TUMSAT - 東京海洋大学

TUMSAT
平成22年3月17日(水)
平成21年度第5回研究推進委員会資料
平成22年度学内研究
急速充電対応型リチウムイオン
電池推進船実証試験研究
世界初の急速充電対応型電池推進船
海洋低環境モーダルシフト
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社会的背景
1. 大気汚染
・ 東京湾近辺の大気汚染寄与度が非常
に高い
50%
SO2
大気汚染
40%
NOx
・ 陸上交通に比べ環境意識の遅れ
30%
・ 水質汚染の一因となる小型舟艇排気
ガスの改善が社会的に要望されている
20%
・ 低炭素社会
10%
2. 新規技術導入の低迷
0%
・ 交通艇やプレジャーボートなどの環境
調和・快適化
(ゼロエミッション,低振動・静音化)
習志野
浦安
神奈川県庁
久里浜
東京湾岸域において
船舶排出ガスの占める割合
(H15 日本マリンエンジニアリング学会)
・ 我が国の造船技術開発の活性化
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技術背景
我が国のEV技術レベルが市販・量産できるところに達した
<陸上低環境モーダルシフト→EV>
1. 電池技術レベルの向上
・ リチウムイオン電池の技術の進歩で
ハイパワーが実現
2. 充電システム、インフラ向上
・ リチウムイオン電池の急速充電シス
テムは日本がリード(東京電力)
東京海洋大学はこれまで東京電力の
EV普及事業に協力
→大学で初めてのEV用急速充電器設
置(平成21年3月)
急速充電器
東京電力
チャデモプロトコル
→カーシェアリング実証試験
(平成21年12月)
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電池推進船建造研究(平成21年度)
海洋低環境モーダルシフトの実証研究として、平成21年4月に制御・電気
推進・船舶構造などを専門とする本学教員グループによる電気推進船の
ラフプラン作成
平成21年度学内予算措置(1,920万円)
1.海洋工学部プロジェクト(1,300万円)
①電池推進船建造および運航性能評価の研究(庄司ほか)
②電池推進船用急速充電器の研究(刑部ほか)
2.研究科シーズ研究推進費(100万円)
電池推進船建造のための基礎研究(清水・波津久)
3.研究科備品補助費(450万円)
沿岸域・内部河川調査船(庄司ほか)
4.学内プロジェクト(70万円)
東京湾・島嶼域の環境保全および生物多様性に関する研究
5)電池推進ボートによる新湾内交通システムの研究(木船ほか)
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電池推進船建造研究(平成21年度)
窒素酸化物:ゼロ
硫黄酸化物:ゼロ
1. 低環境負荷・低炭素社会への適応
・ 走行中のCO2 排出量はゼロ
2. 低振動 ・ 低騒音化
・ 電池推進にすることで、静かでスムーズな運航が可能
3. 運動性能の向上
・ アジマスプロペラなどへの適合性が高い
平成21年度上半期に実施された先行研究による調査結果
-10dB
騒
音
レ
ベ
ル
自動車の場合
65dB
100dB
騒
音
レ
ベ
ル
55dB
ガソリン車 電気自動車
船舶の場合
-40dB
60dB
従来船 電池推進船
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先行調査(シーズ研究)
快適性向上 低騒音・低振動
120
100
80
60
40
[dB]
20
0
平成21年6月実施調査
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■事業コンセプト
先行調査
船価はディーゼル船の1.3-1.5倍程度であるものの、燃費(電気代)は
軽油の1/2(夜間は1/6)程度に抑えられる。
電池推進方式を技術的に採用しうる船舶数を統計資料から累計すると実
に16万隻にものぼる。東京海洋大学プロジェクト船の航行パターンでも2万
隻船舶に代替えメリットがある。
表1 対象となりうる船舶隻数
平成21年6月国土交通省 海事局 検査測度課提供
JCI登録船
プレジャーモータボート
144,730
プレジャーヨット
11,595
その他(旅客・交通艇)
11,497
JG登録船
旅客船
268
フェリー
142
交通艇
23
総計
168,255
現行の舶用エンジンを電
池推進方式にすると、50
~70% のCO2削減に貢
献できる。
CO2
大幅削減
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東京海洋大電池推進船の主要要目
小型化をする事により、乗船効率をあげ
運航経費を抑える
旅客定員を12名以下にする事により、
非旅客船 となり艇のメンテナンスコストを
抑える。
・・・により経済的で環境負荷の少ない小型
旅客船を提供し水上航路の活性化を図る
JCI (日本小型船舶検査機構)検査承認

