ギガビットイーサネットとTCPに関わる一連の研究について

GbEにおける
TCP/IP の研究について
後藤研 修士1年
竹田 直哉
概要
 ギガビットイーサネット
 後藤研でのTCP/IPの研究について
ギガビットイーサネット




イーサネット 10Mbps
ファーストイーサネット 100Mbps
ギガビットイーサネット 1000Mbps
10ギガビットイーサネット 10000Mbps
 TCP/IPが考えられた時には想定されなかっ
た広帯域のため、いろんな歪みが。
何を研究するか?
 TCP/IP の最新技術
 具体的には、注目されている技術について実
験を行い、スループットを測定
 ジャンボフレーム
 Selective ACK
論文紹介
 2000年度
- 『ギガビットイーサネットにおけるジャンボフレーム
の性能評価』
 2001年度
- 竹内智彦『ギガビットイーサネットにおけるコネク
ションとフレームサイズの関係』
- 竹田直哉『シミュレーションによる TCP Selective
ACK の性能評価』
論文
 ジャンボフレームとは
 イーサネットフレームのデータ部分を拡大
 1500Byte→9000Byte
 利点
 送信するフレームの数が減る
 処理するヘッダの数が減る
 ネットワークが混んでいる状況でもジャンボフ
レーム技術は有効か?
結果(JAM 800Mbps時)
ジャンボフレーム
通常フレーム
結論
 混雑したネットワークでジャンボフレームを利
用すると、スループットが下がる場合がある
 原因
 ジャンボフレームの方がタイムアウトが頻発
 スイッチでセグメントが消失している
 JAMが発生すると、スイッチのキューに蓄積する
 しかし、ジャンボフレームは1つ1つのサイズが大きい
ため、キューに蓄積できる数も少ないため
竹内氏論文
 同じくジャンボフレームについて
 通常のインターネット
- 1つ1つが小さいオブジェクトサイズ
- コネクションは1つではない
 コネクションが繰り返し生成される状態でも
ジャンボフレーム技術は有効か?
実験内容
① HTTPオブジェクトを5万個送信
 早稲田のプロキシからとったデータをもとにダミー
HTTPオブジェクトを生成
② オブジェクトサイズ別に送信
 オブジェクトサイズを一定間隔で変化させ送信
実験結果(JAM
無)
ジャンボフレーム
通常フレーム
実験結果(JAM
900Mbps)
竹田論文
 セグメント消失率の高い通信
 Selective ACK が有効
 実際のインターネットトラフィック
 様々なオブジェクトサイズ
 様々なセグメント消失
 いつ、どのように、どの程度生じるか分からない
シミュレーションで解析してみよう
実験内容
① 3-way handshake に関する実験
 SYN や データの消失確率を変動させる
② オブジェクトサイズに関する実験
 オブジェクトサイズと消失確率を変動させる
③ 検証
 HTTP オブジェクト1万個
Selective ACK
 ヘッダを付与
 消失したセグメントを詳細に通知
 事実上の重複ACKとして機能
高速再転送を効率的に行う
オブジェクトサイズ/セグメント消失率と
スループットの関係
実験結果
 SYN の消失は SACK の守備範囲外
 いつどのようにセグメントが消失するか分からない
通信(例:無線)では SYN も考慮すべき
 複数 SYN
 SACK の限界
 HTTP オブジェクトのような小さなオブジェクトでは
SACK を用いると逆効果
 通信に応じた TCP
卒論作成にあたって
 通常と異なる挙動を実験によって証明する
- 効率化 or スループット激減
- 新しい発見をしなければならない
 理想をもつのは良い
- しかし求めすぎると卒論は書けない
 「実験(実装)できるか」が重要
- いくら素晴らしい考えでも、実験できなければ意味
がない
TCP を研究したい人へ
 TCP プロトコルそのものを研究する
 やり尽くされている
 カーネルをいじらなければならない(難しい)
 TCP の考え方を応用して、何かをする
 参考
 電子情報通信学会 論文検索
http://search.ieice.or.jp