関東ー近畿間定期航路新設によるモーダルシフトの可能性に関する研究

関東~近畿間定期航路新設による
モーダルシフトの可能性に関する研究
流通情報工学課程
2001731 鈴木 崇容
はじめに
•
•
•
•
•
•
研究背景
現状の問題について
研究目的
分析過程
分析結果
結論
研究背景
労
働
者
人
口
の
減
少
環
境
問
題
1つの方法
として…
交
通
渋
滞
…etc
モ
ー
ダ
ル
シ
フ
ト
の
推
進
モーダルシフト
するはず…が
変荷 ラ モ
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で海 主 フ
あ運 流 ト
る・ を と
。鉄 環 は
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状
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推
進
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徐モ
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る 上ト
輸 あ化
送 る率
量 鉄と
の 道は
割 ・、
輸
合 海送
を 運距
い に離
うよ
。
km
社
会
問
題
の
深
刻
化
現状の問題について
貨物輸送量の多さ = 近距離>中距離>長距離
全国の貨物のうち約6割は、同一県内輸送。
しかし…
長距離帯の研究が多い
長距離の海運分担は高い
近・中距離を対象に研究を
進めるべき!長距離よりも
輸送量が多くて効果も高い
からである。
全国の地域別発着輸送量ランク
発地 着地
輸送量
千トン/3日
間450
1位
発着輸送量 TOP20
400
350
航路なし
~
300
250
10位
200
150
100
~
50
発着地域間
20位
関東 中部
中部 関東
中国 近畿
中部 近畿
関東 東北
東北 関東
近畿 中部
近畿 関東
九州 中国
中国 九州
関東 近畿
関東 中国
近畿 中国
中国 四国
中国 関東
九州 近畿
四国 近畿
関東 北海道
中国 中部
九州 関東
研究目的
• 長距離帯のモーダルシフトの研究が多い
• 貨物輸送量は、近距離>中距離>長距離の順に多い
• 関東近畿間の定期船航路の欠如
中距離帯である関東近畿間の航
路新設による海運へのモーダル
シフトの可能性を検討する
分析過程
分析するにあたって・・・
•港湾と航路の設定
•輸送経路の設定
•新設航路における輸送時間と輸送料金の設定
港湾・航路の設定理由
• 関東・近畿の特定重要港湾
• 港湾から高速道路へのアクセス現状
• 各都府県庁から港湾までのアクセス現状
大洗
東京
横浜
神戸
大阪
和歌山下津
木更津
新設航路における輸送経路
関
東
東
京
都
庁
千
葉
県
庁
神
奈
川
県
庁
木更津港
新
茨城県庁
以外6庁
近
畿
設
和歌山県
以外5庁
茨
城
県
庁
大洗港
航
京
都
府
庁
滋
賀
県
庁
路
和歌山
下津港
神戸港
大
阪
府
庁
東
京
都
庁
横浜港
東京港
大阪港
神
奈
川
県
庁
千
葉
県
庁
兵
庫
県
庁
和
歌
山
県
庁
大
阪
府
庁
新規航路の時間と料金設定
総計時間 = 海上輸送時間 + 末端陸上輸送時間
– 海上輸送時間(h) = 海上輸送距離(km) / 船速(km/h)
(船速・・・1ノット=1.8km/hと計算)
本研究はTSLの船速50ノットを使って設定
– 末端陸上輸送時間は道路時刻表から調査
料金合計 = 海上輸送料金 + 末端陸上輸送料金
– 海上輸送料金はフェリー旅客運賃表の中距離以上の
航路料金から回帰曲線で算出
– 末端陸上輸送料金は貨物料金表から調査
(注)料金はすべて1トンあたり料金
分析方法
犠牲量モデル
犠牲量モデルは、交通機関別交通量を推定する際
に用いられるモデルで利用者は、損失(犠牲量)が
最小になる交通機関を選択すると仮定するもので
ある。
また貨物は、種類によって時間的価値が変わってく
るものである。その時間価値分布による犠牲量モ
デルで検討を行う。
分析結果
単位:トン/三日間
新
設
12
航
路
鉄道
トラック
海運
航空
東京大阪航路
東京下津航路
東京神戸航路
大洗大阪航路
大洗下津航路
大洗神戸航路
横浜大阪航路
横浜下津航路
横浜神戸航路
木更津大阪航路
木更津下津航路
木更津神戸航路
新規航路合計
総量合計
関東近畿間
全国
総量の差/Σzw 総量の差/Σzw
-4.53%
-0.10%
-37.21%
-0.81%
-0.97%
-0.02%
-0.03%
0.00%
13.44%
0.29%
0.33%
0.01%
4.25%
0.09%
3.21%
0.07%
0.13%
0.00%
0.87%
0.02%
4.37%
0.09%
0.39%
0.01%
3.02%
0.07%
7.05%
0.15%
0.73%
0.02%
4.93%
0.11%
42.73%
0.93%
230,523
10,608,131
貨物の品類分担率
全国
品類
農水産品
鉱産品
関東~近畿間
品類ごと
品類全体 品類ごと
品類全体
の比
比
の比
比
0.44%
0.02%
37.21%
0.70%
0.00%
0.00%
13.10%
0.02%
金属機械工
業品
0.99%
0.19%
18.38%
8.92%
化学工業品
0.27%
0.07%
13.43%
2.99%
軽工業品
0.92%
0.11%
29.45%
5.03%
雑工業品
1.64%
0.08%
37.21%
3.64%
特殊品
0.02%
0.00%
21.79%
0.05%
新設航路全体の発流動量
発流動量割合
2%
20%
3%
2%
1%
5%
4%
10%
6%
近畿発の
4%
流動量が
全体の69%
を占める!
