データ分析入門(11) 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 1 本章の概要 2つの母集団の性質(平均値)の違いを標本 のデータから統計的に判断する方法を紹介 する 例題:ビッグクラス.jmp 数学的な話は統計解析などの上位講座で 理屈は難しいけれど、イメージをしっかりつかんでほしい JMP INによる解析手順の紹介 JMP INによる解析の進め方 グラフの見方,出力された数値の解釈 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 2/52 記号のまとめ 未知の世界:(ギリシャ文字) 現実の世界(アルファベット) 標本1 母平均: 1 母集団1 母分散: 標本平均: x1 2 1 標本分散: s12 (V1 ) 測定された男子生徒の身長 男子生徒の身長 標本2 母平均: 2 母集団2 標本平均: x2 母分散: 22 標本分散: s22 (V2 ) 女子生徒の身長 測定された女子生徒の身長 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 3/52 1.平均値の差の検定 1.1 平均値の差の検定とは 1.2 平均値の差の検定における仮説 1.3 t分布とt検定 1.4 棄却域の設定 1.5 両側検定と片側検定 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 4/52 1.1 平均値の差の検定とは(1) 量的データ(間隔・比例尺度)の2つの標本 集団の平均値の差から,背後の母集団の平均値 に差があるかどうかを検定する 何回か取った標本の平均値は同じではない(標本誤差) 標本の平均には,標本誤差が加わるのでリスクが生じる 母集団では A>B 標本では B<A かも 標本誤差を考慮にいれて,標本の値から妥当な判断を行う 母平均の差が小さければ,有意な差が出にくいだろうが, 母平均の差そのものは分からない 標本平均、標本平均の差の分布が分かれば 評価できる 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 5/52 1.1 平均値の差の検定とは(2) 大きい 比= 平均値の差 有意差あり t分布により評価する 差のばらつき 小さい 有意差なし 図 平均値の差の有意性の考え方 2 組の観測値を 比較する と き は, 単に平均値の差だけを みる のではな く , 差がばら つき に比べて 大き いかど う かを みる . こ れを 図示する と , 上図の よ う にな る . こ の記述は文学的であ り , 次の2 点を 明確にする 必要があ る . ( a) ばら つき の定量的評価法 ( b) 比が大き いか小さ いかを 判断する た めの限界値 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 6/52 1.1 平均値の差の検定とは(3) 命題を立てる ビッグクラス.jmpの例 標本は母集団を代表したものか? 男子生徒の平均値:x1 63.90 イ ンチ 女子生徒の平均値:x1 60.89 イ ンチ 仮説の設定 帰無仮説 対立仮説 有意水準αを設定 その差3インチは,母集団にとって 本当に意味があるか? 検定を実行 α>p値 帰無仮説を 棄却 α<p値 帰無仮説を 棄却できない 偶然のなせる技? 標本数、分析方法の見直し 結論 命題は正しい 命題は 正しくない 再調査 違いの判る,誰もが納得するか? 統計の神様に聞いてみよう 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 7/52 1.2 平均値の差の検定における仮説 命題を決めれば,仮説を立てる 統計的仮説 帰無仮説Ho 2つの母集団の平均値に差がない 男子生徒と女子生徒の身長に差がない 対立仮説H1 1 2 0 2つの母集団の平均値に差がある 男子生徒と女子生徒の身長に差がある 1 2 0 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 8/52 1.3 t分布とt検定(1) 対立仮説H1 帰無仮説Ho 標本平均の違いは、 標本誤差ともっと重要な 母平均値の違いによるものである 男子生徒の標本 標本1 標本数n1 平均値 x1 母集団1 平均値μ1 標準偏差σ 男子生徒の集団 標本平均値の違いは、 標本誤差によるものである 女子生徒の標本 男子生徒の標本 標本2 標本1 標本数n2 標本数n1 平均値 x2 平均値 x1 母集団2 平均値μ2 標準偏差σ 女子生徒の集団 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 女子生徒の標本 標本2 標本数n2 平均値x2 母集団 平均値μ 標準偏差σ 生徒の集団 9/52 1.3 t分布とt検定(2) 2つの平均値の差の検定に持ちこむための前提条件 正規性 どちらの母集団も正規分布にしたがっている(ゆるい制約) 男子生徒の身長も女子生徒の身長も正規分布にしたがっ ていると考えられる 等分散性(大標本:n1+n2>30なら無制約) 2つの母集団の分散は等しい(ややきつい制約) 男子生徒の身長と女子生徒の身長の分散は等しいと考え られる 独立性 標本に選ばれるチャンスは互いに無関係 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 10/52 1.3 t分布とt検定(3) 母集団は正規分布 平均:μ 分散:σ2 標準化 母集団は正規分布 平均:0 分散:1 標本抽出 帰無仮説のもと 誤差の修正 正規分布でない!! 