手順改良

光電子増倍管取り付け手順メモ
と改善策
全体の工程
1)共通作業:光電子増倍管(PMT)搬入、PMT
ケーブル前処理と試験
2)上面中央部分PMT取り付け
3)側面PMT取り付け
4)底面PMT取り付け
5)上面端部PMT取り付け
改善策は赤字にて記載
共通作業:光電子増倍管搬入、光電子増倍
管ケーブル前処理と試験
光電子増倍管搬入(浜松より)
運搬方法:トラック
坑内は上記に加えて、カミオカンデ奥についてはトロッコ、その他はローラーを併用
保管場所:
旧カミオカンデ坑道奥およびカミオカンデ斜坑(1992 - 1993年) (作業:研究者+鉱山作業者)
東4号 (1994 - 1995)
(作業:作業者+研究者)
鉱山倉庫(1995)
(作業:作業者)
改良項目:カミオカンデ奥坑道の保管場所は環境、作業性とも悪かったので、そのような場
所に保管場所を選ぶべきではない。
備考)PMTの箱は上下に分かれており、上側が段ボール、下側がプラスチック段ボールである。坑
内の湿気が高いため、数年におよぶ長期の保管をしたPMTについては保管の際、上側の段ボー
ルを取り去り、ビニール袋をかぶせた。
注)以後「作業者」は特にことわらない限り全て
神岡鉱業エンジニアリングの下請け作業者をさす
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
光電子増倍管ケーブル処理と試験
場所: 東4号
・段ボール製の上蓋(またはビニール袋)を取り去り、ケーブルの先端の外皮を専
用工具を用いてはぐ。
(作業:作業者)
・PMT6個づつ暗箱に入れて高電圧をかけ、信号をオシロスコープで確認する。こ
の際PMTは搬入時のプラスチック製段ボール下箱に入ったまま。
(作業:研究者)
・後の作業のために高電圧ケーブル線をケーブルに巻き付けビニールテープで固
定する。
(作業:研究者)
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
上面中央部分
上面3個モジュール製作
場所:現在のコントロール室と倉庫
・3個組PMTモジュール用取り付け金具組立 (作業:作業者)
・PMTを保管箱から出して発泡ポリエチレン製の取り付け用台に乗せ、アルコール洗浄、PMT
番号確認
(作業:研究者)
改良項目:PMTの洗浄時にPMTの傷、形等の異常がないかを確認、記録する。
・PMT3個に取り付け金具をかぶせて、取り付け用のバンドを締める(この際、取り付け金具は
ポリエチレン製の取り付け台に乗っているので落としてPMTにあたるような心配はほとんどない、
またバンドを締める工具は全てクッションで被いPMTにあたってもPMTが破損しないようにし
た)
(作業:研究者)
改良項目: PMTモジュールに取り付けられたPMTの位置等PMTモジュールに異常
がないか項目を決めて確認、記録する。
・ケーブル処理(洗浄し、3本を束ねる)
(作業:作業者)
・ポリエチレンシートで被い、埃よけと、万が一のPMT破損の際、ガラスの飛散を最小限におさ
える処理をする
(作業:作業者)
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
PMT一時保管
場所: 東4号
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
(水槽内は幅60cm長さ1.8m、赤さ10cm程度の専用台車)
改良項目:PMT一時保管の際、経費が足りないことからPMT保護・
運搬用の発泡ポリエチレンの台が足りず、浜松フォトニクスからの輸
送に使われたPMTの箱を切って仮に使用した。そのため、仮の台か
ら専用台に乗せ換える1工程だけ余分にPMTがむき出しになった。
経費的に許されるなら、PMT保護・運搬用の発泡ポリエチレンの台
は必要数製作すべきである。
上面中央部PMTの水槽への取り付け
場所: 水槽底面
・下向きの3個組のPMTモジュールを支持金具と運搬用PMT保護台ごと取り付け専用
リフトに乗せて、上面架構(高さ約2m)まで3個組PMTモジュールを上げ、架構にボルト
で取り付ける。この際ボルト締めは電動工具を用いて行い、工具が誤ってPMTにあたる
ことがないようにした。
(作業:作業者)
・ケーブルを水槽上面架構上のケーブルトレイに沿って引き回し、ケーブルを水槽上ま
で引き上げる
(作業:作業者+研究者)
・PMT面のところにブラックシートを取り付ける。
(作業:研究者)
・PMTの番号と取り付け位置を記録する。
(作業:研究者)
PMT取り付け作業備考
・外水槽PMTは、内水槽PMTがついた後にまずタイベックシートを取り付けてその後P
MT取り付け。 (アメリカ側担当)
・上面中央部は水槽底面上でPMTを取り付けた後、上面全体を所定の位置までつり上
げた。 (三井造船担当)
