過去の政府報告書におけるコンテンツ政策の主な論点について

提出版(2003.6. 11)
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コンテンツ政策の論点
1.各省庁の役割と報告書の概要
2.報告書が指摘する問題点
3.今後の検討課題
(財)国際通信経済研究所
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上原伸元
コンテンツ政策における各省庁の役割
(1)
• IT戦略本部
– 経済・社会におけるIT化の推進(インフラからコンテ
ンツへ)
• 知財本部
– 国際戦略としての知的財産の活用(コンテンツ制作の
支援育成・保護)。
• 総務省
– ネットワーク政策の側面(流通コンテンツ)。
• 経済産業省
– 産業政策の側面(制作過程・パッケージメディア)。
• 文部科学省・文化庁
– 文化政策の側面(芸術文化・著作権)。
2
コンテンツ政策における各省庁の役割
(2)
• 公正取引委員会
– 公正競争政策の側面(委託契約の問題)。
• 外務省
– 文化外交の側面(日本製コンテンツの海外紹介)。
• 国土交通省
– 観光政策の側面(フィルム・コミッション等)。
• 厚生労働省
– 労働政策の側面(労働条件の改善)。
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【主要関係省庁・コンテンツ関連報告書】
発表省庁
報告書名
発表時期
発表形式
IT戦略本部
IT戦略本部
e-Japan戦略
e-Japan戦略 II(案)
平成13年
平成15年
一
一
知財本部
知的財産戦略大綱
平成14年
一
総務省
総務省
総務省
総務省
総務省
総務省
総務省
総務省(旧郵政省)
総務省(旧郵政省)
総務省(旧郵政省)
総務省(旧郵政省)
総務省(旧郵政省)
郵政研究所
郵政研究所
郵政研究所
地域メディアコンテンツ研究会
ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会
ブロードバンド時代における放送番組制作に関する検討会
モバイルコンテンツビジネスの環境整備の方策に関する研究会
次世代移動体通信システム上のビジネスモデルに関する研究会
デジタルコンテンツのネットワーク流通市場形成に向けた研究会
デジタルコンテンツの著作権等の保護とネットワーク流通の円滑化に向けて
次世代放送コンテンツの振興に関する調査研究会
2005年へ向けた次世代ネットワーク構想
21世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割
放送ソフトの振興に関する調査研究会
情報通信21世紀ビジョン
メディア・ソフトの制作および流通実態に関する調査報告書
高度通信情報社会に向けたデジタルコンテンツ流通のあり方
デジタル技術の進展に伴う放送ソフト制作の将来動向に関する調査研究報告書
平成15年(継続中)
平成15年
平成14年
平成13年
平成13年
平成13年
平成13年
平成12年
平成11年
平成10年
平成9年
平成9年
平成14年
平成11年
平成9年
一
とりまとめ
とりまとめ
報告書
報告書
とりまとめ
とりまとめ
報告書
報告書
中間答申
報告書
中間報告
報告書
報告書
報告書
公正取引委員会
公正取引委員会
公正取引委員会
デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会報告書
通信と放送の融合分野における競争政策上の課題
役務の委託取引に関する実態調査結果報告書
平成15年
平成13年
平成9年
報告書
中間報告
報告書
経済産業省
経済産業省
経済産業省
経済産業省
経済産業研究所
コンテンツファイナンス研究会最終報告書
コンテンツ流通促進検討会報告書
アニメーション産業研究会報告書
メディア・コンテンツ産業活性化研究会報告書
メディアコンテンツ製作資金調達問題研究会報告書
平成15年
平成14年
平成14年
平成13年
平成13年
報告書
報告書
報告書
報告書
報告書
文化庁
文化庁
文化庁
これからの日本映画の振興について
21世紀に向けた新しいメディア芸術の振興について
著作権審議会マルチメディア小委員会ワーキング・グループ検討経過報告
平成15年
平成9年
平成7年
提言
報告書
経過報告
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報告書が指摘する問題点と解決策
• 著作権問題→デジタル化、ネットワーク化を想
定した著作権制度の整備。
• 制作者の資金調達能力の弱さ→公的部門による
債務保証、税制優遇、制作助成金。
• 流通がコンテンツを支配→委託契約における制
作者の地位の強化。
• 人材育成→教育機関の設立等。
• コンテンツの保存管理→アーカイブの設立等。
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報告書が指摘する問題点・解決策と各省庁の役割
-テレビ番組の流通過程を例として文化庁
経済産業省
公正取引委員会
総務省
役務の委託取引に関
するガイドライン
制作助成金
制作会社
委託契約
の問題
債務保証
資金調達
番組の
保存管理
税制優遇
人材育成
アーカイブ
の設立
教育機関の
設立
文化庁
著作権制度
の整備
テレビ局
放送系
パッケージ系
国内二次利用
著作権の
権利処理
インターネット
放送系
パッケージ系
海外二次利用
著作権
侵害
言語の壁
諸外国政府
との協力
外国語版制
作の支援
流通経路
の不備
シンボルの分類
問題点
厚生労働省
国土交通省
経済産業省
外務省
解決策
支援策
事業者・媒体
所掌官庁
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コンテンツ政策はどこを向いているのか?
-産業政策?文化政策?ネットワーク政策?-
•
•
•
•
•
IT戦略本部→ネット社会構築の重要要素。
知財本部→資産としてのコンテンツの活用。
総務省→ネットワーク政策の補完分野。
経済産業省→次代の輸出産業?。
文化庁→マルチメディア対応の著作権制度
の整備。
• 公正取引委員会→情報通信産業を新分野と
して注目。
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今後の検討課題
• 問題点の抽出はほぼ終了
– 各関連省庁がコンテンツ産業振興の阻害要因を指摘。
• 処方箋(政策)の実施及び有効性の検証
– 有効政策の実施の有無と検証の不在。
• グランドデザイン(政策の統括的方向性)の不在
– 関連省庁の所掌分野の政策が並立し、統一感が不在。
• 人材育成は何処?
– 関連政策の中では具体化が手薄。
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