誰のためのデザイン D.A.ノーマン 第2章 日常場面における行為の心理学 ■ 自分を責めてしまうという誤り ■ 毎日の生活の中の思い違い ■ 間違ったことのせいにしてしまう m1203097 館下 健太 2006/6/8 自分を責めてしまうという誤り エラーを犯した人たち 罪悪感を持って、自分のエラーを隠そうとする。 自分の「愚かさ」や「不注意さ」を責めようとする。 悪いのはデザイン 自分を責めてしまうという誤り 例:"ENTER"キーと"RETURN"キー データを入力する際にこの二つのキーを区別する必要がある。 しかし、両方とも似た機能を持っている、キーボード上でも すぐ近くにある。 “RETURN”キーと“ENTER”キーの打ち間違いというエラーは システムが動かなくなったりする場合に気づく問題事項と違っ て、「単なる間違い」と捉えて、自分自身を責めてしまう。 自分を責めてしまうという誤り まとめ デザイナーは、起こりうるエラーが実際に起こることを想定した 上で、そのエラーが起こる確率と、エラーが起こったときの影響 が最小になるようにデザインしなければならない。 エラーは見つけ出しやすくなければならない。 その結果生じる損害は最小でなければならない。 可能であれば損害を元に戻せるようにすべき。 毎日の生活の中の思い違い 説明好きな存在としての人間 メンタルモデル ものがどのように機能し、できごとがどのように起こり、 人がどのようにふるまうかについての概念モデル 経験を理解する、自分の行動の結果を予測する、 予期せぬ出来事に対処する際の手助け 毎日の生活の中の思い違い メンタルモデル 何が生じているかの知識を持たず、一種の素朴心理学により、 実際には存在しない何かの原因や仕組みや関係を想定して 断片的なデータに基づいて作られることがよくある。 例:室温調節装置(サーモスタット) ×タイマー説:全部の時間のうち、どれくらいの割合の時間 だけ、その機械を作動させるかをコントロール ×バルブ説:その機械からどのくらいの量の暖気(冷気)が 出てくるかをコントロール ○単なるオン・オフスイッチ 間違ったことのせいにしてしまう 人はできごとの原因を見つけたがる 二つのできごとが引き続き起これば、その間に因果関係を 見てしまう傾向が存在 行為A⇔結果R 間違ったことのせいにしてしまう 私たちは失敗の責任をどこに 求めるのか? 「責任追求」の心理は複雑で未だ明確になっていない 責任を帰らせれる事柄と結果の間には、何らかの知覚され た因果的関係が存在していなければならない 知覚された→因果的関係は実際に存在している必要はない。 それが存在していると考えるだけで良い。 間違ったことのせいにしてしまう どこに責任があるかを考えるとき・・・ 判断すべき対象に対してほとんど情報をもっていない。 持っている数少ない情報が誤っているかもしれない。 何かの責任であるとか何かのおかげであるということは、 ほとんど現実がどうであるかとは無関係に判断される。 →そのため、日頃よく使う一見単純な道具が問題を引き起こす。 間違ったことのせいにしてしまう どこに責任があるかを考えるとき・・・ 日常の事物に関する失敗に際して自分自身を責める。 人は自分に問題があればその原因を環境に求め、 他人に問題があればその人の性格に原因を求める。 間違ったことのせいにしてしまう 学習された無力感 ある作業でしばしば数え切れないほどの失敗の経験を繰り返 すような状況 自分では出来ないものと思い込み、無力感を持つ →試みることをやめる 間違ったことのせいにしてしまう 教えられた無力感 確実に「学習された無力感」を生み出すために作られているか のように見える現象 ex.) 数学の授業 新しい単元に入るとき、それまでに学んだことの全てを学生 が理解していることを前提にしている。 一つ一つは簡単であっても一度後落したら追いつくのは困 難。
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