コメントー条例ひな形の意義と例 佐藤潤一(大阪産業大学) • 基本法制定要求や基本条例及び個別条例 制定の要求は,「文化芸術の振興に関 する 基本的な方針(平成23年2月8日閣議決定)」 の具体化として政府自身の施策である。 – 文化芸術の振興に関する基本的な方針(平成23 年2月8日閣議決定) http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/housin /kihon_housin_3ji.html 法段階と裁判所 確立した国際法規 日本国憲法 条約 法律 条例 政令・命令 • 裁判所は国際人権条約適用には熱心ではない 条例と法律 • 全国的見地/抽 象的法規 • 地域差 に対応 • 有権者の1/50 • 自治体規模に よっては確実性 が高い 条例 法律 直接 請求 請願 • 議員との関 係が正否を 左右/不確実 条例・法律の構造 • 総則的規定 – 目的 – 用語の定義 • 実体的規定 – 具体的な施策内容 • 雑則的規定 • (罰則) 条例ひな形例1 • 日本語学習機会保障条例 • 第1編 総則 – 第1条 目的規定: – 第2条 用語の定義: • 第2編 実体規定 – 第3条 地域社会における日本語教室の設置 • 1 既存教室の活用 • 2 ボランティアの位置づけ – 第4条 保育所,幼稚園,義務教育課程及び高等学校並びに中等教 育学校における日本語教員への援助 • 1 – 第5条 日本語教育カリキュラム • 第3編 雑則 条例ひな形案2 • 日本語教育カリキュラム研究推進条例 • 総則 • 実体規定 – 研究組織の設置 – 助成の基本枠組み – 助成期間終了後の扱い 条例ひな形例3ー日本語教育保障基 本条例(県条例として作成する場合) • 第一章 総則 – – – – 第1条(目的)条例の目的 第2条(定義)用語の定義 第3条(基本理念) 第4条(日本語教育保障の機 会均等) – 第5条(県の責務) – 第6条(日本語教育事業従事 者の責務) – 第7条(市民の責務) • 第二章 日本語教育保障 に関する総合的施策 – 第一節 日本語教育保障事業 – 第8条 日本語教育保障事業の 種類(たとえば,日本語教育保 障「等」としてボランティアの扱い を含めて定義する) – 第9条 日本語教育保障事業の 機能 – 第10条 日本語教育プログラム の充実 – 第11条 日本語教育プログラム の整備 – 第12条 日本語教育プログラム に関する協力体制 条例ひな形例3ー日本語教育保障基本条例 (県条例として作成する場合) :承前 • 第二節 地域日本語教育 センターの設置 – 第10条 地域日本語教育センタ ーの目的 – 第11条 地域日本語教育センタ ーの組織及び機能 – *詳しく言えば,組織・機能・セン ター長・専門委員等の個別規定 が必 – 第12条 日本語教育専門家の 研修 – 第13条 日本語教育ボランティ ア研修 • 第三節 日本語教育関連 事業(日本語教育ボランテ ィア)への援助 – 第14条 日本語教育ボランティ アの定義 – 第15条 日本語教育ボランティ アへの援助 • 第四節 日本語教育保障 事業等に関する相談及び 苦情の解決のための体制 整 備 に関する措置 – 第16条 相談窓口 – 第17条 相談員 条例ひな形例3ー日本語教育保障基本条例 (県条例として作成する場合) :承前 – 第五節 情報提供その他の広報活動 • 第18条 情報提供のための措置 • 第19条 その他の広報活動 – 第六節 雑則 • 第20条 (守秘義務) • 第21条 (知事の)規則への委任 • 第三章 罰則 – 第21条 • 附則 施行期日 守秘義務違反への罰則 条例ひな形例4ー地域日本語教育センタ ー設置条例(市条例として作成する場合) • 第一章 総則 – – – – 第1条(目的)条例の目的 第2条(定義)用語の定義 第3条(基本理念) 第4条(日本語教育保障の機 会均等) – 第5条(市の責務) – 第6条(日本語教育事業従事 者の責務) – 第7条(市民の責務) • • 第二章 地域日本語教育 センター – 第一節 地域日本語教育セ ンターの設置 – 第8条 地域日本語教育センタ ーの目的 – 第9条 地域日本語教育センタ ーの組織及び機能 – *詳しく言えば,組織・機能・セン ター長・専門委員等の個別規定 が必要 – 第10条 日本語教育専門家の 研修 – 第11条 日本語教育ボランティ ア研修 条例ひな形例4ー地域日本語教育センター設置条例 (市条例として作成する場合) :承前 • 第二節 日本語教育関連事業( 日本語教育ボランティア)への援 助 – 第12条 日本語教育ボランティアの 定義 – 第13条 日本語教育ボランティアへ の援助 • 第三節 日本語教育保障事業等 に関する相談及び苦情の解決の ための体制整備に関する措置 – 第14条 相談窓口 – 第15条 相談員 • 第四節 情報提供その他の広報 活動 – 第16条 情報提供のための措置 – 第17条 その他の広報活動 • 第五節 雑則 – 第18条 (守秘義務) – 第19条 (市長の)規則への委任 • 第三章 罰則 – 第20条 守秘義務違反への罰則 附則 施行期日 結びにかえて • 実効性,統一性の観点からは法律の制定が 理想であるが,運動論としては確実性の高い 条例制定を働きかけることは戦略(運動論)と してはありうる。 • 純粋な法律論だけでなく,法政策論,立法学 の見地が重要であるが,この観点からの研 究蓄積はそう多くなく,今後の学際的取り組 みが重要
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