ユーザの状況に応じたサービスを提供 - Tagged World Project

個別化サービス提供のための
行動認識における
背景情報の活用
Use of Situational Information in Behavior
Recognition to Provide Personalized Service
◎森 浩佳† 近藤 明宏‡ 山原 裕之‡
原田 史子† 島川 博光†
†立命館大学 情報理工学部
‡立命館大学 大学院理工学研究科
研究背景


ユビキタス社会実現に向けた環境の整備
高齢者など計算機に不慣れなユーザの存在
⇒Tagged World
 ユーザが触れるオブジェクトから行動を推測し、
ユーザの状況に応じたサービスを提供

例)外出時に火の元の消し忘れを通知
 認識の対象とする行動
外出、帰宅、起床、就寝
 ユーザのモードが変わり、不注意による過失が起こり
やすい行動

Tagged World
接触物による行動認識

習慣にもとづく行動

例)トイレに行き、荷物を持ってから外出する
 同じオブジェクトに触れる
 触れるオブジェクトの種類と順序によって特徴付けられる

環境
 オブジェクト・・・RFIDタグ
 ユーザ・・・指輪型RFIDリーダ

行動認識
 ユーザが触れるオブジェクトとあらかじめ生成された
行動パターンを照合
Tagged World
行動パターン生成

ユーザのオブジェクトへの接触履歴(行動ログ)から
行動ごとに生成
外出時の
行動ログ
①順序対を抜き出す
・
外出の行動
・
オブジェクト
パターン
・
②何ケース中に出現するか
カバン→携帯電話
・・
・
カバン→財布
カウントする
カバン
カバン→香水
携帯電話
習慣的に多く触れるオブジェクトが含まれる
鍵→香水
財布
・
鍵
・
香水
・
Access
time
・
・
・
07:30:04
07:30:15
07:30:32
07:30:40
07:31:02
・
・
・
1ケース
・・
・
閾値以上
行動をとる背景に存在する
情報の欠如

画一的行動パターン

1つの行動に対して1つの行動パターン
⇒行動認識率の低下

例)「平日に出勤」と「休日に買い物」
・
・
・
ハンガー→スーツ
スーツ→ビジネスバッグ
ビジネスバッグ→鍵
ビジネスバッグ→財布
照合
行動の背景にある情報を考慮することが必要
ビジネスバッグ
→携帯電話
平日出勤用持ち物
休日買い物用持ち物
・
・
・
外出用行動パターン
外出
外出と認識されない
背景情報を活用した行動認識

行動をとる背景にある情報を活用し、行動認識率を
向上させる
背景情報
 提案手法
背景情報ごとに異なる行動パターンを生成
 背景ごとの行動に対応可能
 複数の行動パターンを同時に照合するため、
行動認識にかかる負荷の考慮が必要
背景情報の定義

接触した物体を示す情報以外の、ユーザの
行動に影響を与えるセンサからの情報
 例)天候、曜日、時間帯など
⇒ 複数の組み合わせが可能
例)平日の雨、休日の夜など
 例)平日の出勤→平日の朝(の外出)


センサで直接取得することはできないが、センサで取得でき
る値と強く関連していると思われる情報は背景情報と対応さ
せて扱う
非画一的な行動パターン

非画一的行動パターン
 定義した背景情報ごとに、ユーザの行動ログから生成
 ある背景において行動をとるさいに、多く触れるオブジェ
クトが含まれる
・・
・
ハンガー→スーツ
スーツ→
ビジネスバッグ
ビジネスバッグ→鍵
ビジネスバッグ
→財布
ビジネスバッグ
→携帯電話
平日出勤用持ち物
平日出勤用
行動パターン
・・
・
買い物バッグ→鍵
買い物バッグ→財布
買い物バッグ
→携帯電話
・・
・
休日買い物用持ち物
休日買い物用
行動パターン
行動パターン選出

背景情報をもとに、行動認識のさいに用いる
行動パターンを選出できる
背景情報判定機能
平日・朝
休日
平日起床用
休日買い物用
行動パターン
行動パターン
行動ログ
・・
・
平日出勤用
スーツ
休日起床用
行動パターン
平日起床用
ビジネスバッグ
照合
休日買い物用 選出
携帯電話
平日出勤用
背景情報
平日・朝
休日・朝
ビジネスバッグ
平日出勤用
行動パターン
平日、朝
同時に照合する行動パターン数を減らすことで負荷を軽減
平日起床用
休日起床用
財布
行動パターン
・・
行動パターン
行動パターン
・
行動パターン群
行動認識
出勤
今後の課題

背景情報定義の詳細化
 専用言語による背景情報定義

センサ値の組み合わせによる背景情報表現
 背景情報定義の自動化

実装、実験による本手法の有用性評価
 認識率の検証
まとめ

Tagged World
 ユーザの状況に応じたサービス提供
 接触物による行動認識
 問題点:行動をとる背景に存在する情報(背景情報)の欠
如

提案手法
 行動認識における背景情報の活用




背景情報の定義
非画一的行動パターン生成
行動パターン選出による負荷軽減
今後の課題