第4章 人間中心のデザイン

第4章
人間中心のデザイン
発表者: g2104018
佐藤大介
デザインとは (1)
デザインの概念は14~15世紀にヨーロッパ
で誕生した.
・ 「思考」と「実践」の区別
・ 「設計」と「実装」の分業
デザイン = 設計過程
デザインとは (2)
- デザイン導入前
→名工と呼ばれる人間が建造物を建てて
いた.
- デザイン導入後
→建築家が設計し,大工が工事を行って建
てるようになった.
現代のデザイン (1)
デザインと科学の結合
・ 予測可能である事
・ くり返しが可能である事
・ 数量化が可能である事
・直感
直感
・主観的判断
主観的判断
・夢や想像
夢や想像
・目的
目的
現代のデザイン (2)
工業化の進んだ社会
・ エネルギー集中型
・ 資本集中型
・ 化学薬品集中型
このような環境下での生産による
失業・ストレス・疲労・環境破壊
→破綻寸前
HCS (Human Centered System)
多様性の重視
・ それぞれの文化に適合した科学や
テクノロジー
人間中心の考え方
・ データや情報よりも,知識・知恵・行動
・ ユーザーを含めたシステムの設計
HCSの特質 (1)
1,論理の統一性
透明性がある.何が行われていて,何が可能かがわかる.
2,柔軟性
状況や環境を,ユーザーが自由に変更できる.
3,所属感
親しみやすく,その活動に参加している気持ちになれる
4,一体感
共感を覚えるものである.
5,所有感
作ったものに対して愛着がわく
HCSの特質(2)
6,反応性
システムが,個人的ニーズ,やり方に応えてくれる
7,目的
ユーザーが目的を達成する気持ちになれる
8,パノラマ性
ユーザーがしている事の全体の流れ,範囲の中で
どこに位置しているかわかる.
9,超越性
ユーザーに目標を超えて作業しても良いと思わせる.
HCSの例
システム設計の適応支援ツール
・ 図形的プログラミング
・ 電子スケッチブックの利用
・ 高度なインプットデバイス
・ 伝統的な技能の認定・評価
→ ユーザーの活動と優位性を高め
能動的な生産活動を促す
HCSの有用性
人間中心のシステムを用いた結果
・ 経済的コストが大幅に削減
・ 戦略的なシステムの改良が可能
・ 作業者がやりがいを感じるようになった
構造化社会 (1)
- 科学的管理の組織が最良である
→過度の構造化が進行
- 教育の現場への「工場モデル」の適用
・ 学生 = 商品
・ 試験 = 品質管理
・ 教授 = オペレーター
構造化社会 (2)
行き過ぎた効率追求型の社会が,応用力や
感性の低下を促し,確定した状況にしか対応
出来ない人間を作り出している.
・・・HCSのメリットが生かせない人間
構造化社会 (3)
- 必要とされる人材
・ 定義,構造があいまいな状況への対処
・ 予測不可能な状況への対処
教育の見直し
- 人間解放のテクノロジーに基づく教育
・ 情報(データ)社会からの脱却
・ 科学的管理法の廃止
・ 非言語化領域の重視
→ 知識,知恵,行動の範囲の能力
人間解放のテクノロジー (1)
S
S
科学的管理法
C
現在の技術拒否
F2
F1
S
S
現状維持
F3
C
C
人民解放の
テクノロジー
S
S=明示された知識
C=技能及び暗黙の知識
P=現在
F=未来の選択肢
[Rosenbrock, 1989]
c
F4
人間解放のテクノロジー (2)
- 専門領域を超えたコミュニケーション
エンジニア,科学者,音楽家,画家などが一緒に
参加し,議論する.
「文化の言語と人工知能」
- スウェーデン