Geant4による細分化電磁 カロリメータのシミュレーション 2010/2/22 卒業研究発表会 高エネルギー研究室 山浦 弥 目次 ILC実験と測定器 細分化電磁カロリメータ 研究概要 エネルギー分解能 Geant4 エネルギー分解能のシミュレーション まとめ ILC実験と測定器 ILC…電子・陽電子 線形衝突型加速器 Higgs粒子などの精密測定が目的 e+ - e エネルギーや運動量から測定 光子や電子のエネルギーを測定する 装置がカロリメータ ILD ILCの測定器案 検出したエネルギー[MeV] 電磁カロリメータ 電子や光子のエネルギーを 測定する装置 eγ 電磁カスケードシャワーを利用 吸収層 シャワーの発達とエネルギーの吸収 入射電子のエネルギー[GeV] 検出層 入射粒子のエネルギーに比例した シャワーのエネルギーを測定 e+ 吸収層 重い金属 (Pb,Wなど) 検出層 シンチレーション光 を測定(シンチレータ) 細分化電磁カロリメータ Higgs粒子などは終状態で多数の 粒子を含む粒子群(ジェット)を作る ジェット中の荷電粒子と 中性粒子を分離したい シンチレータを細分割 吸収層にタングステン 検出層にシンチレータ(1cm×4.5cm×0.3cm) 一つ一つのシンチを 反射材で覆う 細分化 異なる粒子由来 のシャワー 直交して並べることで さらに細かくできる 1cm×1cm MPPC 波長変換ファイバー 研究概要 シンチレータの細分化によって反射材分の 隙間が生まれる MPPCを収める溝も無視できない エネルギー分解能(σ/E)への影響を調べる Geant4というシミュレータでシミュレーションした 60GeVの電子を 入射したときの ヒストグラム 個 数 1,3,5,10,20,30, 40,50,60GeV e1000個 γ σ e+ ガウス分布 E 検出層に落ちたエネルギーの総和[MeV] エネルギー分解能 エネルギー分解能(σ/E) カロリメータの基本性能 測定するエネルギーの揺らぎ 2 stochastic cons tan t E E GeV ILCの目標 統計項 < 15% 定数項 < 1% エネルギー分解能σ/E 2 (統計項)::統計的な揺らぎ stochastic constant (定数項):エネルギー漏れ による揺らぎ 統計項 5GeV 1GeV 10GeV 60GeV 3GeV 定数項 -1/2 -1/2 (入射電子のエネルギー) [GeV ] Geant4 物質と粒子の相互作用をシミュレーションするソフトウェア 粒子の失ったエネルギーを計算 Geant4 eγ e+ エネルギー分解能の測定 シンチレータ間隔を変える(0mm〜1.0mm) MPPCの溝は考慮しない 18.0 3.0 17.0 統計項[%] 定数項[%] 2.5 2.0 1.5 16.0 15.0 1.0 14.0 0.5 0 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 シンチレータ間隔[mm] 13.0 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 シンチレータ間隔[mm] シンチレータ間隔が0.2mmまでは定数項も統計項も目標値より小さい エネルギー分解能の測定 MPPCの溝の深さを変える(0mm〜3.1mm) 溝の横幅は固定(4.6mm) シンチレータ間隔は考慮しない 4.6mm 3.0 18.0 17.0 統計項[%] 定数項[%] 2.5 2.0 1.5 16.0 15.0 1.0 14.0 0.5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 MPPCの溝の深さ[mm] 13.0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 MPPCの溝の深さ[mm] 溝の深さが0.9mmまでは定数項も統計項も目標値より小さい エネルギー分解能の測定 シンチ間隔とMPPCの溝の大きさ を両方変える :溝の大きさ1.4mm×4.6mm(従来) 18.0 3.0 :溝の大きさ0.9mm×2.5mm(新型) 2.5 :溝なし :溝の大きさ0.9mm×2.5mm(新型) :溝なし 17.0 統計項[%] 定数項[%] :溝の大きさ1.4mm×4.6mm(従来) 2.0 1.5 16.0 15.0 1.0 14.0 0.5 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 シンチレータ間隔[mm] 13.0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 シンチレータ間隔[mm] 誤差を考えると新型のシンチレータで間隔が0.2mmまでが目標値に近い まとめ Geant4で細分化電磁カロリメータに電子を入射し エネルギー分解能を調べた シンチレータ間隔によるエネルギー分解能への影響 間隔が0.2mmまでは目標値以下 MPPCの溝の深さによるエネルギー分解能への影響 溝の深さが0.9mmまでは目標値以下 間隔と溝の両方によるエネルギー分解能への影響 溝の大きさが0.9mm×2.5mmのシンチが目標値付近 シンチレータの隙間やMPPCの溝が大きいと分解能は悪い 今後は溝の小さいシンチレータで研究を進めるべき
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