VLBIによる飛翔体(「のぞみ」) の位置推定:進捗報告

VLBIによる飛翔体(「のぞみ」)
の位置推定:進捗報告
関戸衛、市川隆一、近藤哲朗、小山泰弘、
大崎裕生(通信総合研究所)
「のぞみ」相対VLBI研究グループ
(宇宙研、天文台、岐阜大、山口大、北大、
NASDA)
VLBIのSpace Navigation応用

必要性
• 惑星探査機のナビゲーションの高精度化
• R&RRがとれないとき(のぞみ)
• NASA/JPL は1980年代~
• R&RRは視線方向に高感度
• VLBIは視線と垂直な面に感度がある。

方法?
• R&RR+ Delay,Rate:軌道要素の推定
• Delay,Rate:~(a,d)位置天文VLBI観測
「のぞみ」の
軌道予定
1月 2月 3月 4月 5月
1月6日に34mで受信した
時に比較し、3月には自
由空間損失で10dBダウ
ンするだろう。
飛翔体の位置天文VLBI解析

なにが普通と異なる?
• 電波源までの距離が有限~有限VLBIモデル
• 電波源位置が時々刻々変化する
• CALC/SOLVEがそのまま使えない

やるべきこと
• 有限距離の予測値、偏微係数の計算
• 最小二乗法解析ソフト開発
通常のVLBI
有限距離のVLBI
S
RX0
RX0
B
X
B  X-Y
BS

c
K
Y
BK

c
B
X
Y
R 0X  R 0Y
K
R0 X  R0Y
(Fukuhisma 1993 A&A)
有限距離のVLBIモデルの導出


IERS Conventions のConsensus Model 相当を
作る
Hellings(1986)のやり方に従って
• 太陽系重心座標系(時間、長さ)での遅延時間を計算
• 太陽系重心座標系(時間、長さ)とジオイド上での時間、
長さの関係(座標変換)を求める。
• ジオイド上での基線長と遅延時間の関係を求める。
• 。。。(式は省略)
有限距離のVLBI解析ソフト開発

CALC Ver.9 を改修
• Mk-IIIDBから切り離し、コマンドラインからス
ケジュールファイルを入力して高精度な遅延、
偏微係数を出力する。
• 有限距離のVLBIモデルを組み込み

最小二乗解析ソフト
• 多基線、フラッギング,束縛条件
• 推定パラメータ:クロック、大気、水蒸気、大気
勾配、電離層、天体位置
飛翔体の試験観測




日時:2002/10/21、22日、17:00-20:00UT
観測局:鹿島34m、臼田64m、鹿島11m、小
金井11m、岐阜11m、山口32m、(水沢10m、
北大11m)
観測:IP-VLBIボードで「のぞみ」とクエーサ
観測量:テレメトリー変調信号を使った群遅延
2002/10/21と2002/10/22の
Preliminaryな推定結果
残差(O-C)
大気伝播遅延の効果
電離層伝播遅延
8 Hours Observation
24 Hours Observation
2000
600
Error (mas)
400
300
200
100
0
1000
500
KC
T
KC
AM
RG
UY
O
O
RG
UY
AM
A
RG
UY
O
K
RG
UY
O
O
KC
T
OR
GU
Y
OR
GU
Y
AM
M
KC
M
K
OR
GU
Y
OR
GU
Y
OR
GU
Y
M
0
3 Hours Observation
(一様にerr=10ns
を仮定して)
2000
1500
1000
K
A
RG
UY
CK
O
RG
UY
CK
O
RG
UY
KM
O
C
RG
UY
O
M
RG
UY
O
O
RG
UY
K
0
RG
UY
M
G
500
O
H
共分散解析
2500
Error (mas)
Right Asection
Declination
1500
RG
UY
Error (mas)
500
A
Y U
VERA
O
C
まとめ



「のぞみ」の位置がようやく推定できるよう
になった。
2003/1/7、9、10日と急遽VLBI観測をお
こなった。「のぞみ」のR&RR取得がいよい
よ、この1週間以降できなくなるらしい。
この数ヶ月間、 「のぞみ」を救うべく鋭意努
力していきたい。皆様のご協力をよろしくお
願い致します。