2002 12 11,12 情報ネットワーク論 - IPルーティング - • ネットワークを介した情報のやりとり 機械のしくみとして見ると... = ホスト間でのパケットのやりとり • パケットがどのようにして目的のホストに届 けられる? パケット • パケット(2進数の羅列・・・ビットからなる) 元々の情報を符号化して分割したもの + それぞれに多くの付加的な情報 • 付加的な情報 “送信元のIPアドレス” “送信先のIPアドレス” パケット 人間・・・ホストAを使って、同じネットワークにあるWEB サーバであるホストBにあるホームページを見る コンピュータ・・・ホストAからホストBへhttpを使用し てファイルを送ってもらうようリクエストをかけると、ホスト Bから該当のファイルを送ってくれる。 ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.147.232 WEBサーバ 同じネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 1 • ホストAがリクエストのパケットをネットワークに送 り出す。 リクエストするファイルの内容、ポート番号80 送り元IPアドレス:202.24.147.231 送り先IPアドレス:202.24.147.232 etc… パケット ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.147.232 WEBサーバ 同じネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 2 • 同じネットワーク上にあるので、直接届く • ホストBが届いたパケットの中身を読む。 リクエストするファイルの内容、ポート番号80 送り元IPアドレス:202.24.147.231 送り先IPアドレス:202.24.147.232 etc… パケット ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.147.232 WEBサーバ 同じネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 3 • ホストAからのリクエストに応じてファイル(データ) の入っているパケットをホストAに向けてネットワー ク上へ送り出す。 ファイルの内容、ポート番号 送り元IPアドレス:202.24.147.232 送り先IPアドレス:202.24.147.231 etc… パケット ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.147.232 WEBサーバ 同じネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 4 • ホストBから届いたパケットを読むことによって、そ の中に入っているファイルのデータを読んでブラウ ザに表示する。 パケット ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.147.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 1 ホストAから異なるネットワーク上にあるホストBに httpのリクエストを出したい。 異なるネットワークにある・・・ホストAはホストBの居 場所を知らない。 パケット ? ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 2 ルータについて ルータは複数の異なるネットワークに接続し、パケッ トの交通整理、道案内をする ルータ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 3 自分が知らない宛て先へのパケットは自分のネット ワークのルータ(デフォルトゲートウェイ)に送って、 後は全くのおまかせ。 ルータ パケット ホストA ホストB 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 4 ルータはお互いパケットをどうやって送ったらよいか という情報(経路情報)を交換し合い、経路表を作 成する。それにしたがって経路を決める。 ルータ パケット ルータ ルータ ルータ ホストA ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 5 ルータは経路表を元にして、次にはどこのルータに 送ったら良いかを知っている。他のルータに送った ら、後は全くおまかせ。 ルータ ルータ パケット ホストA パケット パケット ルータ ルータ パケット ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 6 自分の直接つながっているネットワークにあるホスト あてのパケットは、直接該当するホストに届ける。 ルータ ルータ パケット ルータ ルータ パケット ホストA ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 7 ホストBは届いたパケットを読んで、ホストAに向けて リクエストされたデータをパケットにしてネットワー ク上に送り出す。 ルータ ルータ ルータ ルータ パケット ホストA パケット ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ 異なるネットワークにおけるhttpの パケットのやりとり 8 パケットは同様にしてルータを通ってリクエスト元に 届けられる。 ルータ ルータ ルータ ルータ パケット パケット ホストA ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ ルーティングで必要なこと 1 相手に届くこと ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ホストA ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ ルーティングで必要なこと 2 意味なく遠回りしないこと 2 3 ルータ ルータ 6 ルータ ルータ 1 5 4 ルータ ルータ 1 ルータ 2 ホストA ルータ 4 ルータ 3 ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 通過するルータの数・・・HOP数 202.24.14.232 WEBサーバ ルーティングで必要なこと 3 混雑した回線、や負荷の多いルータは避ける こと ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ ルータ 混雑 ホストA ルータ ホストB ルータ 202.24.147.231 クライアント 202.24.14.232 WEBサーバ Linux, Windows2000とも netstat –r で確認可能 経路表 受信先サイト ゲートウェイ 192.168.0.0 * 202.24.147.0 * 127.0.0.0 * default 202.24.147.1 ネットマスク 255.255.255.0 255.255.255.0 