母平均,母分散は未知 標本分散に誤差が加わる 標本平均の ばらつき分布 t分布 平均:0 分散:1 (標本数が大きいほうが正確) 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 11/52 1.3 t分布とt検定(4) 同じ母集団から 2つの標本を抽出して 平均値の差を計算 何度も繰り返した 平均0、分散1 に標準化 出現率の 計算が理論的に できる t分布: 正規分布によ く似た分布 平均値の差の 標本ばらつきを 表す分布 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 12/52 1.3 t分布とt検定(5) 自由度f(tの自由度) 4 危険率αの入力(両側) 上側確率 0.1 t0 の値 両側 片側 2.131846 1.533206 f(t) t 分布の上側確率 1 0.95 0.9 0.85 0.8 0.75 0.7 0.65 0.6 0.55 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0 t分布,正規分布の確率密度,t分布関数 1 0.025 t分布 両側 片側 α t 0.9 標準正規分布 0.02 0.8 t-分布関数 0.7 0.6 0.015 0.5 0.4 0.01 0.3 0.2 0.005 0.1 0 0 0 2 4 6 8t -4 -2 0 2 4 生データ 再生定理 x N , 2 基準化 Z 平均値 x 2 N , n t x N 0,12 基準化 Z 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 x / n 分散未知 N 0,12 t x s/ n t f 13/52 1.3 t分布とt検定(6) 2.5 平均値の差 母平均値の差 2 1.5 1 0.5 0 -0.5 -1 -1.5 -2 -2.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 平均0標準偏差0.5の母集団から,2つの標本(各n=4)を取りだし, それらの標本平均値の差と,95%信頼区間を図にした Excelの乱数を使い100回繰り返した,上の図では2/100回は 母平均が含まれない 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 14/52 1.3 t分布とt検定(7) 4.5 平均値の差 母平均値の差 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 -0.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 今度は,母平均の差を1.7つけて,同様のシミュレーションをした 上の図では6/100回しか母平均が区間内に入らない しかも,順序が逆転したことは1度もない これなら,母平均に違いがあると標本から 判定できるだろう 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 15/52 1.4 棄却域の設定(1) 帰無仮説を棄却する方法 実験なり調査は1回きりである場合が多い 帰無仮説が正しいのに,それを捨てる確率(有意水準)α を決める t分布とαにより,棄却域が決まる,α=0.05が一般的 標本平均値の差から計算したt値が棄却域に入ったら 帰無仮説を棄却する 非棄却域内なら,帰無仮説を棄却できない 標本数,検定方法の見なおし後,再調査 標本数,検定方法の見なおし後,帰無仮説を採択 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 16/52 1.4 棄却域の設定(2) 1 0.5 2 Prob. 0.4 0.3 0.2 1 0.1 2 0 再生定理 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 1 0.5 2 3 4 5 6 x 2 同じ母集団から選ばれた 2つの標本平均値の差の分布 から,全体の95%が含まれる 範囲を帰無仮説の非棄却域 とすると, Prob. 0.4 0.3 1 n1 0.2 5/100回しか起こらない事象 は何かが変であると考える 2 n2 0.1 分散の加法性 0 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 4 5 1 2 0.5 0.4 Prob. 3 x 棄却域 12 2 2 n1 n2 0.3 6 変なのは きっと母集団が 異なるからだ!! 