全長 約10 m

全幅 約2.3 m

全深さ 約1.2 m

電動機推進機出力 25 kw

計画速力
(1/2載荷状態) 約10 knot
(満載状態)
約8.5 not

連続航行時間 45分

蓄電池容量 約18 kwh

定員
乗組員 2名
旅客 10名
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船体
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船体建造(三重県)
平成22年2月
平成22年3月
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平成21年度研究開発
◆ 今までの電動船は、満充電に10時間かかっていたが、本船は30分以下
(80%充電)になり、実用性が画期的に向上→低環境モーダルシフトの実証
越中島キャンパスポンドへの急速充電器の設置(工学部プロジェクト)
◆ 騒音・振動が画期的に少ない→観光船・交通艇・旅客船、生簀用漁船
研究調査船
◆ 排気ガスが無い→排気ガス水中排出による湖沼汚染が無い
欧米ではすでにエンジン船使用禁止の湖沼区域
◆ 高出力可能なリチウムイオン電池を使用しているため、波や風、潮流などの
影響を受ける港湾域内であっても航行可能
◆これまでになかった新しいクルーズ体験を提供する水上交通デバイスであり、
同時に新しい産業を生み出すキーデバイスとなる可能性
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記者会見(平成22年3月1日)
東京海洋大学越中島キャンパス
竹内、賞雅、木船、本
日経、朝日、読売など14社
コンソーシアム参画企業
ヤマハ発動機
東京船舶電機
東京電力
富士重工業
横河電機
共同研究
共同研究
共同研究
技術協力
協賛
海洋大学電池推進船の設計建造及び電池
推進船用急速充電器の設置→海洋大学が部品
を発注し責任を持って設計建造する形で行われ
ている。コンソ-シアム参画企業の技術的・経費
的な協力を得ている
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平成22年度学内研究(期間1年間)
急速充電対応型リチウムイオン
電池推進船実証試験研究
世界初の急速充電対応型電池推進船
海洋低環境モーダルシフト
東京海洋大学特定事業(平成22年1月承認)
海洋工学部
教授 賞雅寛而、准教授 木船弘康、准教授 清水悦郎、准教授 波津久達也
教授 庄司邦昭、教授 刑部真弘、教授 塚本達郎、教授 坪井邦夫、教授 元田慎一、
教授 吉岡論、教授 兵藤哲朗、教授 和泉充、准教授 平沼賢次、准教授 堀木幸代、
助教 渡部大輔、汐路丸船長 准教授 鹿島英之、汐路丸機関長 助教 池田達也
海洋科学部
教授 柿原利治、教授 武田誠一、准教授 酒井久治、教授 石丸隆、准教授 田中祐志
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平成22年度計画
越中島キャンパス
平成22年4月中旬
・船体製作
以降艤装及び航行テスト
・急速充電器設置
越中島キャンパスポンド
平成22年7月公開
以降実証試験
(品川-越中島キャンパス間運航)
品川キャンパス
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平成22年度計画
◆ 国の重要施策である低環境モーダルシフトを実行するには、初期段階にお
ける官公庁のサポートが必要 →新しいモーダルシフトについてはそれが実証
段階であることを示さなければならない。
◆海洋大電池推進船プロジェクトの目的の1つは、電池推進船という新しい低
環境モーダルシフトが実証段階にあることを示し、社会的認知とともに官公庁に
おける検討の資料を提供することにある。
◆電池推進の利点は自動車よりも船舶の方が高い→普及速度も速い
・電池推進船の運航コストは従来のガソリンディーゼルに比較すると約1/2
・建造コストのうち推進機関コストが占める割合が低いすなわち建造コストの上
昇割合が低い
・優れた環境特性と快適性
→海洋大電池推進船の40分航行・30分充電という予定運航パターンでも、十
分なモーダルシフトの実証になる
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機関構成の技術開発
コクピット
監視制御システム
モニタ
タッチパネル
スロットル
レバー
ホイール
RS232C
DIO
AIO
GPS
ソーラセル
操作SW
Ethernet
PC
MPPT
DC24V
AIO
AC100V
メインコントローラ
ユーティリティ
インバータ
ユーティリティ
蓄電池
バッテリー
角度センサ
各種状態監視用
センサ
ステアリング
回転計
電流
モニタ
プラグイン
チャージャ
BMSバッテリマネージメントシステム
急速充電
システム
CAN-BUS
AIO
同期モータ
(IPM)
DIO
インバータ
スラスタ
コントローラ
DC350V
搭載電池
推進用電動機
航海速力
航続距離
蓄電池
18kwh
25kw
10knot
15km
バウスラスタ
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平成22年度計画
◆技術課題
・電池・モーターなどの動力系の最適化
・制御機器(電池制御、運動制御)の最適化
・運航モードの最適化→(電池残量、出力電力、航海スケジュール、
現在位置、環境(風・潮流の向き))による最適運航制御
・プロペラ系の開発
・急速充電器舶用プロトコルの開発(チャデモプロトコル海洋大版)
◆知的財産の確保
・技術的課題に基づくパテントの取得
・海洋大による電池推進船標準の設定(国交省(JCI・水産庁との
協力))
・ISO規格への提案(平成22年6月実施予定)
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予算表
(単位:千円)
平成21年度
1.電池推進船の設計・製造
(1)船体プロペラ系の設計
(2)船体プロペラ系の製造
学内予算、工学部プロジェクト経費、
研究科シーズ研究経費、学内プロ
ジェクト経費、教員研究費
22,000
平成22年度
2.電池推進船の艤装と制御システムの開発
(1)艤装
(2)制御システム設計
学内プロジェクト(5,000)
共同研究費(5,000)
(ヤマハ、東電、横河電機ほか)
10,000
平成23年度
3.電池推進船の最適化
(1)運航実験(運航性能試験・運動性能試験
(2)ロット船の設計建造
共同研究費
(ヤマハ、東電、横河電機)
2,000
計
34,000
人件費
旅費
試験研究費
設計
平成21年度
1,200
800
平成22年度
3,500
200
平成23年度
500
200
5,200
1,200
計
2,600
制作
物件費
計
実験
12,800
2,000
2,000
600
22,000
2,500
1,200
2,000
600
10,000
100
2,000
1,300
34,000
1,200
2,600
雑費
15,300
4,400
4,000