カワモズクニュース№27

カワモズクニュース№27
H26(2014).2.3
〔ミョウテンジカワモズク〕
アオミドロなど糸状緑藻類の大発生の要因は富栄養化、撹乱、
捕食ですが、有力な要因は渇水などの撹乱頻度が低く、河床の
安定化であるといわれています(2000.野崎健太郎)。
市場峡公園の環境を見ると糸状緑藻類にとって絶好の条件を
備えていると思われます。
ミョウテンジカワモズクにとってこれら糸状緑藻類が池床や池周
囲の石を先取りしてしまうと胞子が着床する場を奪われ、シャント
ランシア体から沢山の胞子を放出しても生育することができないこ
とになります。また胞子が着床し発芽したとしても糸状緑藻類の成
長の方が旺盛で、ついには席巻されてしまうようです。
2010年1月初めて確認された時は、その前年12月に高圧洗
浄がなされていました。その後も5月頃までアオミドロの発生は抑
えられ池にカワモズクの生育が観察されました。
上記のことを確認するためにも高圧洗浄を試みてみたいと思っ
ています。
←金枠にモコモコしているのが刷毛状シャントランシア体
(シャントランシア体)
この池の刷毛状のシャントランシア体は9月頃発生し、12月から3月最盛となり5月頃から衰退し8月消失、
を繰り返しています。刷毛状のシャントランシア体は5ミリ程度になることもあり目で見てもそれと分かります。
石の黒い斑点状のシャントランシア体も良く見ると糸状体でこれも刷毛状のシャントランシア体と言えます。
シャントランシア体からカワモズクへの変態はシャントランシア体が単胞子を付けているときは季節を問わ
ず見受けられています。しかし、シャントランシア体の単胞子のようす、カワモズクへの変態のようすは一様
ではないようにも
思われ、今後の
観察を注意深くし
ていきたいと思い
ます。
①
③
②
④
①根元は1本で刷毛
のように発達したそ
の3分の1ほどの所
に単胞子を付けて
います。
②①とは異なり糸状
は短く先端部分に
単胞子があります。
③糸状体は1ミリ程
度、単胞子は枝状
の枝に付いていま
す。カワモズクへの
変態が見られます。
④糸状体の比較的
下の部分から盛ん
に変態が行われて
います。
白子川・向山湧水池と護岸の湧水
白子川の練馬区との境、芝屋橋の下流、平成23年親水
化工事が行われ水辺まで下りられるようになり、また、右岸
側にある湧水を引き込んだ湧水池も設置されました。
この親水護岸は川の流れを考えると早晩埋まってしまう
と思われます。既に護岸の形状にも変化が現れ、湧水池
も埋まり始めました。
↓水路のチャイロカワモスク
右岸の湧水にニホンカワモズクが確認されています。右
岸から引き込んだ湧水池もニホンカワモズクと思われまし
たが、こちらはチャイロカワモズクでした。また昨年1月に
はイシカワモズクも確認されています。
↑湧水口
護岸は上流の石が堆積し池にも土砂が堆積
↑黒い斑点がチャイロカ
ワモスク
昨年からこの場は閉鎖さ
れました。隔月の川掃除の
時に入ることができます。
今年1月、掃除のため中に
入ると、池と水路にたくさん
のチャイロカワモズクが発
生していました。果胞子体
も見られ旺盛な成長が観
察できました。
今回の観察ではイシカワ
モズクは確認できませんで
した。
また、対岸の湧水にもニ
ホンカワモスクが盛んに生
育していました。
ニホンカワモズク
2014.1.26 晴れ
湧水池 気温8.7℃ 水温16.8℃ PH6.60
護岸湧水 気温7.0℃ 水温16.4℃ PH6.60
チャイロカワモスク
果胞子体と
(下段)造果器(受精)
果胞子体と
(下段)造果器(受精)
(ニュースに対する問合せ)
白子・大坂湧水林保全の会
会長 友国 洋
文責 須貝郁子
和光市白子3-35-6-307
(048-464-5545)
Email:[email protected]