0.2 0.1 0 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 x 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 帰無仮説を棄却 17/52 1.5 両側検定と片側検定 検定の棄却域の設定には2つのやりかたがある 対立仮説の設定による 研究態度と知識量で決まる(調査前に決めておく) 片側検定:対立仮説 μ1>μ2 あるいはμ1<μ2 両側検定:対立仮説 μ1=μ2 母集団の平均値の大小関係は知識的に分かっている 大小関係にしか興味がない 製品の改良でによる旧製品との比較 旧製品より改良品が悪くなるはずがない 成人の男性と女性の身長の差 一般的に男性の方が背が高いことが知られている 母集団の平均値の大小関係は分かっていない(一般的) 片側検定の方が有意になりやすい 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 18/52 2 平均値の差の検定の操作 2.1 (JMP INによる)分析の流れ 帰無仮説,対立仮説を立てる 有意水準αを決める 帰無仮説:生徒の男女の平均身長に差がない:μ1―μ2=0 対立仮説:生徒の男女の平均身長に差がある: μ1―μ2=0 この場合は,両側検定を使う α=0.05とする 男女別の身長の分布をグラフにする Mean Diamondを描画する 平均値の差があるか視覚的に判断(Diamondの重なり具 合) 平均値の差の検定結果を読む 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 19/52 2.2 平均値の差の検定の操作(1) JMPをロードする ビッグクラス.jmpをロードする 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 クリックして 20/52 2.2 平均値の差の検定の操作(2) 1.性別をクリックして 2.x説明変数を選択 6.身長が yに指定される 7.OKを選択 4.身長を クリックして 5.y目的変数を選択 3.S性別がxに 指定される 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 21/52 2.2 平均値の差の検定の操作(3) 1.男女別の身長の分布が表示される 一見すると, 男子生徒の 身長の方が 高そうである 2.ここを クリック 3.ここを クリック 標本全体の平均 男性の身長の ドットプロット 女性の身長の ドットプロット 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 22/52 2.2 平均値の差の検定の操作(4) ’·(ƒCƒ“ƒ`) g «•Ê‚É‚æ‚é g’·(ƒCƒ“ƒ`)‚̈ꌳ”z’u•ª Í 70 男子の身長の平均値 65 標本全体の身長の平均値 60 男子の95%の信頼区間 55 50 F M «•Ê 女子の身長の平均値 男子と女子の95%の信頼区間はほとんど重なっていないから 両者の平均値に差がありそうだ. 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 23/52 2.2 平均値の差の検定の操作(5) 追補参照 クリックして 選択すると箱ひげ図が描画される 平均値の差の検定のグラフを描画する 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 24/52 2.2 平均値の差の検定の操作(6) ’·(ƒCƒ“ƒ`) g 70 65 この角度が90度以下のとき α=0.05で有意差あり 60 55 50 F M «•Ê ƒyƒA‚²‚Æ Student‚ÌtŒŸ’è 0.05 円をクリックして,赤と灰色 の円ができたら,有意差あり 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 25/52 2.2 平均値の差の検定の操作(7) ‚ ‚Ä‚Í‚ß‚Ì—v–ñ R2 æ 0.128657 Ž©—R“x’² ®R2 æ 0.105726 Œë ·‚Ì•W €•Î ·(RMSE) 4.011811 ‰ž“š‚Ì•½‹Ï 62.55 ƒIƒuƒUƒx [ƒVƒ‡ƒ“(‚Ü‚½‚Í d‚Ý‚Ì ‡Œv) 40 tŒŸ’è F-M •ªŽU‚ª“™‚µ‚¢‚Ɖ¼’è · -3.0202 t’l -2.36872 ·‚Ì•W €Œë · 1.2750 Ž©—R“x 38 ·‚Ì ã‘¤ M—ŠŒÀŠE -0.4390 p’l(Prob>|t|) 0.0230 ·‚̉º‘¤ M—ŠŒÀŠE -5.6014 p’l(Prob>t) 0.9885 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 M—Š—¦ p’l(Prob<t) 0.95 0.0115 Še … €‚Ì•½‹Ï … € ” •½‹Ï •W €Œë · ‰º‘¤95% 㑤95% F 18 60.8889 0.94559 58.975 62.803 M 22 63.9091 0.85532 62.178 65.641 •½ ‹Ï ‚Ì •W € Œë · ‚¨ ‚æ ‚Ñ M —Š ‹æ ŠÔ ‚Í A Še ƒO ƒ‹ [ ƒv ‚Ì Œë · •ª ŽU ‚ª ‚· ‚× ‚Ä “™ ‚µ ‚¢ ‚Æ ‰¼ ’è ‚µ ‚½ ‚Æ ‚« ‚Ì ‚à ‚Ì ‚Å ‚· カテゴリの値 分析に使った標本数 各グループの標本平均値 平均値の標準誤差(標準偏差) 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 26/52 2.2 平均値の差の検定の操作(8) 標本平均値の差 t値 P値:α=0.05より小さい:棄却域 帰無仮説は棄却 Prob. ‚ ‚Ä‚Í‚ß‚Ì—v–ñ R2 æ 0.128657 