2 つまずきの原因の分析と類型化 つまずきの原因の分析と類型化 ●委員会での議論 ●研究授業の分析 →つまずきの原因を類型化 ●科目横断的な課題 ●科目特有の課題 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (1)「科学的方法」に関するもの ●観察からの問題発見 ●仮説の設定 ●実験の計画 ●実験による検証、調査 ●実験データの分析、解釈、考察 これらの過程のいずれかに関するつまずき (1)「科学的方法」に関するもの ●観察からの問題発見 ●仮説の設定 →「常識」が共有されていない可能性 ●実験の計画 ●実験による検証、調査 ●実験データの分析、解釈、考察 →グラフに関するつまずき 論述のために必要な知識・理解の不足 (1)ア 仮説設定に関する前提 ●身近な事象をもとに予想することができる。 (1)イ グラフに関する基礎的な知識・理解 ●グラフとは、点の集合であることが分かる。 ●関数とは二つの変数の関係を表すものであ り、グラフとはその関係性を座標平面に視覚 的に示したものであることが分かる。 ●グラフが右上がりであれば、xの増加に伴いy も増加し、グラフが右下がりであれば、xの増 加に伴いyは減少し、グラフがx軸と平行であ ればxの変化に対してyは影響を受けないこと が分かる。 (1)イ グラフに関する基礎的な知識・理解 ●「比例」「反比例」「二次関数」「指数関数」など の基本的な関数がどのようなものか分かる( 定義を説明できる)。 ●「比例」「反比例」「二次関数」「指数関数」など の基本的な関数がどのようなグラフになるか 分かる。 ●グラフの形を見て、「比例」「直線関係」「反比 例」「二次関数」「指数関数」などと対応させる ことができる。 (1)イ グラフに関する基礎的な知識・理解 ●グラフを用いる利点を説明することができる。 表を視覚化することで傾向が見えやすくなる ことや、測定していない数値や本来なら測定 できないところも推測することができることな ど。 (1)ウ グラフに関する基礎的な技能 ●グラフ上のある点について、縦軸、横軸の数 値を読み取ることができる。 ●あるデータを、グラフ上にプロットすることが できる。 ●プロットされた点を結ぶ際には折れ線にせず 、誤差を考えながらxとyの関係をよく表す直 線もしくは曲線で結ぶことができる。 (1)ウ グラフに関する基礎的な技能 ●グラフを作成する際に、グラフの傾向をつか み測定されていない領域までグラフを伸ばし て描くことができる。 ●縦軸、横軸に何をとればよいか、どの単位を 使うかがわかり、縦軸と横軸を完成させること ができる。 (1)エ 論述のために必要な基礎的な知識・理解 ●「事実」と「意見」を区別することができる。 ●「相関」と「因果」を区別することができる。 ●「結果」「考察」「感想」を区別することができ る。 ●「結果」「考察」「感想」を区別して書くことがで きる。 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (2)「単位・次元の理解」に関するもの ●異なる「単位」であっても同じ「次元」にあるこ とが理解できない。 ●「単位あたり」のもつ意味が理解できていな い。 (2)「単位・次元の理解」に関するもの ア 「【 】△/○」という単位が「単位○あたり 【 】△」という関係を示していることが分かる イ 「次元」の概念を理解し異なる単位であって も同じ「次元」になるものがあることが分かる ウ 基本的な単位とその関係性(次元)が分か る。 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (3) 「見えない世界への理解(実体と概念)」 に関するもの ●目に見えないような小さなスケール ●直接把握できない大きなスケール ●例えやモデルと実体の理解との関連付け ●例えやモデルそのもののわかりにくさ (3) 「見えない世界への理解(実体と概念)」 に関するもの ア 原子、分子など、目に見えない世界の大き さのイメージをもっている。 イ 「例え」と「モデル」を区別し、「実体」を理解す るための有効性が分かる。 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (4) 「数学的課題」に関するもの ●計算等で数学的な背景知識が必要 (基本的な計算方法、定数と変数の理解etc) ●割合の概念の理解 (4) 「数学的課題」に関するもの ア 基本的な計算や数の扱いができる(加減乗 除、分数の計算、指数の計算など)。) イ 「定数」と「変数」の違いが分かる。 ウ 「定数」も「変数」も文字で表すことができる ことが分かる。 エ 「割合」とはどのようなものかわかり、「割合 」を求める計算ができる。 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (5) 「言語的課題」に関するもの ●読む能力(語句の意味、文章読解) ●書く能力(レポート作成、論述問題) ●聞く能力(講義の内容の整理) ●話す能力(理解したことの伝達) (5) 「言語的課題」に関するもの ア 教科書本文等の説明で注釈なく使われて いる日常語や既習の専門用語の意味が分か る(読む)。 イ 問題文から、どのような状況か判断し、何を 求めればよいか判断することができる(読む) (5) 「言語的課題」に関するもの ウ 主語、動詞、目的語などが適切に用いられ た文章を書くことができる(書く)。 エ 話していることを聞きながら理解することが できる(聞く)。 オ 分からない内容を言語化し、質問すること ができる(話す) 科目横断的な課題 (1)「科学的方法」に関するもの (2)「単位・次元の理解」に関する もの (3)「見えない世界への理解(実体と概念)」に 関する もの (4)「数学的課題」に関する もの (5)「言語的課題」に関する もの (6)「全体像が把握できないこと」に関する もの (6) 「全体像が把握できないこと」に 関するもの ●単元の全体像が不透明 →「幹」と「枝」の区別がつかない ●公式の暗記と運用の解離 (6) 「全体像が把握できないこと」に 関するもの ア ①教科書全体の構成、②大単元の内容、 ③中単元・小単元の内容をふまえて、今学ん でいることがどこにどのように位置づけられる ものかが分かっている。 イ 「公式」のもつ意味を理解した上で運用する ことができる。 科目特有の課題 ●「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」の各科 目について作成 ●科目横断的な6つの課題からもれてしまうつ まずきの原因を列挙 科目特有の課題(生物基礎の例) ●図中の矢印の意味 (移動、変化、時間経過、吸収、放出etc) ●無機物、有機物、栄養塩類などの物質のイメ ージがないことによるつまずき(化学的知識)
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