AIRの基礎 汎用対向式AIRについて 2000.04.12 2002.02.14 T.HATANO N.JINNAI AIRとは ◆ 能動型赤外線検知器(Active Infrared Detector) ◆ 近赤外線利用した検知器 赤外線の領域の中で可視光線に近い波長の領域(0.72~1.5μm) の赤外線を利用 ◆ 屋外で使用される検知器 近赤外線 幾つかの波長は大気に吸収されずに透過する事ができる(下図)。 余り大気に影響されずに透 過できることからこれらの波長帯を総称し て『大気の窓』 と呼ばれています。 また近赤外線センサは880nm,940nmの波長を利用した素子を使用している。大気の窓の波 長と合致おり、この素子は比較的安価で入手できるためほとんどのAIRセンサで使用されている。 880nm,940nm AIRの種類 ◆拡散反射型 投光部と受光部が一体となった検知器で、投光された赤外光を通常状態と検知物体か らの反射光との変化量を検知し、出力を行う。 ☆検知距離が短い(~1m程度) ☆主に自動ドアや光電SW(例えばトイレ用)として使われているが、防犯用途では ほとんど使われない。 ◆回帰反射型 投光部と受光部が一体となった検知器で、投光された赤外光を回帰反射鏡で反射させ、そ の反射光を受光している。遮光された時に出力を行う。 ☆検知距離が短い(~10m程度)。投光パワーを上げると白い服の反射で失報する恐れあり。 ☆自動ドア・短距離の防犯用センサとして使われるが屋内用のみ。 (汚れ・雨等による減衰による影響を受けやすい) ◆対向型 投光器と受光器が分離しており、投光器から投光された赤外光を受光器で受けている。 遮光された時に出力を行う。 ☆長距離の警戒が可能。 ☆主に屋外で使用され、建物の外周警戒用センサとして。 構成図 投光器 受光器 投光素子 電気系 受光素子 電気系 検知信号 電源 対向型AIRブロック図 警戒線 Aゾーン(第一警戒線)・・・最外周 AIR(赤外線遮断検知器)等 Bゾーン(第二警戒線)・・・敷地内、進入可能な箇所(窓、入り口) AIR(赤外線検知器)、PIR(熱線検知器)、ガラス破壊検知器等 Cゾーン(第三警戒線)・・・屋内 PIR(熱線式検知器)等 外乱要因に対する施策 設置場所が屋外という事もあり、様々な外乱要因が想定される。 それぞれの要因に対して以下の様な対策が施されています。 ◆雨や霧,霜など 感度余裕 (100倍以上) AGC(オートゲインコントロール) AF(アンチフロスト) ◆虫や鳥,落ち葉など ツインビーム 遮光時間調整 ◆太陽光やライトなど パルス変調光 外光補償回路 感度余裕と距離余裕 屋外警戒の場合は、雨・霧・汚れなどによる光量の減衰により誤報を起こす場合があるので、製品とし ては十分な感度余裕を持つことが必要である。(現在の屋外用AIRセンサは公称で感度余裕100倍) 感度余裕と距離余裕の関係は以下の関係になります。 距離余裕 = ( 最大到達距離 / 警戒距離 ) 感度余裕 = ( 距離余裕 )2 つまり定格距離での距離余裕が10倍ならば感度余裕は100倍、距離余裕が20倍ならば感度余裕 は400倍ということになります。 ちなみにOPTEXにおける最も長距離警戒センサは定格距離200mで、公称感度余裕は100倍です。 よって最大到達距離は2000mということになります。 距離と感度余裕との関係は測定距離が倍になると、その時の感度余裕は1/4になります。 距離が倍になると4倍のエリア面積となるので エネルギー密度は1/4になるからです。 a 2a 感度余裕とエリア感度 右の図は感度分布の一例としてある製品の実測データです。 定格距離30mの時に投/受光器の光軸をピークに合わせ、投 光器のみを左右に振ってエリアの広がりを測定しています。 製品の を抱かせてしまいます。そこで、製品の最低保証で きるだけピーク感度 と共に、その製品が最低限保証できる感 度の幅(角度)を持っていないと、光軸調整がピンポイントでし かできなくなってしまうので、施工者に調整し難いという不満の エリア幅を設計する必要があり、このエリア内で得られる感度 の事を エリア感度 と呼んでいます。通常、定格距離での片 側のエリア広がりを1.5゜~2.0゜になる様に設計しています。 ・・・が、エリアを広く設計すれば良いというものでもありません。 AGC(オートゲインコントロー ル) 投光器からのビームが雨や霧などで減衰すると受光器が受けるビームの出力は次第に弱くなって、 誤報を引き起こしてしまいます。そこで信号レベルの大きさによって帰還バイアスをかけアンプゲイン の自動調整を行って、見た目のトリガレベルを引き下げてやる事で感度を維持しています。 AF(アンチフロス ト) AF機構は霜が付着しないスリット構造になっています。 全面が霜で覆われても、カバーの一部がスリット構造になっているため、ビームが完全に 途絶える事はありません。 フード 短距離AIR ヒータ 長距離AIR 新しい短距離AIRシリーズには、結露防止用のヒーターや本体上部にフードを取り付けること ができ、霜や汚れに対してより一層の信頼性を確保することができます。 ツインビームと遮光時間調整 上下2本のビームを同時に遮断したときのみ警報を出すAND方式のため、鳥や落ち葉がビームの 一方を遮っても警報を出さない様になっています。 遮光時間を調整することにより、設置状況に応じた検知性能を確保する事ができます。また調整 することにより設置状況特有の誤報要因に対してもフレキシブルに対応する事が可能です。 ツインビームとクワッドビーム(長距離AI R) 虫や落ち葉に対してシングルビームよりツインビームの方が信頼性があるということで、更に光軸を4本に したクワッドビームと呼ばれるセンサがあります。 ・・・・・ PULNIX,ALEPH(SELCO) OPTEXのAIRはツインビームでありながら上下の光学系のピッチを大きくとり、幅を持たせる事でクワッド ビームに比べて遜色のない実力があります。 カバーの材質 カバー材質は、強度面からPC(ポリカーボネート)を使用している。また、黒いカバーは可視光カット フィルターの役割を果たしており、より外乱光の影響を受けにくくしている。 (下図はカバーの透過率 特性を表したグラフである) 製品ラインナップ 長距離モデル 国内向け AX-75T/150T 海外向け AX-250T/500T 上位機種 国内向け AX-250MKⅡ/500MKⅡ(J) 海外向け AX-250MKⅡ/500MKⅡ 国内向け AX-100TⅡ/150TⅡ 海外向け AX-250/500PLUS 国内向け AX-100TH/200TH 海外向け AX-350MKⅡ/650MKⅡ 短距離モデル 国内向け AX-20T/40T 海外向け AX-70T/130T 国内向け ― 海外向け AX-100/200PLUS 屋内モデル 国内向け AX-30S 海外向け AX-100S/SR 上位機種 国内向け AX-30TH/60TH 海外向け AX100ALPHA/200ALPHA
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