Ž©—R“x’² ®R2 æ 0.105726 Œë ·‚Ì•W €•Î ·(RMSE) 4.011811 ‰ž“š‚Ì•½‹Ï 62.55 ƒIƒuƒUƒx [ƒVƒ‡ƒ“(‚Ü‚½‚Í d‚Ý‚Ì ‡Œv) 40 tŒŸ’è F-M •ªŽU‚ª“™‚µ‚¢‚Ɖ¼’è · -3.0202 t’l -2.36872 ·‚Ì•W €Œë · 1.2750 Ž©—R“x 38 ·‚Ì ã‘¤ M—ŠŒÀŠE -0.4390 p’l(Prob>|t|) 0.0230 ·‚̉º‘¤ M—ŠŒÀŠE -5.6014 p’l(Prob>t) 0.9885 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 M—Š—¦ p’l(Prob<t) 0.95 0.0115 0.45 Še … €‚Ì•½‹Ï 0.4 … € ” •½‹Ï •W €Œë · ‰º‘¤95% 㑤95% 0.35 片側α F 18 60.8889 0.94559 58.975 62.803 0.3 M 22 63.9091 0.85532 62.178 65.641 0.25 •½ ‹Ï ‚Ì •W € Œë · ‚¨ ‚æ ‚Ñ M —Š ‹æ ŠÔ ‚Í A Še ƒO 0.2 ƒ‹ [ ƒv ‚Ì Œë · •ª ŽU ‚ª ‚· ‚× ‚Ä “™ ‚µ ‚¢ ‚Æ ‰¼ ’è 0.15 ‚µ ‚½ ‚Æ ‚« ‚Ì ‚à ‚Ì ‚Å ‚· 0.1 自由度 両側α/2ずつ 0.05 0 -6 -5 -4 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 t 27/52 2.2 平均値の差の検定の操作(9) ‚ ‚Ä‚Í‚ß‚Ì—v–ñ R2 æ 0.128657 Ž©—R“x’² ®R2 æ 0.105726 Œë ·‚Ì•W €•Î ·(RMSE) 4.011811 ‰ž“š‚Ì•½‹Ï 62.55 ƒIƒuƒUƒx [ƒVƒ‡ƒ“(‚Ü‚½‚Í d‚Ý‚Ì ‡Œv) 40 tŒŸ’è F-M •ªŽU‚ª“™‚µ‚¢‚Ɖ¼’è · -3.0202 t’l -2.36872 ·‚Ì•W €Œë · 1.2750 Ž©—R“x 38 ·‚Ì ã‘¤ M—ŠŒÀŠE -0.4390 p’l(Prob>|t|) 0.0230 ·‚̉º‘¤ M—ŠŒÀŠE -5.6014 p’l(Prob>t) 0.9885 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 M—Š—¦ p’l(Prob<t) 0.95 0.0115 Še … €‚Ì•½‹Ï … € ” •½‹Ï •W €Œë · ‰º‘¤95% 㑤95% F 18 60.8889 0.94559 58.975 62.803 M 22 63.9091 0.85532 62.178 65.641 •½ ‹Ï ‚Ì •W € Œë · ‚¨ ‚æ ‚Ñ M —Š ‹æ ŠÔ ‚Í A Še ƒO ƒ‹ [ ƒv ‚Ì Œë · •ª ŽU ‚ª ‚· ‚× ‚Ä “™ ‚µ ‚¢ ‚Æ ‰¼ ’è ‚µ ‚½ ‚Æ ‚« ‚Ì ‚à ‚Ì ‚Å ‚· JMPのt-Testは両側検定 p値=0.0230であるから, 0.0230/2=0.0115 α=0.05だから 片側でも 両側でも 5%有意である 片側検定の場合には, p値を2でわり, その値とαとを比較する 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 28/52 2.2 平均値の差の検定の操作(10) 平均値の差の検定から,両側5%で有意で あるから 1)帰無仮説が棄却,対立仮説が採択された 2)2つの母平均に差があると判断された 3)つまり,男子生徒と女子生徒の身長の母平 均に差があると判断された 言いたい こと 4)男子生徒の身長の代表値の方が女子生徒 の身長の代表値より高いことが分かった (データから判断する) 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 29/52 演習問題 10.0 7.5 5.0 2.5 30 40 50 60 70 80 “x ”Ž² ‘g=ƒRƒ“ƒsƒ… [ƒ^ [ ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z “_ ” 90 ‘g=ƒ [ƒNƒuƒbƒN ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z “_ ” 20 10 5 40 50 60 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 70 “x ”Ž² 15 80 30/52 3.