多変量解析 第2回ゼミ

多変量解析
第4章 単回帰分析
新納浩幸
単回帰分析とは?



x,yについて直線的な
関係を前提とした解析
説明変数が1つの物
→単回帰分析
右図は単回帰分析として
扱えるデータの一例
図1 成分Aの含有量xと
収率yのデータと散布図
解析の流れ
1.
2.
3.
4.
5.
単回帰モデルを想定、回帰母数を
最小2乗法より推定
寄与率と自由度調整済寄与率より
回帰式の評価
回帰係数の検定と推定
残差とテコ比の検討
得られた回帰式からの予測
1.回帰式の推定

取得できるデータには
ばらつきがある。


近似直線を求める必要有り
(最小2乗法を用いる)
単回帰モデル式
図2 単回帰モデルの考え方
ˆ   0  1 x   i ,  i ~ N (0,  2 )
y
右上図は単回帰モデルを
示している
・・・式(1)
最小2乗法(1)

最小2乗法とは・・・


実測値と予測値の差(残
差)の平方和が最小になる
パラメータを求めること
予測値
yˆi  ˆ0  ˆ1 xi

残差
ei  yi  yˆi  yi  (ˆ0  ˆ1 xi )
図3 残差と単回帰モデル
最小2乗法(2)

実際に解くために・・・



残差平方和から正規方程式を導く
正規方程式を解いてパラメータを得る
残差平方和
n
n
i 1
i 1
S e   ei2   { yi  ( ˆ0  ˆ1 xi )}2
最小2乗法(3)

パラメータの偏微分
n
S e
 2 ( yi  ˆ0  ˆ1 xi )  0
ˆ0
i 1
n
S e
 2 xi ( yi  ˆ0  ˆ1 xi )  0
ˆ1
i 1

正規方程式
ˆ0 n  ˆ1  xi   yi
ˆ0  xi  ˆ1  xi2   xi yi
(上記方程式より単回帰式の推定式を得る)
最小2乗法(4)

正規方程式より求まるパラメータ導出式
ˆ0  y  ˆ1 x
ˆ
1
(ただし、 x 
( x  x )( y  y ) S



S
 (x  x)
i
i
2
i

xy
xx
単回帰式の推定式
yˆ  ˆ0  ˆ1 x  y  ˆ1 ( x  x )
x
i
n
,y
y )
i
n

S xy   ( xi  x )( yi  y )
(ただし、
)
2

S xx   ( xi  x )
2.寄与率と自由度調整済寄与率(1)

求めた単回帰式の推定式
→有用かどうかを評価しなければならない

評価指標の寄与率R2を求める

寄与率とは・・・・


全変動のうち回帰によって説明できる変動の割合
計算結果が1に近いほど良い
2.寄与率と自由度調整済寄与率(2)

寄与率を求めるのに必要なパラメータ
目的変数yの平方和(yの全変動)
 推定した回帰式から求まる回帰による平方和
この2つのパラメータの割合によって求められる。


yの平方和を求める
n
S yy   ( yi  y ) 2
i 1
S yy   { yi  ( ˆ0  ˆ1 xi )}2   {( ˆ0  ˆ1 xi )  yi }2
・・・式(2)
S yy  ˆ1S xy  S e
・・・式(3)
2.寄与率と自由度調整済寄与率(3)

回帰式より求める平方和
2
xy
S
2
ˆ
ˆ
ˆ
S R   {(  0  1 xi )  y}  1S xy (
)
S xx

寄与率
Se
SR
R 
 1
S yy
S yy
2
・・・式(5)
・・・式(4)
2.寄与率と自由度調整済寄与率(4)

各平方和にはそれぞれ自由度が対応している
→自由度を調整した寄与率も必要になる

それぞれの平方和に対する自由度
Syy :φT = n-1
SR :φR = 1
Se :φe = n-2
2.寄与率と自由度調整済寄与率(5)

自由度を調整した寄与率:自由度調整済寄与率
Se e
R  1
S yy T
*2
・・・式(6)
この式は重回帰分析の時も有用
3.回帰係数の検定と推定(1)

求められた回帰式のパラメータ
ˆ1 は統計量
→確率分布から回帰係数の検定と推定を行う

母分散σ2の推定量
Se
ˆ  Ve  
e n  2
2
Se
・・・式(7)
3.回帰係数の検定と推定(2)

回帰係数 ˆ1の確率分布
2

 
ˆ

1 ~ N  1 ,
 S xx 

・・・式(8)
確率分布の標準化
ˆ1  1
u
~ N (0,12 )
 2 S xx
・・・式(9)
3.回帰係数の検定と推定(3)


式(9)の標準式に式(7)を代入
ˆ1  1
t
~ t (e ) (e  n  2)
Ve S xx
この式を用いて検定を行う
→帰無仮説、対立仮説を立てる
 帰無仮説 H0:   0
1
 対立仮説 H1: 1  0
・・・式(10)
3.回帰係数の検定と推定(4)

検定統計量
t0 

̂1
Ve S xx
・・・式(11)
計算結果が|t0|≧t(φe,α)の時


有意水準αで有意である
帰無仮説H0は棄却される
3.回帰係数の検定と推定(5)

分散比
F0  t 
2
0

2
ˆ

1
Ve S xx
SR

 F (1, e ;  )
Ve
β1の信頼率95%の信頼区間
Ve
ˆ
1  t (e ,0.05)
S xx
4.残差とテコ比の検討(1)

各サンプルにおける残差が推定回帰直線と比べ
異常に大きい(または小さい)
→何らかの問題がある可能性

残差の標準化:標準化残差
ek
e' k 
Ve
標準正規分布N(0,12)に近似的に従う
4.残差とテコ比の検討(2)

各データが予測値に対しての影響力を測る
→テコ比を求める

第kサンプルの予測値を求める
yˆ k  y  ˆ1 ( xi  x )
 hk1 y1  hk 2 y2    hkk yk    hkn yn
このときの係数hkkをテコ比と呼ぶ
4.残差とテコ比の検討(3)

テコ比の性質
n
h
k 1
kk
 1  1  2( (説明変数の個数 )  1)
1
 hkk  1
n
5.得られた回帰式の利用

回帰式の推定量の確率分布
2




1
(
x

x
)
2
ˆ0  ˆ1 x ~ N  ˆ0  ˆ1 x,  
 
S xx  
n

母回帰の区間推定、予測区画を構成できる