側面
側面3個モジュール製作
場所:現在のコントロール室と倉庫
・3個組PMTモジュール用取り付け金具組立 (作業:作業者)
・PMTを保管箱から出して発泡ポリエチレン製の取り付け用台に乗せ、アルコール洗浄、PMT
番号確認
(作業:研究者)
改良項目:PMTの洗浄時にPMTの傷、形等の異常がないかを確認、記録する。
・PMT3個に取り付け金具をかぶせて、取り付け用のバンドを締める(この際、バンドを締める工
具は全てクッションで被いPMTにあたってもPMTが破損しないようにした。 また、側面用金具は
上面、底面用に比べると軽く、万が一PMTにあたった場合等の衝撃は小さいと考えられる)
(作業:研究者)
改良項目: PMTモジュールに取り
付けられたPMTの位置等PMTモジュールに異常
がないか項目を決めて
確認、記録する。
・ケーブル処理(洗浄し、3本を束ねる)
(作業:作業者)
・ポリエチレンシートで被い、埃よけと、万が一のPMT破損の際、ガラスの飛散を最小限におさ
える処理をする
(作業:作業者)
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
PMT一時保管
場所: 東4号、鉱山坑内事務所跡、
鉱山旧工作室
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
(水槽内は幅60cm長さ1.8m、赤さ10cm程度の専用台車)
改良項目:PMT一時保管の際、経費が足りないことからPMT保護・
運搬用の発泡ポリエチレンの台が足りず、浜松フォトニクスからの輸
送に使われたPMTの箱を切って仮に使用した。そのため、仮の台か
ら専用台に乗せ換える1工程だけ余分にPMTがむき出しになった。
経費的に許されるなら、PMT保護・運搬用の発泡ポリエチレンの台
は必要数製作すべきである。
側面PMTの水槽への取り付け
場所: 水槽底面
・3個組PMTモジュールとPMT運搬用保護台を4本のバンドで固定し、側面PMT取り付け専用リ
フトで側面架構(高さ約2.1m、PMT12個が取り付く)まで3個組PMTモジュールの一端をつり上
げ、架構にボルトで取り付ける。この際、作業が終わるまでPMT保護をかねた発泡ポリエチレン
製のPMT取り付け台はPMTモジュールからはずさず安全を確保した。また、ボルト締めは電動工
具を用い工具が誤ってPMTにあたる等の事故を防ぐようにした。 (作業:作業者)
改善項目: 万が一PMTが架構にあたってもPMTに衝撃を与えないよう、PMT取り付
け前に架構に養生をする。
・PMT面のところにブラックシートを取り付ける。
(作業:研究者+作業者)
・PMTの番号と取り付け位置を記録する。
(作業:研究者)
・側面架構造の補強のための横向きの2本のLアングルをボルト締めする
(作業:作業者)
改善項目:万が一の事故に備えて、Lアングル取り付け前
に上下のPMT前面を防爆用
の布で覆う。
・翌日、PMT架構をつり上げ水槽に固定する。
(作業:三井造船作業者)
・ケーブルを水槽上まで引き上げる
(作業:三井造船作業者)
PMT取り付け作業備考
外水槽PMTは、内水槽PMTがついた後に、同じ日の内に、まずタイベックシートを取り付けてそ
の後PMT取り付け。 (アメリカ側担当)
底面
底面3個モジュール製作
場所:現在のコントロール室と倉庫
(一時期、鉱山の旧坑内工作場跡)
・3個組PMTモジュール用取り付け金具組立 (作業:作業者)
・PMTを保管箱から出して発泡ポリエチレン製の取り付け用台に乗せ、アルコール洗浄、PMT
番号確認
(作業:研究者)
改良項目:PMTの洗浄時にPMTの傷、形等の異常がないかを確認、記録する。
・PMT3個に取り付け金具をかぶせて、取り付け用のバンドを締める(この際、取り付け金具は
ポリエチレン製の取り付け台に乗っているので落としてPMTにあたるような心配はほとんどない、
またバンドを締める工具は全てクッションで被いPMTにあたってもPMTが破損しないようにし
た)
(作業:研究者)
改良項目: PMTモジュールに取り付けられたPMTの位置等PMTモジュールに異常
がないか項目を決めて確認、記録する。
・ケーブル処理(洗浄し、3本を束ねる)
(作業:作業者)
・ポリエチレンシートで被い、埃よけと、万が一のPMT破損の際、ガラスの飛散を最小限におさ
える処理をする
(作業:作業者)
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
PMT一時保管
場所: 東4号
運搬:作業者
運搬方法:小型トラック+ローラー
(水槽内は幅60cm長さ1.8m、赤さ10cm程度の専用台車)
改良項目:PMT一時保管の際、経費が足りないことからPMT保護・
運搬用の発泡ポリエチレンの台が足りず、浜松フォトニクスからの輸