5%
38%
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
感度分析の比較
新設航路
海上輸送時間とトラックコストの感度分析
流動量(千トン)
160
トラック輸送コスト
140
コスト
1.0倍
コスト
1.2倍
コスト
1.5倍
コスト
1.8倍
120
100
80
60
40
TSL輸送時間
20
高速フェリー
0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
新設航路輸送時間比率
3.0
結論
モーダルシフトの可能性
• 新設航路の中の7つの航路でモーダルシフトの可能性が
あるということがわかった。
• 関東近畿間という対象地域内でトラック分担率を約37%、
全国で約0.8%を削減できることがわかった。
• ある程度まで船の速度(海上輸送時間)を速くしなければ、
モーダルシフトの大きな効果が得られる状況にはならない
ことがわかった。
可能性のある航路
大洗
東京
横浜
木更津
神戸
大阪
5千㌧未満
5千~1万㌧未満
1万~2万㌧未満
2万㌧以上
完
各圏内トラック割合
発\着
北 海
道
北海道
東北
関東
北陸
中部
近畿
中国
四国
九州
18.37
%
17.79
%
6.69%
30.99
%
68.00
%
25.76
%
78.81
%
35.26
%
24.84%
62.35
%
95.73
%
89.27
%
61.64
%
65.88
%
18.19
%
42.81
%
60.54%
87.24
%
66.48
%
73.00
%
22.55
%
61.99
%
70.29
%
58.83%
96.45
%
97.86
%
95.35
%
96.72
%
76.60
%
92.71%
87.20
%
74.47
%
48.84
%
52.88
%
80.45%
63.42
%
58.64
%
57.24
%
72.97%
23.77
%
47.96
%
38.76%
15.85
%
31.23%
東北
22.55
%
関東
18.62
%
61.69
%
北陸
85.01
%
84.12
%
89.40
%
中部
32.10
%
68.77
%
83.60
%
95.64
%
近畿
32.72
%
68.76
%
69.32
%
94.85
%
89.25
%
中国
27.58
%
10.95
%
34.33
%
13.41
%
46.02
%
44.79
%
四国
68.46
%
88.02
%
36.02
%
42.61
%
24.89
%
41.61
%
27.02
%
九州
16.39
%
53.22
%
41.35
%
24.83
%
22.83
%
33.22
%
36.05
%
22.78
%
合計
24.96
%
55.55
%
63.78
%
74.31
%
65.89
%
62.81
%
42.68
%
38.35
%
合
計
33.30%
47.87
%
57.81%
時間価値分布
0.015
農水産品
鉱産品
金属機械工業品
化学工業品
軽工業品
雑工業品
特殊品
0.013
0.011
確率密度
0.009
0.007
0.005
0.003
0.001
0.000001 0.00001
0.0001
0.001
0.01
0.1
1
-0.001
時間価値(円/時・トン)
10
100
1000
10000
距離帯の流動量割合
距離帯
100km
未満
鉄道
9,967
海運
0.2%
154,486
合計重量
(千トン)
自動車
3.1%
4,823,937
96.8%
4,988,389
近距離
5,556,519
100km~
300km
9,081
1.6%
112,377
19.8
%
446,671
78.7%
568,130
300km~
500㎞
5,063
1.9%
106,055
39.8
%
155,351
58.3%
266,469
中距離
長距離
距離帯合計
(千トン)
439,770
500km~
750km
4,506
2.6%
72,439
41.8
%
96,355
55.6%
173,300
750km~
1000㎞
4,128
4.0%
64,713
62.7
%
34,369
33.3%
103,211
1000km
以上
7,298
73.5
%
23,895
6.2%
86,518
220,922
20.3%
117,712
過去の研究について
全部で26件うち17件
輸送機関 対象輸送
海運
12
鉄道
1
トラック
1
すべて
6
距離帯別 距離帯
近距離
1
中距離
4
長距離
6
すべて
8
対象
具体性
地域
5
品類
3
すべて
9
割合
70.6%
5.9%
5.9%
35.3%
割合
5.9%
23.5%
35.3%
47.1%
割合
29.4%
17.6%
52.9%
検討項目
時間
コスト
距離
ヒアリング
ダイヤ
利用規制
航路検討
その他
検討内容
7
10
4
1
1
2
1
3
割合
41.2%
58.8%
23.5%
5.9%
5.9%
11.8%
5.9%
17.6%
高速道路アクセス
和歌山下津
日高
神戸
尼崎西宮
阪南
堺泉北
大阪
常陸那珂
高速接続
距離(㎞)
鹿島
日立
接続時間
(分)
大洗
横須賀
川崎
横浜
木更津
千葉
東京
0
20
40
60
80
距離帯輸送現状
定期船航路の現状
関東~近畿間に航路を
新設してモーダルシフト
の可能性を検討する
過去の研究
地域間発着流動量ランク
モーダルシフト化率
60%
50%
40%
30%
20%
10%
12
10
8
6
4
平成2
63
61
59
57
55
53
昭和51
0%