実験における平均値の差の検定 3水準以上,あるいは,多因子の場合は分散分析 法(要因配置実験)がある 3.1 心理実験の例 授業では紹介しませんが良く自習のこと 3.2 被験者のランダム割り当て ランダムな割り当てを行った場合には,統計的検定の 結論は実験をした標本内(被験者)でしか有効ではな い 割り当ての方法が開発されている 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 31/52 心理実験の例 ŒQ—ñ=1 ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z Ä ¶ ” 10 5 0 2 4 6 8 10 “x ”Ž² 15 12 12.5 10.0 7.5 5.0 2.5 0 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 2 4 6 8 10 “x ”Ž² ŒQ—ñ=2 ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z Ä ¶ ” 12 32/52 4. スクリプト機能 心理実験のデータの解析結果 各種のスクリプトの出し方を練習しなさい JMPを終了して、再度スクリプトを実行しな さい 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 33/52 データの揺らぎ、臨床データの揺らぎ 高橋 行雄 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 34/52 復習 1.3 t 分布と t 検定(1) 対立仮説H1 帰無仮説Ho 標本平均の違いは、 標本誤差ともっと重要な 母平均値の違いによるものである 男子生徒の標本 標本1 標本数n1 平均値 x1 母集団1 平均値μ1 標準偏差σ 男子生徒の集団 標本平均値の違いは、 標本誤差によるものである 女子生徒の標本 男子生徒の標本 標本2 標本1 標本数n2 標本数n1 平均値 x2 平均値 x1 母集団2 平均値μ2 標準偏差σ 女子生徒の集団 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 女子生徒の標本 標本2 標本数n2 平均値x2 母集団 平均値μ 標準偏差σ 生徒の集団 35/52 浜田本 p82、表10 での例 200 190 ·•ª tŒŸ’è Ž©—R“xp’l(Prob > |t|) „’è’l 15.200 1.547 8 0.1605 •W €Œë · 9.825 ‰º‘¤95% -7.458 㑤95% 37.858 Še …€ ‚Ì•½‹Ï …€ ” •½‹Ï •W €Œë · ‰º‘¤95% 㑤95% 1:‘Î ÆŒQ 5 177.000 6.9477 160.98 193.02 2:–ò ÜŒQ 5 161.800 6.9477 145.78 177.82 •½ ‹Ï ‚Ì •W € Œë · ‚¨ ‚æ ‚Ñ M —Š ‹æ ŠÔ ‚Í A Še ƒO ƒ‹ [ ƒv ‚Ì Œë · •ª ŽU ‚ª ‚· ‚× ‚Ä “™ ‚µ ‚¢ ‚Æ ‰¼ ’è ‚µ ‚½ ‚Æ ‚« ‚Ì ‚à ‚Ì ‚Å ‚· y:ŒŒˆ³ tŒŸ’è “™•ªŽU‚ð‰¼’è 180 170 160 150 140 1:‘Î ÆŒQ 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 2:–ò ÜŒQ ŒQ ƒyƒA‚²‚Æ Student‚ÌtŒŸ’è 0.05 36/52 データの揺らぎ 何回か実験を繰り返し、 標本平均とSDの変化を体験してみよう 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 37/52 平均値の揺らぎ Y‚Ì d‚Ë ‡‚킹 200 Y 1:‘Î ÆŒQ 150 0 5 10 15 10 15 s ŒQ 200 Y 2:–ò ÜŒQ 150 「平均_母集団」の計算式を表示し、 「適用」をクリック グラフが連動している 揺らぎを実感してみよう 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 0 5 s 38/52 揺らぎの範囲を見切る ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z Y:‘Î ÆŒQ 50 25 “x ”Ž² 75 110 130 150 170 190 210 230 Y:–ò ÜŒQ 40 20 各群 500 例のデータが正規分布に 従うと仮定した。500例のデータの揺らぎの 範囲はどのくらいか。統計の用語で述べよ。 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 “x ”Ž² 60 110 130 150 170 190 210 230 39/52 標本の平均と標本のSD 500例のデータの標本平均も揺らぐ 500例のデータの標本SDも揺らぐ 標本平均の揺らぎはどのくらいか 5 例データの標本平均の揺らぎを見切る 5 例データの SD の揺らぎを見切る 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 40/52 揺らぎの型、その範囲を見切る Group‚É‚æ‚éY:‘Î ÆŒQ‚̈ꌳ”z’u•ª Í 230 220 210 「2変量の関係」を用いて、 100回の実験の 平均値と95%信頼区間を表示せよ。 