送に使われたPMTの箱を切って仮に使用した。そのため、仮の台か
ら専用台に乗せ換える1工程だけ余分にPMTがむき出しになった。
経費的に許されるなら、PMT保護・運搬用の発泡ポリエチレンの台
は必要数製作すべきである。
底面PMTの水槽への取り付け
場所: 水槽底面
・下向きの3個組のPMTモジュールをバンド4本で運搬用PMT保護台と固定し、PMTモジュールを
運搬用PMT保護台ごと上向きにする。
改良項目: ここが危険な作業なので、万が一バンドを止め忘れてもPMT破損がないよう
に床に発泡ポリエチレン等を敷いて、その上でPMTモジュールを回転させる。
・取り付け専用リフトに3個組PMTを乗せて転倒防止の固定をする。
・PMT保護台を取りはずし、厚い布製の防爆用キャップを各PMTにかぶせる。
改良項目: 建設時のものは上からかぶせるだけでPMTの後ろの方にガラスが飛び散ると
完全にはガラスが止まらない構造であったので、すっぽりPMTを覆ってしまうよ
うな(シャワーキャップのようなイメージ)ものに換える。
・取り付け専用リフトで底面架構(高さ約2m)まで3個組PMTモジュールを上げ、架構にボルトで取
り付ける。この際ボルト締めは電動工具を用い工具が誤ってPMTにあたる等の事故を防ぐようにし
た。
(以上の作業:作業者)
・ケーブルを水槽側面までケーブルトレイに沿って引きのばす(作業:作業者+研究者)
・ケーブルを水槽上まで引き上げる
(作業:三井造船作業者)
・PMT面のところにブラックシートを取り付ける。
(作業:研究者+作業者)
・PMTの番号と取り付け位置を記録する。
(作業:研究者)
底面でのPMT取り付け作業備考
外水槽PMTは、内水槽PMTがついた後にまずタイベックシートを取り付けてその後PMT取り付け。
(アメリカ側担当)
上面端部
上面3個モジュール製作: なし。上面端部は本数が限られ、
また端であるのでPMT1本づつ水槽架構に取り付けた。
上面PMTバンド取り付け
場所: 水槽上部
・PMTを保管箱から出して発泡ポリエチレン製の取り付け用台に乗せ、アルコール洗浄、PMT
番号確認
(作業:研究者)
改良項目:PMTの洗浄時にPMTの傷、形等の異常がないかを確認、記録する。
・PMT1個に取り付けバンドをかぶせて、取り付け用のバンドを締める(この際、バンドを締める
工具は全てクッションで被いPMTにあたってもPMTが破損しないようにした) 。その後で、上面
フレームに取り付けるための小フレームをねじ止め。
(作業:研究者)
改良項目: PMTのバンド取り付け位置等に異常がないか項目を決めて確認、記録する。
・汚れていればケーブル洗浄
(作業:研究者)
・ポリエチレンシートで被い、埃よけと、万が一のPMT破損の際、ガラスの飛散を最小限におさ
える処理をする
(作業:研究者)
水槽上面マンホールまで台車で箱に入ったPMTを運び、水槽内のボートに
箱ごとホイストで降ろす
(作業:研究者)
上面端部PMTの水槽への取り付け
場所: 水槽水面でボート
による作業
・ボートにPMTを箱ごと乗せ、所定の位置まで行く。 (作業:研究者)
・バンドと小フレームのついたPMT1個を上面架構の上に設置した小さいウインチでつり上げ、上
面架構に電動工具でねじ止めする。 この際架構の上下に人がいて、PMT破損等の危険がないよ
うに注意した。
(作業:研究者)
改良項目: PMTに防爆用の布をかぶせて作業を行う。
・ケーブルを水槽上面架構上のケーブルトレイに沿って引き回し、ケーブルを水槽上まで引き上げ
る
(作業:研究者)
・PMT面のところにブラックシートを取り付ける。
(作業:研究者)
・PMTの番号と取り付け位置を記録する。
(作業:研究者)
PMT取り付け作業備考
・外水槽PMTは、内水槽PMTがついた後にまずタイベックシートを取り付けてその後PMT
取り付け。 (アメリカ側担当)
光電子増倍管取り付け作業時等における光
電子増倍管破損について
• カミオカンデ奥の坑道からPMTを取り出す際、誤ってPMTの入った
箱を倒した。このとき箱の上側は湿気対策のため段ボールからビ
ニール袋に変えてあった。PMTはプラスチック段ボールの下箱とビ
ニール袋で被われていたため、PMT破損以外の被害はなし。
• 作業者が水槽底面で底面PMT取り付け作業で3個組PMTモジュー
ルを上向きに変えるとき、PMTモジュールと保護用の台を固定して
いたバンドを止め忘れて作業したため、PMTモジュールと保護用台
がはずれPMTがむき出しになって底面に衝突、破損。ガラスが粉々
になった。作業者を含めてPMT破損以外の被害はなし。
• 三井造船作業者が水槽上面で作業(足場撤去)をしていたときあや
まって物(足場用パイプ)を水槽上面に取り付けたPMTにあて、PM
Tにひびが入る。被害はPMTが壊れた以外はなし。