255.0.0.0 0.0.0.0 インターフェース eth1 eth0 lo eth0 202.24.147.0/24 202.24.147.1 192.168.0.0/24 eth1 eth0 local host 経路表の作成方法による 経路制御の分類 • 静的経路制御(static routing) – 人間がネットワーク設定、ホストの接続状況な どを見て経路表を作成 – 設定を変更しない限り一定 • 動的制御(dynamic routing) – ルータどうしがつながっているネットワーク、ホ スト等の情報を経路情報として流して、交換し 合って自動的に経路表を作成、定期的に更新 – 何を基準にして“良い経路か”の定義によって 種類がある 静的経路制御(1) • 規模が比較的小さいネットワークで用いる • 規模が小さい 変更が楽 トラブルの確率が小さい • ルール ネットワークごとにゲートウェイを設定 それ以外はデフォルトゲートウェイを通らせる • トラブル時には手動で経路を書き換える必要あ る 192.168.2.4 → 192.168.5.6 例 192.168.1.0/24 .2 静的経路制御(2) 192.168.3.0/24 ホストAからホストBへ .3 .3 .4 192.168.4.0/24 .3 パケットを送る .4 ホストAの経路表 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.4.1 192.168.3.2 ルータB転送先 IPアドレス ルータA .5 192.168.4.2 ルータC 100110111100101010001111000 0 . 0 . 0 . 0192.168.5.1 192.168.2.1 192.168.2.1 192.168.2.0/24 192.168.5.2 192.168.2.4 ホストA ホストB 100110111100101010001111000 .2 .3 .4 192.168.2.0/24 .3 .4 .5 .6 192.168.5.0/24 192.168.2.4 → 192.168.5.6 例 ルータAの経路表 IPアドレス 転送先 192.168.4.0/24 192.168.1.0/24 192.168.1.1 .3 .4 .5 192.168.2.0/24 192.168.2.1 192.168.3.0/24 192.168.3.1 192.168.4.0/24 192.168.3.2 192.168.5.0/24 192.168.3.2 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 .2 .3 .3 .4 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA 静的経路制御(3) 192.168.4.2 192.168.4.1 ルータB ルータC 100110111100101010001111000 192.168.2.1ルータAの経路表 192.168.5.1 IPアドレス 転送先 192.168.1.0/24 192.168.1.1 192.168.2.0/24 192.168.2.1 192.168.3.0/24 ホストA 192.168.3.1 .2 .3 .4 192.168.4.0/24 192.168.3.2 192.168.5.0/24 192.168.3.2 192.168.2.0/24 192.168.5.2 ホストB .3 .4 .5 .6 192.168.5.0/24 192.168.2.4 → 192.168.5.6 例 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 .2 .3 .3 静的経路制御(4) 192.168.4.0/24 .4 .3 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA .4 .5 192.168.4.2 100110111100101010001111000 192.168.4.1 ルータB ルータC 100110111100101010001111000 192.168.2.1ルータAの経路表 192.168.5.1 IPアドレス 転送先 192.168.1.0/24 192.168.1.1 192.168.2.0/24 192.168.2.1 192.168.3.0/24 ホストA 192.168.3.1 .2 .3 .4 192.168.4.0/24 192.168.3.2 192.168.5.0/24 192.168.3.2 192.168.2.0/24 192.168.5.2 ホストB .3 .4 .5 .6 192.168.5.0/24 192.168.2.4 → 192.168.5.6 例 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 .2 .3 .3 静的経路制御(5) 192.168.4.0/24 .4 .3 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA 192.168.2.1 .4 .5 192.168.4.2 100110111100101010001111000 192.168.4.1 ルータB ルータC 192.168.5.1 ルータBの経路表 IPアドレス 転送先 192.168.1.0/24 192.168.3.1 192.168.2.0/24 192.168.3.1 ホストA 192.168.3.0/24 192.168.3.2 .2 .3 .4 192.168.4.0/24 192.168.4.1 192.168.2.0/24 192.168.5.0/24 192.168.5.1 192.168.5.2 ホストB .3 .4 .5 .6 192.168.5.0/24 192.168.2.4 → 192.168.5.6 例 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 .2 .3 .3 静的経路制御(6) 192.168.4.0/24 .4 .3 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA 192.168.2.1 .4 .5 192.168.4.2 100110111100101010001111000 192.168.4.1 ルータB ルータC 192.168.5.1 ルータBの経路表 IPアドレス 転送先 192.168.1.0/24 192.168.3.1 192.168.2.0/24 192.168.3.1 ホストA 192.168.3.0/24 192.168.3.2 .2 .3 .4 192.168.4.0/24 192.168.4.1 192.168.2.0/24 192.168.5.0/24 192.168.5.1 192.168.5.2 ホストB .3 .4 .5 .6 100110111100101010001111000 192.168.5.0/24 192.168.2.4 ← 192.168.5.6 例 静的経路制御(7) 