第10課 省略 がた・い 【難い】 (接尾) 〔形容詞「かたい(難)」の接尾語化。 形容詞型活用([文]ク がた・し)〕動 詞の連用形に付いて、その動作の実現が むずかしいことを表す。容易に…できな い。…しにくい。 「動かし―・い事実」「筆舌に尽くし― ・い」 どっと (副) (1)人や物などが急に多く押し寄せるさま。 「人が―押し寄せる」 (2)大勢が一度に声をあげるさま。 「みんなが―笑う」 (3)病気が急に重くなり、床につくさま。 「―床につく」 ――しない あまり感心できない。ぞっとしない。 「気心も解らぬ者を無暗に貰ふのは余り ドットしませぬから/浮雲(四迷)」 きまず・い ―まづい 【気まずい】 (形)[文]ク きまづ・し 相手と心が通いあわずに、落ち着かない。 打ち解けず、気づまりである。 「二人の間に―・い沈黙が続いた」 [派生] ――さ(名) 当たらずといえども遠からず (あたらずといえどもとおからず) 諺 正しく的中はしていないが、たいした間 違いがなく、ほぼ当たっている。 ぎゅうじ・る ぎうじる 【牛耳る】 (動ラ五) 〔「牛耳を執(と)る」の「牛耳」を動詞化 した語〕団体・集団などの運営を自分の 意のままに支配する。 「党の活動を―・る」 [可能] ぎゅうじれる いずれ いづ― 【何れ/孰れ】 (代) 不定称の指示代名詞。二つあるいはそれ以上あ る物、場所、時などの中から一つを選ぶときに 使う語。どれ。どちら。どっち。 「―が勝つか」「―へ行こうとも捜し出す」 (副) どんな成り行きになるとしても。どっちみち。 どうせ。 「―わかることだ」 そう遠くない将来において。そのうちに。 「―またお目にかかりましょう」 ――菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた) 〔アヤメもカキツバタも同科の花〕どれも美しくて優劣をつけがた い。選択に迷う。 ――劣らぬ どれもみな優れていて、互いにひけをとらない。 「―美人ぞろい」 ――ともなく どこへともなく。どこかへ。 「―立ち去る」 ――にしても どの方法を選ぶにしても。いずれにせよ。 ――にせよ どちらにしても。いずれにしても。 おかんむり 【御冠】 〔「冠を曲げる」からという〕機嫌が悪 いこと。 「社長は朝から―だ」 かんむり 【冠】 〔「かうぶり」の転〕 (1)地位・階級などを表すため頭にかぶるもの。 また、特に平安時代以後行われた、礼服着用時 のかぶりもの。額・巾子(こじ)・簪(かんざし)・ 纓(えい)などから成る。束帯・衣冠の際、直衣 (のうし)で参朝する際に着用した。壮年では厚 額(あつびたい)、若年では薄額、五位以上は有 文(うもん)の羅、六位以下は無文の縵(かとり)で 仕立てるなど、身分・年齢、文官・武官の別な どにより形状・素材などを異にした。かぶり。 かむり。かんぶり。かがふり。 (2)漢字の構成部分の名称。「宇」の「宀 (=ウかんむり)」、「花」の「(=草 かんむり)」など、字の上部にかぶせる もの。かしら。 →おかんむり 催し物・スポーツ大会などの名称に、主 催者・協賛者などの名や商品名などを冠 したものである意を表す。 「―コンサート」「―大会」 ――旧(ふる)けれど沓(くつ)にははかず 〔韓非子(外儲説)〕上下、貴賤(きせん)の別はきまっ ていて、乱すことができないというたとえ。履(くつ)新 しけれど冠にあげず。 ――を挂(か)・く ⇒挂冠(けいかん) ――を弾(はじ)・く 〔「楚辞(漁父)」より。冠のちりをはらって清潔にす ることから〕仕官・出仕の用意をする。 ――を曲(ま)・げる 機嫌を悪くする。意固地になる。つむじをまげる。 →おかんむり ばったり (副) (1)ものが落ちたり倒れたりするさま。 「―(と)倒れた」 (2)偶然出会うさま。 「街角で―(と)出会った」 急にとだえるさま。 「客足が―(と)止まった」 このみ 【好み】 好むこと。嗜好(しこう)。 「人によって―がちがう」「―にあう」 注文。希望。 「お―どおりにします」 (3)歌舞伎で、衣装などの意匠を俳優の自 由裁量に任せること。 あうん 【阿吽/阿】 〔梵 a-h の音訳。「阿」は悉曇(しつたん)字母の 最初の音で開口音、「吽」は最後の音で閉口音〕 (1)密教で、宇宙の初めと究極。万物の根元と、 宇宙が最終的に具現する智徳。悟りを求める菩 提心と、到達する涅槃(ねはん)。 (2)寺院の山門の左右にある仁王や狛犬(こまいぬ) の相。一方は口を開き、一方は口を閉じる。 (3)吐く息と吸う息。呼吸。阿吽の呼吸。 (4)対立する二つのもの。 たまたま 【偶/偶偶/適】 (副) (1)偶然。ちょうどその時。 「―来合わせていた」「―目撃者となる」 まれに。時おり。 「―しか会えぬ」「―の逢瀬」 いきなり 〔「行き成り」の意〕 (副) 何の前ぶれもなく、突然。ゆきなり。 「―泣き出す」「―聞かれても答えられない」 きちんとした過程を経ずに。直接。じかに。 「―清書する」 (名・形動) なりゆきまかせである・こと(さま)。 「―な生活が追想(おもいだ)された/黴(秋声)」 まんま 【儘】 〔「まま(儘)」の撥音添加〕まま。 「使った―で片付けようともしない」 はしょ・る 【端折る】 (動ラ五[四]) 〔「はしおる」の転〕 着物の裾をからげて端を帯などにはさむ。 「裾を―・ってかけ出す」 省いて短く縮める。 「話を―・る」 [可能] はしょれる スマート [smart] (形動) からだつきがほっそりしていて格好がよ いさま。 「―な体型」 手際がよく、しゃれているさま。 「やることが―だ」「―な服装」 [派生] ――さ(名)
© Copyright 2024 ExpyDoc