ΔS / ΔV

課題 1
P. 188
解答
ΔvapS = ΔvapH / T
解答
T = ΔvapH / ΔvapS
より、
= 510.4×103 / 124.7
= 4,093.0 [K] = 3,820 [℃]
この値は、測定で決めた値と比較して、よく一致している
解答 (例1)
スケートリンクの氷の温度を-5℃と仮定する。この温度で氷が溶けるために必要な圧
力を求める。例題6.4 (P171)と同様に、式(6.10) Δp = ΔT×ΔS / ΔV において、
ΔT = -5 [K] , ΔS = 22.04 [J mol-1 K-1]
ΔV = -1.63 [mL mol-1] = -1.63×10-6 [m3 mol-1] より、
Δp = (-5) ×22.04/ (-1.63×10-6) = 676.0×105 [Pa] = 667.3 [atm]
よって、必要な圧力は 667 + 1 = 668 [atm]
スケーターの体重が40 [kg], スケートの刃と氷の接触面積を
3 [mm]×20 [cm] = 60×10-3×10-2 = 6×10-4 [m2] とすると、
氷にかかる圧力は
40×9.8 / (6×10-4)= 6.5×105 [Pa] = 6.4 [atm]
したがって、この試算では氷は融けない。
しかし、氷の温度が極めて0℃に近い、スケートの刃の接地面積がずっと小さい、
体重が著しく重い場合には氷が融ける可能性があるが、事実上は困難である。
解答
ほかの固体の場合
一般的な固体の場合、密度は液体よりも固体の方が大きいので、
固体から液体への相変化では、 ΔV = Vl – Vs > 0 である。
固体の融点 Tm より低い温度 T ( Tm > T)での相変化を考える場合、
クラペイロンの式 (6.10) は以下のようになる。
Δp = (T – Tm)×ΔS / ΔV
ここで、一般に
ΔS = Sl – Ss > 0 である。
よってTm > Tの範囲では、T-Tm < 0 となり、常に Δp < 0 となる。
このことから、融点以下の固体が融解するためには大気圧よりも低圧が必要となる。
つまり、一般の固体では、圧力をかけて融解させることはできない。
(解答)
式(6.10) Δp / ΔT = ΔS / ΔV より、 Δp = ΔT ×ΔS / ΔV
ここで、 ΔT = 100 - 95.5 = 4.5 (K)、
ΔS = 1.00 (J mol-1 K-1)
また、 V = M (モル質量 [kg mol-1])/ d (密度 [kg m-3])より、
斜方晶、単斜晶いずれも分子式は S8 , S = 32.07 であるから、
6
M = 32.07×10-3×8 = 0.25656 [kg mol-1]
ここで、1 [g cm-3] = 10-3 [kg g-1]×(102 [cm m-1])3 = 103 [kg m-3])より、
密度はそれぞれ、 d斜方晶 2.07×103 [kg m-3]
d単斜晶 1.96×103 [kg m-3] となり、
ΔV = M×(1 / d単斜晶-1 / d斜方晶) = 0.2566 ×( 1/1.96 - 1 / 2.07)×10-3
= 6.957×10-6 [m3 mol-1]
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従って、Δp = 4.5×1.00 / (6.957×10-6 )= 6.468×105 [Pa] = 6.384 [atm]
必要な圧力は 1 + 6.4 = 7.4 [atm]
式(6.12) Δp = (ΔH / ΔV )×ln (Tf / Ti) を用いて解答せよ。
解答 (例2)
スケートリンクの氷の温度を-5℃と仮定する。この温度で氷が溶けるために必要な圧
力を求める。式(6.12) Δp = (ΔH / ΔV )×ln (Tf / Ti) において、
ΔfusH = 6.009×103 [J mol-1]
(表6.2, P167)、
ΔV = -1.63 [mL mol-1] = -1.63×10-6 [m3 mol-1]
(例題6.4, P171)
Ti = 0 + 273.2 = 273.2 [K], Tf = -5 + 273.2 = 268.2 [K] より、
従って、Δp = (6.009×103) / (-1.63×10-6)×ln(268.2/273.2)
= 680.9×105 [Pa]
必要な圧力は (1.0 + 680.9)×105 [Pa] = 681.9×105 [Pa] = 673 [atm]
スケーターの体重が80 [kg], スケートの刃と氷の接触面積を
1 [mm]×30 [cm] = (1×10-3 )×(30×10-2)= 3×10-4 [m2] とすると、
氷にかかる圧力は
80×9.8 / (3×10-4)= 26.1×105 [Pa] = 25.7 [atm]
よって、この試算では氷は融けない。
解答
ほかの固体の場合
一般的な固体の場合、密度は液体よりも固体の方が大きいので、
固体から液体への相変化では、 ΔV = Vl – Vs > 0 である。
固体の融点 Tm より低い温度 T ( Tm > T)での相変化を考える場合、
クラペイロン式の近似式 (6.12) は以下のようになる。
Δp = (ΔfusH / ΔV )×ln (T / Tm)
ここで、一般に
ΔfusH > 0 である。
よってTm > Tの範囲では、ln (T / Tm) < 0 となり、常に Δp < 0 となる。
このことから、融点以下の固体が融解するためには大気圧よりも低圧が必要となる。
つまり、一般の固体では、圧力をかけて融解させることはできない。
スケートはなぜすべるのでしょうか?
最初は1901年イギリスのレイノルドが「圧力融解説」を発表しました。これは
スケートのエッジに体重を乗せることで、大きな圧力がかかって氷が水になり、
その水のためよくすべるというものです。
その後、イギリスのバウデンが、氷が溶けるのは摩擦によって生じる熱のため
という「摩擦融解説」を発表、いまではこれが定説になっています。
もう少しわかりやすく説明すると、氷は0度以上になると水に変わるので,ブ
レードで氷を強く押し、そして滑る摩擦熱で溶け始めるのです。
スケートはすべるだけでなく止まったり色々な動作をするので、ブレードにはす
べりやすい条件と抵抗を大きくする条件が必要になってきます。そのためにブ
レードは、幅が狭く、前後に長くなっています。だから、すべるときには片方の
ブレードを前進する方向に向け、ほかの足のブレードを直角に近い上体で、
エッジの全面で押してすべります。またエッジは氷の中にある程度食い込むた
め、スケートの左右のぶれを防ぎ、前後に長ければ長いほど、氷の面が多少
でこぼこでも乗り越えることも出来るわけです。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Rodos/4096/syumi.html
スケートはなぜ滑るのか?
スケートがなぜ滑るのかは100年間多くの科学者により議論されてきた
が、まだ完全には解明されていません。融けた水の潤滑説では、スケート
の圧力で氷が融ける説と、スケートの摩擦熱で氷が融ける説があるが、
融けた水が潤滑材として作用していると考えています。氷の固体潤滑説
では、氷の硬さと接触する鉄部の付着強さの比であらわされる小さな摩擦
係数であると考えています。まだまだ、これから研究されると思います。
http://www.daidan.co.jp/daidan_tech/establish/est_6.html