パッシブサンプラーを活用した 職場環境、実験室環境の改善と確認 教育支援センター 技術支援課 瀧井靖和 有害化学物質による健康被害が問題化 学内でも被害が発生!! ① 学内の職場で異臭、食物の香りが感じ られなくなるなど嗅覚にも異常が! ↓ 研究室のダクトからアンモニアガス が漏出していたことが原因と判明 身近にある危険物質! 有害化学物質による健康被害が問題化 学内でも被害が発生!! ② 本学学生が大学近くの住居にて歩行困難と なり、連絡を受けた教員によって救出! ↓ 隣家の塗装工事中に発生していた 溶剤のガスが原因と判明 化学物質に過敏な学生の増加! 大学の抱える問題 大学の化学教育には化学物質を 取り扱う実験、研究が必要不可欠 ↓ より健康被害に配慮した 大学環境の整備が必要 シックスクール症候群の防止! シックスクール症候群防止のために 環境の向上 原因となる化学物質使用の減少や 拡散防止 環境の確認 化学物質の量を測定 パッシブサンプラー 簡便に特定気体の濃度を測定可能 吸着剤を変えることで測定気体を選択可能 被験者への曝露量を測定可能 分析方法 アンモニアガスの測定(インドフェノール法) ・捕集剤にリン酸を使用 ・捕集されたアンモニアを溶媒抽出し、ニトロプルシッド ナトリウムにより発色 ・吸光光度法により定量 塩化水素ガスの測定 ・捕集剤にトリエタノールアミンを使用 ・捕集された塩化水素を溶媒抽出 ・イオンクロマトグラフィーにより定量 捕集量から濃度への換算 C : 捕集時の平均濃度(ppm) W:捕集量(mg) t :捕集時間(min) α:濃度換算係数 NH3: 55.789×10-6(mg/(ppm・min)) HCl: 29.53×10-6(mg/(ppm・min)) 職場環境の安全確認 以前に環境被害があった事務室にパッシブサンプラー を設置し、アンモニアガス・塩化水素ガスの濃度を測定 ↓ 塩化水素ガスは検出されず、アンモニアガスは 測定中の平均濃度で約0.02ppmと微量のみ検出 安心して就業できる環境であることを確認! 実験室環境の改善と確認 学生実験テーマ名 分析化学実験 吸光光度法 (今年度実験書の変更に伴って実験内容変更) 銅イオンにアンモニア水を加え生成した 2008年度 銅アンミン錯体を試料として測定 ↓ 鉄イオンにフェナントロリンを加え生成した 2009年度 鉄フェナントロリン錯体を試料として測定 両法の操作中のアンモニア曝露量を測定 実験室と分光光度計 測定方法 実験授業時の班の数に相当する4人の被験者が、 実験授業時と同様の場所・環境・時間・手順で操作 同じ被験者が両法により吸光光度法の実験を行い、 その間のアンモニアガスの曝露量を測定 各被験者の曝露量と共に、実験室内上部のアンモ ニアガス濃度も測定 インドフェノール法にて定量した結果を比較 測定結果 銅-アンモニア法 1.4 鉄-フェナントロリン法 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 B 上 験 実 室 験 実 室 上 部 A 部 D 者 験 被 被 験 者 B 被 験 者 A 者 験 C 0.0 被 平均アンモニア濃度/ppm 1.6 吸光光度法操作中のアンモニア濃度 実験結果から 実験方法の変更により、実験中のアンモニアガスの 曝露量が大きく減少 実験室上部にはアンモニアが集中するが、空気の 流れによりその濃度は大きく変化 被験者の実験台に向かう方向により実験中のアン モニアガス曝露量に変化の傾向 安全な実験方法になったことを確認! 空気の流れにより、より曝露量を減少へ ご清聴ありがとうございました ご協力ありがとうございました! 理学部化学科 関根嘉香准教授 関根研究室のみなさん
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