200 Y:‘Î ÆŒQ 190 180 170 160 150 140 130 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 100 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 61 63 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 Group 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 41/52 5例ごとの平均とSD 40 30 20 10 “x ”Ž² 40 30 20 10 “x ”Ž² ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z Mean(Y:‘Î ÆŒQ) 140 150 160 170 180 190 200 Mean(Y:–ò ÜŒQ) 要約統計量を用いて 500 例のデータを 5 例ごとに100回の平均とSD を算出せよ。 140 150 5 例のデータの平均値の揺らぎの範囲を統計用語で述べよ 5 例のデータの SD の揺らぎの範囲を統計用語で述べよ 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 160 170 180 190 200 42/52 SD の揺らぎ ˆê•Ï—Ê‚Ì•ª•z Std Dev(Y:‘Î ÆŒQ) 40 20 “x ”Ž² 30 ƒ‚ [ƒ ƒ“ƒg •½‹Ï 13.64929 •W €•Î · 4.9589441 •½‹Ï‚Ì•W €Œë · 0.4958944 •½‹Ï‚Ì ã‘¤95% M—ŠŒÀŠE 14.633252 •½‹Ï‚̉º‘¤ 95% M—ŠŒÀŠE 12.665328 N 100 10 5 10 15 20 25 30 25 20 15 10 5 5 10 15 20 25 “x ”Ž² Std Dev(Y:–ò ÜŒQ) ƒ‚ [ƒ ƒ“ƒg •½‹Ï 13.248257 •W €•Î · 4.5520393 •½‹Ï‚Ì•W €Œë · 0.4552039 •½‹Ï‚Ì ã‘¤95% M—ŠŒÀŠE 14.15148 •½‹Ï‚̉º‘¤ 95% M—ŠŒÀŠE 12.345034 N 100 30 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 43/52 再度、浜田本 p82 の結果 200 y:ŒŒˆ³ 190 180 170 160 150 140 tŒŸ’è “™•ªŽU‚ð‰¼’è 1:‘Î ÆŒQ 2:–ò ÜŒQ ŒQ ƒyƒA‚²‚Æ Student‚ÌtŒŸ’è 0.05 ·•ª tŒŸ’è Ž©—R“xp’l(Prob > |t|) „’è’l 15.200 1.547 8 0.1605 •W €Œë · 9.825 ‰º‘¤95% -7.458 㑤95% 37.858 Še …€ ‚Ì•½‹Ï …€ ” •½‹Ï •W €Œë · ‰º‘¤95% 㑤95% 1:‘Î ÆŒQ 5 177.000 6.9477 160.98 193.02 2:–ò ÜŒQ 5 161.800 6.9477 145.78 177.82 •½ ‹Ï ‚Ì •W € Œë · ‚¨ ‚æ ‚Ñ M —Š ‹æ ŠÔ ‚Í A Še ƒO ƒ‹ [ ƒv ‚Ì Œë · •ª ŽU ‚ª ‚· ‚× ‚Ä “™ ‚µ ‚¢ ‚Æ ‰¼ ’è ‚µ ‚½ ‚Æ ‚« ‚Ì ‚à ‚Ì ‚Å ‚· 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 44/52 平均値の差の検定と信頼区間 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 45/52 平均値の差の揺らぎ 「平均とSD」をコピーして、 「2群の差の信頼区間」に張付ける 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 46/52 張付けた結果と信頼区間の表示 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 47/52 重ね合わせプロット 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 48/52 平均値の差も揺らぐ d‚Ë ‡‚킹ƒvƒ ƒbƒg Y‚Ì d‚Ë ‡‚킹 80 70 60 50 40 Y 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 0 Y · L95 10 20 30 40 50 ŽÀŒ±”Ô † 60 70 80 90 100 U95 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 49/52 平均値の差 差の95%信頼区間が 「0」を跨いでいる 有意差検定で「有意差なし」と同じ 100回中、何回が「有意差なし」か? 実験の目的は何か? 統計的に「有意な差」がない実験の意義は何か 統計的に「有意な差」を得るためにどうしたらよいのか 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 50/52 実験例数を増やしてみよう 1 群 5 症例ではなく 10症例ではどうか 1 群 10 症例ではなく 20症例ではどうか 1 群 20 症例ではなく 100症例ではどうか 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 51/52 1群 20例の場合 第11章 平均値の差の検定 廣野元久 &高橋行雄 52/52
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