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 ホストBの経路表 .2 .3 IPアドレス 192.168.4.0/24 .3 .4 転送先 0.0.0.0 192.168.5.1 192.168.5.0/24 192.168.5.6 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA .3 .4 .5 192.168.4.2 192.168.4.1 ルータB ルータC 192.168.5.1 192.168.2.1 192.168.5.2 ホストA .2 .3 .4 192.168.2.0/24 ホストB .3 .4 .5 .6 100110111100101010001111000 192.168.5.0/24 例 192.168.2.4 ← 192.168.5.6経路表を手動で書き換え 静的経路制御(8) 各ルータについ IPアドレス 転送先 192.168.1.0/24 192.168.3.0/24 てもそれぞれ手 0.0.0.0 192.168.5.1 動で書き換え ↓ 192.168.4.0/24 .2 .3 .3 .4 0 . 0 . 0 . 0.3 192.168.5.2 .4 .5 192.168.1.1 192.168.3.1 192.168.3.2 ルータA 192.168.4.2 192.168.4.1 ルータB ルータC 192.168.5.1 192.168.5.2 回線 トラブル 192.168.2.1 ホストA .2 .3 .4 100110111100101010001111000 192.168.2.0/24 ホストB .3 .4 .5 .6 100110111100101010001111000 192.168.5.0/24 動的経路制御(1) • 比較的規模の大きいネットワークで使用 • 経路情報をお互いに交換し、定期的に更新す る・・・変化あり • 途中の経路が使えなくなったら自動的に別の経 路を知らせる • 経路情報の交換方法、良い経路の定義によって 種類がある – – – – RIP RIP2 OSPF BGP4 RIP (1) • Routing Information Protocol version1 • ベクトル距離経路制御 – Vector = destination(目的とするネットワーク) – 距離 = HOP数(通過したルータの数) → 同じDestination ではHOP数が小さい方 を採用 • 30秒ごとに経路情報がBroadcastされる RIP (2) • 経路情報の有効期限・・・3分 • 障害時 ルータの数×3分で経路回復 • アドレスのみ伝播 ・・・ネットマスクだめ ・・・クラスレベルでのネットワーク RIP2 • • • • • Routing Information Protocol version 2 netmaskを伝播できる ベクトル距離経路制御 RIPと互換性あり Multicastを利用可能 OSPF • • • • • Open Shortest Path First netmask を伝播できる Multicastを利用 Load-balancingを行う コスト(インターネットIFに設定された値を 合計する)という概念で経路を決める • 素早いバックアップルーティング BGP4 • • • • • Border Gateway Protocol version 4 EBGP IBGP AS pathの長さによって経路を選択 複数の経路が存在する場合は最適経路のみ伝 播する • Load-balancingは行わない • CIDR対応 熊本学園 経済学部の サーバからのルーティングについ て st.econ.kumagaku.ac.jp から どのような経路でインターネット上のサーバに パケットが到達するか? ? ? ? ? ? ? st.econ.kumagaku.ac.jp 202.24.147.234/24 熊本学園 経済学部の ホームページサーバ 同じネットワーク 202.24.147.0/24 ダイレクトにパケットが 届く www.econ. kumagaku.ac.jp st.econ. kumagaku.ac.jp 熊本学園の ホームページサーバ 別のネットワークへ ・・・デフォルトゲートウェイを通過 www.kumagaku.ac.jp ネットワーク 202.24.147.0/24 www. econ. 202.24.147.1 202.24.147.0/24 の デフォルトゲートウェイ st.econ. 熊本県立大学の ホームページサーバ 学外のネットワーク・・・学内の SINETの熊本ルータを通過 SINETのゲートウェイを通過 kumamoto-1-FE1-00.sinet.ad.jp kumagaku-netgw.kumagaku. ac.jp www. Kumagak u. 県立大のnetwork kumamoto-kenritsuu.gw.sinet.ad.jp 202.26.160.254 202.24.147.1 st.econ. www.pukumamoto.ac.jp 熊本大学図書館の ホームページサーバ SINET熊本ルータを通過 熊大のnetwork kumamoto-1-FE1-00.sinet.ad.jp kumamoto-1-FE1-00.sinet.ad.jp kumamoto-uATM.gw.sinet.ad.jp 133.95.3.62 133.95.60.201 st.eco n. www.pukumamoto. ac.jp www.lib.kumamotou.ac.jp 九州大学のホームページの ホームページサーバ www.kyushu-u.ac.jp 133.5.3.1 九 大 kyushu-u-LAN3.sinet.ad.jp kyushu-S1-GE6-1.sinet.ad.jp 熊大 kumamoto-1-FE10-0.sinet.ad.jp 熊学 県立大 東京大学のホームページサーバ 九大 ky ku 熊学 JT-osaka-S1-P60.sinet.ad.jp JT-tokyo-S1-P10.sinet.ad.jp 熊大 県立大 tokyo-S1-P9-0.sinet.ad.jp UTnet-G2-0-0.sinet.ad.jp ra36-msfc-vlan3.nc.u-tokyo.ac.jp ra35-msfc.nc.u-tokyo.ac.jp foundry1.nc.u-tokyo.ac.jp www.u-tokyo.ac.jp 東北大学のホームページサーバ sasaya.net.tohoku.ac.jp topicgw1.sinet.ad.jp www.tohokuac.jp tohoku-S1-P33.sinet.ad.jp 九大 ky os ku to 熊大 東大 熊学 県立大 SINET 熊本朝日放送の ホームページサーバ SI SI IIJ IIJ IIJ SI IIJ 熊学 www.kab.co.jp SI NII IIJ IIJ NII IIJのバックボーン http://www.iij.ad.jp/network/japan.html より IIJのバックボーン
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