メディアとコンテンツ4

メディアとコンテンツ④
『造反有理』篇
→1968年東京大学駒場祭ポスター。
製作者は橋本治(のちに作家)
唐獅子牡丹
 高倉健主演のヤクザ映画
 『昭和残侠伝』シリーズで,
主人公が背中に彫った刺青
 ずっと我慢を重ねる主人公が,“義
理”のために,最後の最後に武器を
持って立ち上がって,“悪者”を叩き
斬り,“義”に殉じる姿→学生運動に
立ち上がった若者
右手にジャーナル…
 「右手に(朝日)ジャーナル(約20万
部),左手に(少年)マガジン(約150
万部)」
『
政
治
の
時
事
的
知
識
あ
し
た
の
ジ
ョ
ー
』
な
ど
学生運動の背景
 大学の変質

選民のための“象牙の塔”から,大衆のためのレ
ジャーランド・学歴自動付与機構に変質
 高度経済成長のひずみの拡大



公害(→エコロジー運動),働き過ぎ(社畜)
成田新国際空港など国策での土地強制収容
日米安保条約による米の戦争への荷担
 自分たちを産み育てた社会体制に
向かって「異議あり!」
革新系自治体
 蜷川虎三・京都府知事(‘50-’78)
 美濃部亮吉・東京都知事(‘67-’79)。
日本社会党・日本共産党
 黒田了一・大阪府知事(‘71-’79)。75
年の再選時には日本共産党の単独
推薦。「日本共産党が史上初めて,自
らのガバナー(知事)を持った」
世界的な異議申し立て
 アメリカ―公民権・ベトナム反戦運動
 フランス―1968年5月の「五月革命」。
ソルボンヌ大学生を中心とした,ド
ゴール政権打倒運動(カルチェラタン
解放区)
 イギリス―大学改革運動
 中国―紅衛兵による文化大革命運
動
同時・連鎖の呪縛
アメリカがベトナム戦争に介入した経緯:
反共イデオロギーによる“ドミノ理論”:ベト
ナムに共産党政権ができると周辺諸国で
次々と共産革命が起きかねない
 学生運動:理念は「世界同時(武装)革命」。
中国・北朝鮮に次ぎ,韓国・日本でも市民
の武装蜂起を先導することで共産革命が
起こりうる

反体制の論理
 「学生がおとなしく勉強しているとい
うことは,すなわち現体制に奉仕す
ることであり,間接的にアメリカ帝国
主義を支持し,ベトナム戦争に加害
者として消極的に荷担していること
になるのだ!!」
 「安保反対!」から「安保粉砕!」へ
60年代学生運動の特徴
既成党派(共産党=代々木)への絶望
→60年代に生まれた新左翼の浸透
 国家権力・戦後民主主義への絶望→紛
争発生の現地における武装・実力闘争
 “連帯”へのロマンチシズム→党派に属
さない(ノンセクト)急進派(ラジカル)の緩
やかな連合組織が主導(全共闘)
 他の対抗的文化活動とも連携

『学生運動の軌跡』
1967年:第一次羽田闘争→1969年:安田
講堂“落城”
 TBS 報道局 監修『報道映像 20世紀の
日本』⑥ 学生運動の軌跡
 挿入歌:新谷のり子「フランシーヌの場
合」(‘69)。パリで,反戦・抗議のため焼
身自殺した女子学生を歌う
 鶴田浩二『傷だらけの人生』(‘70)

学生運動用語の基礎知識①
全学連:全日本学生自治会総連合
 三派(系)全学連:構造改革派(構改派),
社会主義青年同盟(社青同)解放派,社
会主義学生同盟(社学同,共産主義者
同盟=ブントの下部組織)の三派の連合
 日本民主青年同盟(民青):日共系学生
組織(日共系全学連ともいう)。穏健主義
の新左翼系全学連と対立

全学連と全共闘
全学連=各大学(学部)で組織されてい
る自治会の連合体。自治会費や学園祭
の収益が活動資金になり,クラス・自治
会決議という形で学生をデモに動員
 全共闘=学校当局に対する闘争を目的
に組織された臨時共闘組織(‘69年に全
国全共闘連合が結成)

学生運動用語の基礎知識②
 1968年:新左翼系団体が「日本マルク
ス=レーニン主義者同盟」を結成→す
ぐに中核派と革マル派に分裂





革共同系(中核派・革マル派・第四インター)
社青同系
ブント系
構造改革派系
毛沢東主義系
学生運動用語の基礎知識③
ゲバ棒:ゲバルト(暴力など直接行動)に
用いるための棒状武器。単なる角材
 過激派:極左暴力集団に対する警察(マ
スコミ)の呼称
 内ゲバ:同一(親戚)党派内で起こった闘
争。共通敵がなくなると,党派内闘争が
繰り返されるのは世の常

アジビラ,立て看
学生運動の軌跡
67年:反対派市民の共鳴・理解を得る
 68~69年:個別の大学闘争で学生の組織
率は高まり,幅広い層から心情的理解を
得る(が,大衆運動を伴わなかった)
 70~72年:運動の目的を失い先鋭化・劇
場化。マスメディアを通じた少数派意見
のアピール(社会からますます孤立)
 72年~:各大学で細々と生き残る

68~69年の騒擾
 全国の大学の165校で紛争が起こり,
うち70校が学生側のバリケード封鎖
により授業停止
 東大―良くも悪くも最高権威。安田
講堂攻防戦にすでに劇場性の一端
 日大―マンモス私立大学ゆえの矛
盾の噴出
秋田明大(あけひろ)





日大全共闘議長
1947年生まれ
広島県音戸町出身
全共闘の象徴的存
在
現在は,渋谷で左
官業を経営
学生運動の総括
 1968年当時,全国で約140万人いた
学生のうち,恒常的に学生運動に
参加したのはせいぜい25%程度。
75%はノンポリで,ときどきデモに参
加する程度
 連合赤軍にみる暗い精神性,硬直
した思想,絶望の深さ,人間性の喪
失などは権力・権威の陰画でもある
政治的に不毛だったか?
「行動することが面白い」「義務感からで
はなく“面白い”から参加する」という行
動主義→市民運動・ボランティア
 既成党派への不信感→無党派層の拡
大。特に地方自治における「勝手連」の
爆発的拡大
 →菅直人(‘46年生まれ)という政治家(東
京工業大学全共闘活動家)

感想文
 分量:200字程度
 「学生運動の軌跡」を観て,何を感
じ・何を考えたかを報告しなさい。
 締切:10月31日(金)授業終了時まで
 提出方法:従前通り。.docx形式word
ファイルの添付は厳禁!!