労働者階級

労働者階級
産業革命の初期とジェンダー
日本の初期産業革命、ヨーロッパの初期産業革命:目次
第一段階:安価な労働力の需要
第二段階:軽工業労働力の需要
第三段階:重労働の需要
長時間・超過時間労働の需要を含む
•
男性の職人組合(中・近世ヨーロッパ=“ギルド、中・近世
日本=”同業組合“)があったために、男性は工場の安価
な重労働を拒否する立場にいた。
例:中世~明治までの商人組合・明治石工組合・陶器組合
など。授業の文献によって最も重要な職人組合または職
業は男性の手織布工であった。
1
労働者階級
産業革命の初期とジェンダー
日本の初期産業革命、ヨーロッパの初期産業革命の共通点
その 2:機械化とジェンダー
• 工場制度=産業革命初期の工場内機械は水力で動かされたも
のであった。
その初期の特徴は、
– 工場が地方、山間部=土地が安い、河川の下流を使えるとこ
ろに設置される
– 労働力は児童、女性、浮浪者、僅かに徒弟
• 次期に発明された機会は蒸気機関であった。
この「力織機」の特徴は、
– 地方、山間部を止め、都会地周辺の「工場町」が誕生してきた
– 男性手織布工が没落された、窮乏化された
2
労働者階級
産業革命の初期とジェンダー
日本の産業革命、ヨーロッパの産業革命の共通点 3:
安価な労働力とジェンダー
1. 初期産業革命の産業・工業は①製糸業②鉱業
2. 手織布工層=男性労働者。工場制度の初期に没落された。
その結果、
1. 妻は生計の補助者のみと見なされてきた = 工場の安価な労働力
2. 子供も生計の補助者と見られてきた = 工場の安価な労働力
そのために女性と子供は労働力の「たまり」、供給となってきた。
3
労働者階級
児童・女性労働者の保護:その経緯 I
1. 雇用主・雇用者の観点では、女性・子供は低賃金で長時
間で働かせられる好都合な労働力であった。が、
女性の重労働や児童の重労働によっての健康問題が
おこったら、労働力や生産性への悪影響がうまれると
いうことが認められてきた。
4
労働者階級
児童・女性労働者の保護:その経緯 II
上記の女性・児童の健康問題への対策としては、
2.英国での1802年から1841年にかけた議会・
労働に関わる法律の改革への努力があった。
日本では、労働基準法が行われた。
重労働による労働力や生産性への弊害という理由で、
工場労働が女性・児童労働力優先制度から、
男性労働力へ移った。
これに伴う大きいな変化:男性労働者を誘うための賃金が以
前の女性労働者の賃金の倍増。
5
労働者階級
産業革命後~ 様々な変化
1. 「男性賃金」が誕生、同職で女性より高い賃金がでる
工場労働に就労したい男性が増えた
2. 青年男性の運動をすすめたリーダーによる、女性の
「工場からの退場」が行われてきた
3. 労働の「女性の道徳」、「女性の健康」への「悪影響」
という言い訳が、女性労働を禁止することまで
用いられてきた
4. 男子・男性は過労となるまで働いて、1人で全家族の
支えとならなければならない
6
労働者階級
産業革命後~ 様々な変化
労働基準法やその結果~児童と女性労働の保護
批判点
1. 児童・女性の「保護」の名での就職制限・労働
市場から「追いやられる」問題がおこった。
2. 前近代の家計へ主な貢献した女性の賃金が
なくなったか、非常に低くなったか。
3. その結果、家庭の貧困化が進んでいく。
7
労働者階級
児童と女性労働の保護:雇用者の延長線上
次世代の労働力の確保が考慮されてきた。
1. 働く子供が早く死ぬので、次の世代を生産できない。
2. 女性・子供に障害をもたらす工場の長時間労働(16時
間)は、 次世代労働力の出産を不可にするか、次世代
への支障をおこすか。
3. 長時間労働に従事する男性も死亡した。が、子供を残
した場合、二重労働(養育すると同時に働く)を担える女
性の責任者がいると思われた。逆に死亡した女性が子
供を残す場合、二重労働に従事する人がいないと思わ
れた。そのために過労を男性に。
4. この「次世代」労働力が重視されてきてから、女性の「再
生産労働」(家庭内労働)も重視されてきた。
8
労働者階級
児童と女性労働の保護:その結果
上記の「家庭」の概念と構築:
産業革命前に存在しなかった「家庭生活」を構成
する・ 通念として伝達していく。
• 子供・女性の工場からの「退場」、家庭への入れ込みがあった。
• 男性は家の周辺から労働市場(職場)への入れ込みがあった。
9
米国での綿工場で働く女工
Cotton Mill worker photographed by Lewis Hine
10
英国での女工
Young girl factory worker
11
10歳の女工。米国ノースカロライナ州、1909年。
10-year-old spinner in North Carolina in 1909.
12
米国テネシー州の被服工場で働く8歳のリオ―君。1910年。
Leo aged eight years old working in a
textile factory in Tennessee in 1910.
13
米国のロードアイランド州での製糸屋で働く11歳のジョン・デムシ―君。
1909年4月。ミュール精紡機。
John Dempsey aged eleven working in a mule-spinning
room in Rhode Island in April 1909
14
明治時代の製糸工場内部
三重県 津市
15
日本の産業革命:炭鉱労働
炭車をひく馬(貝島管牟田炭破) 明治35年撮影
福岡県鞍手郡香井田村
昔は女性も上半身裸で働いていた
16
日本の産業革命と児童・女性労働
富国強兵策のもとで、外貨を稼がなければならない。
明治、大正、昭和の初頃まで飛騨から長野県諏訪まで
糸取りに行く製糸工女。
17
日本の産業革命と児童・女性労働
飛騨から信州への野麦街道では冬季にはしばしば凍死した。
18