選択本願念仏集 計れば、夫速かに生死を離れんと欲せば、二種 の勝法の中には、且らく聖道門を閣きて、選ん で浄土門に入れ。浄土門に入らんと欲せば、正 雑二行の中には、且らく諸の雑行を抛ちて、選 んで正行に帰すべし。正行を修せんと欲せば、 正助二業の中には、猶助業を傍にし、選んで、 正定を専らにすべし。正定の業とは、即ち是れ 佛名を称するなり。名を称すれば、必ず生ずる ことを得。佛の本願に依るが故なり。 日本浄土宗の開祖法然(1133~1212) 『選択本願念仏集』第16章より 生死を離れんと欲する二種の勝法 浄土門 聖道門 正行 雑行 正業 助業 唱名念仏 讃歎供養 観察 礼拝 読誦 しょう どうもん 聖道門・浄土門 仏教では悟りを得るために、二つの法門がある。そ れを聖道門、浄土門という。聖道門は自力によって 現世の間に、悟りを得んとする聖者の道のこと。一 方浄土門とは、阿弥陀を信じ、阿弥陀の手に引か れ、ひたすら念仏することによって、来世に悟りを 得ようとする道をいう。 藤井宗哲 『仏教語源散策辞典』
© Copyright 2024 ExpyDoc