住宅の換気性能指標SRFの実証実験に関する研究

住宅における換気性能評価指標
SRFの実証実験に関する研究
人工気候室内実大実験家屋における検証実験
成田研究室
1973129 石橋誠司
1973212 片野清人
研究背景
次世代省エネルギー基準
建築主は換気回数を住宅全体で1時間に
つき0.5回以上とすることを条件として、全般
換気のための換気計画の流入及び流出の
経路を考慮してなされる全般換気及び局所
換気を策定するものとする。
(建築主の判断基準)
住戸全体を単室として評価
研究目的
多数室での評価
換気性能評価指標 SRF
(Supply Rate Fulfillment)
比較
トレーサーガス
換気回路網
差圧による計算
SRF
新鮮外気の配分の考え方
④
①
他室を通過した空気
⑤
③
②
汚染質を希釈
できるのでは?
SRFの計算
必要換気量:100
20
50
40
④
⑤
20
50
0
①
③
SRF①=1.0
50
SRF②=1.0
SRF③=1.0
SRF④=1.0
20
②
50 SRF⑤=0.75
換気性能指標SRF
(Supply Rate Fulfillment )
Si
SRFi 

Pi
Si
Pi   min 0, a (i , j )  Qa (i , j ),i 
ni
J 1
Si
i 室の有効新鮮空気量
Pi
i 室の実質必要新鮮空気量
※SRFは1.0で完全な充足状態
実大実験家屋「シリンダーハウス」
BS
BN
4500
シリンダー・スリット
設置位置
2700
1800
シリンダーハウス
人工気候室に設置
された実大家屋で
「室内外温度差」
「気密性能」「機械
換気量」が自由に
コントロールできる
シリン
ダー
2700
2階平面図
1350
UT
給気口
LV
トレーサーガス
測定点
SC
DK
3150
排気口
1階平面図
シリンダーハウス平面図
スリット
外壁の気密性能
変更機構
実験概要
CASE1
BS
BN
40 SC
LV
40
CASE2
BS
DK
LV
40
機械換気パターン (a)
相当隙間面積 4.8(cm 2 /m )
CASE3
BS
LV
40
DK
機械換気パターン (b)
相当隙間面積 4.8(cm 2 /m )
CASE4
BS
BN
40 SC
BN
SC 40
DK
LV
40
機械換気パターン (b)
2
相当隙間面積 1.9(cm /m )
LV 1階リビング
BN
SC 40
DK
機械換気パターン (a)
2
相当隙間面積 1.9(cm /m )
DK 1階ダイニング BS 2階子供室
BN 2階寝室
設定条件:一様拡散となるようにシリンダーとスリットを配置
トレーサーガスの濃度測定 → SRF算出
測定方法
測定されたガスの発生量から許容濃度σc算定。
各部屋の収束濃度σi測定。
SRF値をσc σiを用いて、次式より算定。
SRF i  di 
i
di 
c
1
di  (1  di ) 
1
i
各手法によるSRF推定値の比較
トレーサーガス
換気回路網
CASE1
0.8
0.6
0.8
0.6
0.2
0.4
0.2
0.0
0.0
0.4
LV
DK
BS
LV
BN
CASE3
0.8
0.6
0.4
0.0
BN
CASE4
0.4
0.0
BS
BN
0.6
0.2
DK
BS
0.8
0.2
LV
DK
1.0
SRF推定 値
1.0
CASE2
1.0
SRF推定 値
SRF推定 値
1.0
SRF推定 値
圧力差
LV
DK
BS
BN
まとめ
•SRF=1、SRF<1が判断できた。⇒充足の可否
•各種推定法においてSRFはほぼ一致した。
•余剰新鮮空気量率α<1条件下でSRF値算定は
できなかった。
•今後はαを特定する測定手法が必要である。
•αを特定できれば実住宅での換気計画の変更
すべき箇所と必要な新鮮空気量が明確となる。