測し、
偏差を小さく抑えることができる
位相モニタでのステップ応答
• フィードバック安定化を行っているときに、外
乱に見立てたピエゾステージの駆動を加えた
ステップ入力
安定化開始
位相安定化における状況
• オフセット
パルスごとのジッターが大きく、オフセットはないか、
あるとしても無視できるレベル
⇒ I動作がなくても、問題ない
• 応答時間
一般に、PID制御が使われている温度管理などと違
い、目標値には一回で到達する
⇒ D動作がなくても、問題ない(むしろ、あると不安
定になる)
P動作のパラメータ
• ピエゾステージへの出力を
Yn = P・( Xn - S )
Y: ピエゾステージへの出力
P: P制御のパラメータ
n: 測定回
X: 位相モニタでの測定結果
S: 位相の設定値
として、パラメータ P を最適化
測定結果例(安定化あり)
― ch1
― ch2
• 6000 sec(=100 min)の測定結果
• ch1を使って安定化
• ch1のドリフトはなくなるが、ch2のドリフト
が除去できない⇒ch1とch2の相関が弱い
• 60 sec(ビームサイズ測定の目標時間)
を拡大
• 長時間のドリフトは無視できる
• パルスごとの細かいジッターはどちらの
chにも残る
• 安定化していないch2の方には、それ以
外の変動が乗ってしまう
位相の安定度例
ch1 Phase RMS :
168.8 ± 9.2 mrad
ch2 Phase RMS :
325.0 ± 50.4 mrad
• 安定化を行っている側のchは格段に良くなるが、そうでない側のchは若干
良くなる程度である
パラメータの最適化
― ch1
― ch2
• 安定化しているch1に関して言えば、P = 0.5で最も位相のRMSが小さくなった
• 安定していない側のch2については、それほど変化しない
両方のchを用いての安定化
• 6000 sec(=100 min)の測定結果
• ch1+ch2を使って安定化
• 両chともほぼ同じ挙動を示す
• 60 sec(ビームサイズ測定の目標時間)
を拡大
• パルスごとの細かいジッターは相関がな
さそうだが、もう少し大きいジッターに関し
てはほぼ同じ挙動を示している
位相の安定度
ch1 Phase RMS :
222.2 ± 21.2 mrad
ch2 Phase RMS :
205.5 ± 23.0 mrad
• 片方のchで安定化した場合の、安定化chよりは悪くなるが、安定化してい
ないchよりはずっと良い安定度が得られる
• IPでもこれぐらいの安定度が得られていると推定して、210 mradで計算
すると、8.89 nmとなり、測定に堪え得る値が得られる