英語って何?

2008年度後期
異文化コミュニケーションのための
英語学概論(第2回)
立教大学
異文化コミュニケーション学部
平賀 正子
はじめに
• 前回のリアクション・ペーパー
• 今日の講義:「色々な英語」
英語学概論第2回
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第1回のリアクション・ペーパー
「英語って何?」
• <高校では>
受験のための科目
試験で数値化される
覚えるもの
科目+技能
将来役立つ、実用性
世界共通語、他者を知るための方法
得意科目、楽しい科目
英語学概論第2回
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第1回のリアクション・ペーパー
「英語って何?」
• <大学では>
ツール(道具、武器)
コミュニケーション・ツール
世界とつながるためのツール
グローバル社会において、必ず身につけなければならない武器
自分の視野や世界を広げるための手段
スキル(技能)
塾や学校で教える時役立つ
将来の目標のために必要なスキル
アイデンティティ
英語を使うことでまったく違う私がいる
英語学概論第2回
4
英語は「科目」だ
• 「科目」は限定的
– 科目は学校という制度のもとに存在す
る。
– 学校の外では、科目としての英語の成
績は関係がない。
英語学概論第2回
5
英語は「スキル」だ
• 「スキル・技能」は部分的
– 部分的にしか測れない。
– 功利性に結びつきやすい。
英語学概論第2回
6
英語は「道具」だ
• 「道具・ツール」は人間から乖離的
– 道具はその使用者とは乖離している。
– 自分の所有物ではあっても、自分自身ではない。
• 「道具・ツール」は功利的
–
–
–
–
使用するにはその目的がある。
目的に応じて使用される。
効率や利害などに影響されやすい。
普通は、無駄には使わない。
英語学概論第2回
7
英語は「ことば」だ
• 「ことば」は人間と一体
– ことばは話し手の人間性を映す。
– ことばは人間と同じように一人一人違う。
– ことばは「人が生きる」ということと切り離しがたい。
• 「ことば」は人間の営み
–
–
–
–
ことばは実践である。
責任がともなう。
人を喜ばせることもできるし、傷つけることもできる。
無駄にみえることもするし、間違いもある。
英語学概論第2回
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英語って何?
教科・科目
(道具)
技能・スキ
ル
(道具)
ことば
(実践)
試験
資格
行動
成績
収入
関係性構築
学歴
成功
友だち・平和
英語学概論第2回
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三種類のことば
母語(Native Language)
第一言語として最初に習得したことば。
第二言語(Second Language)
母語(第一言語)を習得した後に習得したことばで日
常生活でも使用していることば。
外国語(Foreign Language)
母語(第一言語)を習得した後に習得したことばで日
常生活では使用する機会が少ないことば。
英語学概論第2回
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三種類の英語
母語(Native Language)
第一言語として英語を習得した場合。
第二言語(Second Language)
母語ではないが、英語を日常生活で使用する場合。英語
が現地語と並んで公用語となっている場合も多い。
国際語(International Language)
母語ではなく外国語として英語を習得した者が、英語母
語話者または非母語話者とのコミュニケーションに使
用する場合。
英語学概論第2回
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英語母語国
連合王国
アメリカ合衆国
カナダ(イギリス連邦)
オーストラリア(イギリス連邦)
ニュージーランド(イギリス連邦)
南アフリカ(イギリス連邦)
英語学概論第2回
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英語第二言語国
インド (準公用語)
パキスタン (公用語)
シンガポール (公用語)
マレーシア (公用語ではないが広く話されてい
る)
フィリピン (公用語)
ガーナ (公用語)
ケニア (公用語)
英語学概論第2回
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英語が使用されている国々
(The Story of English, 1987, p.23)
英語学概論第2回
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英語第二言語国は
どんな歴史をもっているか
インド (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
パキスタン (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
シンガポール (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
マレーシア (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
フィリピン (旧アメリカ植民地)
ガーナ (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
ケニア (旧イギリス植民地、現在イギリス連邦)
英語学概論第2回
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英語国際言語国
旧イギリス植民地を除く、アジアのほとんどの国々
は、英語国際言語国
中国、日本、韓国、
タイ、インドネシア、ベトナム、
等々。
英語学概論第2回
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国際語としての英語は
どんなところで使われているか
•
•
•
•
•
•
国連(United Nations)
欧州連合(European Union)
様々な国際会議
国際ビジネス
大学教育
世界中の三つ星以上のホテル
英語学概論第2回
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英語の国際化と多様化
• 英米の英語
↓ 国際化
↓
• 現地化(脱英米化)
↓ 多様化
↓
• 世界諸英語 (World Englishes)
英語学概論第2回
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