スケール効果

実大建物の鉛直壁面における
対流熱伝達率の測定
2013011
逸見 淳子
研究目的
濾紙面蒸発
熱伝達現象
スケール効果
建物外表面
対流熱伝達率の把握
風洞実験
+
実スケール測定
メリット
強制対流成分の挙動を純粋に把握できる
デメリット
自然対流が支配的となる静穏時の検討
困難
研究目的
自然対流が支配的な現象
・夏季市街地からの大気加熱量の推定
・アトリウム空間の温熱環境設計
十分な把握がなされていない
従来の外表面対流熱伝達率実測例
裏面を断熱したSAT計
測定面と壁面の表面温度 スケール効果の実験不可能
が異なってしまう
実際の壁面温度状態での測定方法を考案する必要
研究目的
RC造3階建て集合住宅実験棟
壁面の一部コア抜きしセンサ埋設
壁面の長短波放射収支を直接測定
鉛直壁面の対流熱伝達率を長期的に測定
壁面近傍に設置
・超音波風速温度計により渦相関法
を用いた対流熱フラックスの評価
・壁面近傍の気流性状や温度変動と
対流熱伝達率との対応関係
垂直平板の自然対流熱伝達
Nusselt 数
無次元化した熱伝達率
Grashof 数×Prandtl 数≡ Rayleigh 数
実測概要
実測概要
実測概要
東壁面における実測結果
東壁面測定期間:7月11日~12月8日
壁面の熱収支による顕熱フラックス算定
外表面・内表面温度の実測値
内部温度
陽解法による数値計算
非定常熱伝導の差分表示
cxS x t  t    x ,t   S
熱容量 Δt中の xの場所
の温度上昇
 
x  x t
  x ,t 
x
t  S

x ,t
   x  x t 
x
左方からΔ xにΔ t中に
Δxから右方にΔ t中に
入る熱量
出る熱量
   x  x ,t   x ,t   x ,t    x  x ,t  


 x,t t   x, t   


x
x



t
c 
x





θxの tに対する変化率
 θ

を表す
θt 
t
  2θ
 θ
 2 を表す
温度勾配
の変化率

θt 
 t 
外表面の実測値長短波放射収支計で求められたI↑の比較
理由
赤外線の量を測定
I↑
日射の影響を受けない
熱電対(表面温度)
40
I↑(表面温度)
Temp(℃ )
35
30
25
20
7/12
7/13
7/14
7/15
JST(h)
7/16
7/17
7/18
熱特性値
壁体内部温度(℃)
熱伝導率=1.74(W/m・K)
容積比熱=2.0(MJ/m3・K)
32
31
30
29
28
27
26
25
24
7/13
0
伝導熱流量(G)=深さの熱流(Gf)+蓄熱量
(ΔS)
実測値(130mm)
計算値(130mm)
7/13
12
7/14
0
7/14
12
放射4成分
放射収支量(Rn)
7/15
0
7/15
12
7/16
0
Rn-G
7/16
12
7/17
0
7/17
12
7/18
0
顕熱フラックス
算定
渦相関法による顕熱フラックス算定
Rn
G
⊿T( 近傍)
8/11
250
25
外壁と法線方向成分風速
200
20
150
15
100
10
50
5
0
0
-50
-5
-100
-10
0
3
6
9
12
JST(h)
15
18
21
0
温度差(℃)
Heat Flux(W/m2)
⊿S
H
Gf
Rn-G
実測結果
1.98×⊿T 1.4
60
50
50
1.98×⊿T
40
4/3
30
20
1.98×⊿T 5/4
10
0
-2
0
2
4
6
⊿T(℃)
8
10
20
1.98×⊿T 5/4
10
U<0.5m/s
-10
7/11~9/5
-20
30
0
U<0.5m/s
-10
1.98×⊿T 4/3
40
H (W/m2)
Rn-G (W/m2)
1.98×⊿T 1.4
60
7/11~9/5
-20
12
-2
0
2
4
6
⊿T(℃)
8
10
12
実測結果
14
14
U<0.5m/s
αc(W/m2.K)
10
7/11~9/5
1.98×⊿T 0.4
8
⊿T>2℃
12
7/11~9/5
10
1.98×⊿T 1/3
6
4
αc (W/m2.K)
⊿T>2℃
12
αc=3.68U4/5
8
6
4
2
2
1.98×⊿T 0.4
(⊿T=2℃)
0
0
1.98×⊿T 1/4
-2
0
2
4
8
6
⊿T(℃)
10
12
-2
0.0
0.5
1.0
U(m/s)
1.98×⊿T 0.4
(⊿T=10℃)
1.5
2.0
Nux=0.0296・Pr1/3・Rex4/5
14
⊿T>2℃
7/11~9/5
12
αc(W/m 2・K)
10
αc=3.68U4/5
8
6
4
2
0
-2
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
渦の平均径は
U(m/s)
壁からの距離に比例!
垂直平板の自然対流境界層
上昇気流
速度分布
qc  c(θs θf )0.25 (θs θf )
αc (θs θf )
αc  c(θs θf )
助走距離 1m
境界層厚さ
3cm
0.25
壁面日射量
7
6
(壁表面温度
-軒下気温)
800
700
600
(壁表面温度
-近傍気温)
5
4
3
500
400
300
2
1
0
-1
200
100
0
-100
7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/22
0
3
6
9
12
15
18
21
0
合成風速
上昇気流(m/s)
900
JST(h)
0.6
0.4
0.2
0.0
上昇気流
-0.2
7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/21 7/22
0
3
6
9
12
15
18
21
0
JST(h)
壁面日射量(W/m2)
温度差( ℃)
9
8
西壁面における実測結果
温度差とフラックスの3高度同時測定
10W/m2小さくなる
熱流(計算)
3F
2
1F
2F
12
13
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
3F
Flux(W/m )
Flux(W/m2)
熱流板(表面)
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
14
15
JST(h)
16
17
1F
2F
12
13
14
15
JST(h)
16
17
1.5
0.9
12/29_2F
normal
0.6
T'
0.5
0.3
0.0
0.0
-0.5
-0.3
-1.0
-0.6
風速(m/s)
1.0
気温偏差(℃)
壁面近傍の
下降気流と
温度の関係
upward
-1.5
-0.9
21:40
21:45
JST(h)
冷
気
冷
気
静穏
冷
気
下降気流
静穏
Max
1.5
0.9
12/29_2F
normal
T'
0.6
0.5
0.3
0.0
0.0
-0.5
-0.3
-1.0
-0.6
upward
-1.5
-0.9
21:40
21:45
JST(h)
風速(m/s)
1.0
気温偏差(℃)
壁面近傍の
下降気流と
温度の関係
1.5
12/29
3F
冷
気
気温偏差(℃)
1.0
T'(3F)
0.5
0.0
-0.5
-1.0
T'(2F)
-1.5
21:40
21:45
JST(h)
2F
冷
気
3Fの冷気層形成
静穏
2Fの冷気層形成
まとめ
東壁面における結果
熱収支法
精度面での検討の余地
壁面の日射反射率が高い
大きな要因
フラックスの絶対値が最大
50Wm2程度
渦相関法
実在壁面からの顕熱フラックスの概略値
境界層の概要を把握
西壁面における結果
3高度測定
条件がいい日でも2~3時間の日射
自然対流時の伝熱率の高さ方向変化
夏季測定