区分線形凸計画問題に対する 多項式オーダーの内点法 東京工業大学経営工学専攻 小崎 敏寛 水野 眞治 中田 和秀 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 考える問題 • 区分線形凸計画問題 (piecewise linear convex problem) min max (ci x d i ) T x i 1,..., l ( P) s.t. Ax b x 0. max (ci x d i ) T i 1,..., l 定数A mn , b m , ci n , d i , 変数x n . 関数 max (ci x d i )は凸関数であるから T i 1,..., l この問題は凸計画問題 . 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 発表の構成 1. 区分線形凸計画問題を線形計画問題に変形する. 2. 線形計画問題を標準形の問題で解けるように変 換する. 3. 区分線形凸計画問題に対する多項式オーダーの 内点法を提案する. 4. 凸関数の性質を使って解ける問題を考える. 5. 内点法の性質を使って解ける問題を考える. 6. 区分凸二次計画問題を考える. 7. アフィン関数が無限本ある場合を考える. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 1.線形計画問題への変換 • 問題(P)は変数 t を使うと次の問題に書ける. min max (ci x d i ) T x i 1,..., l ( P ) s.t. Ax b x 0. min t s.t. ci x d i t i 1, , l T Ax b x 0. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 標準形にすると次のようになる. min t min t t s.t. ci x d i t i 1, , l s.t. Ax b T ci x t t si d i i 1,, l Ax b T x 0. x 0 t 0 t 0 si 0 i 1,, l. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 双対問題は次のようになる. l max b y d i ui min t t T i 1 s.t. Ax b l ci x t t si d i i 1,, l T x 0 t 0 t 0 si 0 i 1, , l. s.t. A y ci ui z 0 T i 1 l u i 1 l u i 1 i i 1 1 ui 0 i 1, , l z 0. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 整理すると次のようになる. l l max b y d i ui max b y d i ui T T i 1 l i 1 s.t. AT y ci ui z 0 i 1 l u i 1 l u i 1 i i 1 l ( D) s.t. AT y ci ui z 0 i 1 l u i 1 1 ui 0 i 1, , l z 0. i 1 ui 0 i 1, , l z 0. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 2.標準形の問題で解けるような変換 • 内点法を適用するために等式制約を解き代入する 変換を行う. ul 1 ui ( 0)として目的関数,制約 式に代入すると, i l l b y d i ui bT y d i ui d l (1 ui ) T i 1 i l i l bT y (d l d i )ui d l , i l l A y ci ui AT y ci ui cl (1 ui ) T i 1 i l AT y (ci cl )ui cl . i l i l 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 問題(D)は次のように書ける. max bT y (d l d i )ui d l i l s.t. AT y (ci cl )ui v x cl i l u i v sl 1 i l ui vsi 0 i 1, , l 1 v x 0 vsl 0 vsi 0 i 1, , l 1 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 対応する主問題は次のようになる. min cl x sl d l T s.t. Ax b (ci cl )T x si sl d l d i i 1, , l 1 x 0 si 0 i 1, , l. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 最適条件は次のようになる. Ax b, (ci cl )T x si sl d l d i i 1, , l 1, 主実行可能条件 x 0 si 0 i 1,, l , AT y (ci cl )ui v x cl , i l ui vsl 1, 双対実行可能条件 i l ui vsi 0 i 1, , l 1, v x 0 vsl 0 vsi 0 i 1,, l 1, xT vx 0, si vsi 0 i 1,, l. 相補性条件 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 変換後の問題の最適解からもとの問題の最適解 を得ることができる. • 変換後の主問題の解を ( x* , s1* ,, sl * )として, もとの主問題の解は ( x, t , s1 ,, sl ) ( x , cl x sl dl , s ,, sl ) * • T * * * 1 * * ( y 変換後の双対問題の解を , u1 ,, ul 1 )として, * * もとの双対問題の解は ( y, u1 , , ul ) ( y * , u1 , ,1 ui ) * * i l 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 3.多項式オーダーの解法 • 問題のサイズから主双対内点法のショートス テップ法で O ( n l L) 反復で解ける. • ただしLは問題のサイズ. min cl x sl d l T s.t. Ax b (ci cl )T x si sl d l d i i 1,, l 1 x 0 si 0 i 1,, l. 変数x , si i 1,, l. n 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 主双対内点法は,センターパスを近似し,最 適解に近づく反復解法. センターパス 最適解 実行可能領域 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 と表す. と表す. と表す. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 アルゴリズム 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 0.4 ~ k T ~ k (1 )x s nl 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 ニュートン方向の計算 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 とする.次の関係がなりたつ. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 4.凸関数の性質を使うと • 区分線形凸関数の非負結合は凸関数であることか ら,次の問題も同様に変換を用いて解ける. • 内点法で O( q n l p L)反復で解ける. p 1 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 制約式に区分線形凸関数がある問題 • この問題は標準形の線形計画問題に帰着できるの で,内点法で O( n l L) 反復で解ける. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 制約式に区分線形凸関数の 非負結合がある問題 • 区分線形凸関数の非負結合は凸関数. 定数 変数 • この問題は変換を使い内点法で 復で解ける. p q O( n l p 1 L) 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 p 1 反 5.内点法の性質を使うと • 半正定値制約を持つ区分線形凸計画問題 • ただし A B Tr ( AT B) • この問題は変換を使って,内点法で解ける. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 二次錐制約を持つ区分線形凸計画問題 • この問題は変換を使って,内点法で解ける. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 6.もう少しなめらかな関数 • 目的関数を区分凸二次凸関数とした問題 • • Qi o を許すと,区分線形ー凸二次関数を考えら れる. • この問題は変数tを使うと次のように書ける. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 凸二次不等式制約は,二次錐制約で書ける ことより,次の問題と書ける. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 • 二次錐計画問題であるので内点法で解ける (はず). 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 7 アフィン関数が無限本あるとき ci x dih T ci x dil T min t min t s.t. ci x d i t d i [d il , d ih ] s.t. c T x d t i ih Ax b Ax b x 0. T x 0. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 今後の課題 • 応用を考える. • 自由変数を非負変数の差とあらわす変換を 用いないで,直接ニュートン法を適用する内 点法を考える. • 区分微分可能凸計画問題を考える. • 目的関数の係数に区間がある問題を考える. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所 参考文献 • D.Bertsimas and J.N.Tsitsiklis, Introduction to Linear Optimization. • S.Boyd and L.Vandenberghe, Convex Optimization. • K.Kobayashi, K.Nakata and M.Kojima, A Conversion of an SDP Having Free Variables into the Standard Form SDP. • S.J.Wright, Primal-Dual Interior-Point Method. • F.Alizadeh and D.Goldfarb, Second-Order Cone Progarmming. 2006 7/14 モデリングと最適化の理 論 京都大学数理解析研究所
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