講義資料

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2015年度 第4週
今日の予定
Text pp.11-16
§1.3 前期量子論
・ ラザフォードの実験
・ 水素原子のスペクトル
・ ボーアの量子仮説
§1.4 物質波
・ 物質波(ド・ブローイ波)
2015年度 第4週
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ラザフォード以前の原子模型
Text なし
電子は原子の構成要素の一つであろう
電子
(負電荷)
全体に拡がった正電荷
トムソンの
すいかモデル
Joseph John Thomson
電子(負電荷)
中心に正電荷
長岡半太郎の
土星モデル
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2015年度 第4週
ラザフォードの実験(1)
(Ernest Rutherford)
1911年
Text p.11
蛍光板
金箔
α線源
α線:正の電荷を持った
ヘリウムイオンの流れ
(陽子2個、中性子2個から
なるヘリウムの原子核)
散乱のされ方を研究
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ラザフォードの実験(2)
2015年度 第4週
Text p.11
ほとんどは素通り
原子核
金の原子
原子中心部の非常に
小さい領域に正電荷
を持ったものが集中
稀に、非常に大きく曲げられる。
原子の
1万分の1以下
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2015年度 第4週
原子核があるということは・・・
Text p.11
クーロン引力
+
Ze
- e Z個の電子
-e
電子が中心力のもとで円運動
-e
荷電粒子が加速度運動
古典力学で考えると
電磁波を放射し、エネルギーを失う
電子が原子核と合体???
2015年度 第4週
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現実は・・・
Text p.11
古典力学
連続スペクトルの
電磁波(光)
を放射
電子が原子核と合体
現実(量子論)
普通の状態では光を出さない
外からエネルギーを得ると
線スペクトルの電磁波(光)
を放射
原子の大きさは核よりも
はるかに大きい
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2015年度 第4週
実験(水素原子の線スペクトル)
Text なし
量 子 論 Quantum Theory
スリット
石英
プリズム
乾板
高電圧
数kV
放電管
水素ガスを封入
数mmHg
(数百分の1気圧)
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2015年度 第4週
水素原子の線スペクトルの例
Text p.12
1885年
λ
6563
4861
[Å]
赤
青
4340 4102
藍 紫
とびとびの波長の光しか出てこない
水素原子のバルマー系列スペクトル
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波長の規則性を表す式
2015年度 第4週
Text pp.11-12
1889年
リュードベリ(Johannes Rydberg)が定式化
n
=
1,
2,
3,
・・・
1
1
æ
ö
= = R¥ ç 2 - 2 ÷ ,
èn
l c
n¢ ø n´ = n + 1, n +
2, ・・・ Text p.11 (1)式
-1
R¥ = 10973731.569 m ; リュードベリ定数
1
n
バルマー系列: n = 2, n´ = 3, 4, 5, 6, ・・・
演習:前頁の各波長が(1)式から計算されることを確認せよ。
また、そのときのn’はいくつか。
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他にもある
水素原子の線スペクトルの系列
2015年度 第4週
Text p.12
n = 1 ライマン(Lyman)系列
紫外部
1906年
n = 2 バルマー(Balmer)系列
可視部
1885年
n = 3 パッシェン(Pascen)系列 赤外部
1908年
n = 4 ブラケット(Brackett)系列 遠赤外部 1922年
n = 5 プント(Phund)系列
遠赤外部 1924年
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ボーアの量子仮説(1)
(Niels Bohr)
2015年度 第4週
Text pp.12-13
原子の構造に量子論を
持ち込んだ。
1913年
電子の軌道は、古典的に求められるものの中で、
量子条件というものを満たすものだけが
安定な定常状態の軌道として実現する。
(n = 1, 2, 3, …)
円軌道の場合
(運動量の大きさ)×(軌道1周の長さ) = nh (3)
p = mv
2πr
半径:r
電子の質量・速度
量子条件: 2π mvr = nh (3’)
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ボーアの量子仮説(2)
ー直感的な理解ー
量 子 論 Quantum Theory
電子を波として考えると
2015年度 第4週
Text なし
n=4
波の波長の整数倍が円軌道の
1周に等しくなければならない。
nl = 2p r
h
n = 2p r
p
整数倍からずれると、
山と谷が打ち消し合う。
2π mvr =
nh
l = h p (本資料p.20を先取り、詳しくは
固体物理A第2,3週資料pp.14-17参照)
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ボーアの量子仮説(3)
-e
+e
-
2015年度 第4週
Text p.13
m
v
遠心力:
r
求心力:
2
+
水素原子
(4)
(5)
(n = 1, 2, 3, …)
h
-34
º
= 1.0546 ´ 10
J ×s
2p
(6)
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ボーアの量子仮説(4)
2015年度 第4週
Text p.13
電子のエネルギー: 運動エネルギー
ポテンシャルエネルギー
(4)
(5)
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2015年度 第4週
ボーアの量子仮説(5)
Text p.13
(7)
hcR¥
e n = - 2 , n = 1, 2, 3,
n
(8)
水素内の電子の
; とびとびの値
許されるエネルギー
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ボーアの量子仮説(6)
hcR¥
e n = - 2 , n = 1, 2, 3,
n
2015年度 第4週
Text p.14
(8)
量子数
LL.1-3 量子条件を満たす軌道を運動する電子は
安定で一定のエネルギー(εn)を持ち続け、
その間は光を放出したり吸収したりしない。
定常状態
高
エ
ネ エネルギー
ル
凖位
ギ
ー
低
励起状態
基底状態
定常状態
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ボーアの量子仮説(7)
hcR¥
e n = - 2 , n = 1, 2, 3,
n
2015年度 第4週
Text p.14
(8)
代入
励起状態
h
基底状態
ν
n’
e n¢ - e n = hn (9)
n
p.11の(1)式
LL.8-9
励起状態にある電子の運動は、安定と言っても
永久に続くものではなく、一定の確率をもって
エネルギーの低い状態に突然移り変わる。
遷移
2015年度 第4週
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水素原子の線スペクトル系列の解釈
Text p.12
プリント
ライマン系列
バルマー系列
パッシェン系列
ブラケット系列
プント系列
n=1
2
3
4 5
6
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(5)
実際の軌道は
等間隔ではない
n=1
2
A
補足
hcR¥
e n = - 2 , n = 1, 2, 3,
n
3 4 5 6
6
5
4
-1A/36
-1A/25
-1A/16
3
2
-1A/9
-1A/4
1
-1A
n εn
(8)
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2015年度 第4週
物質波(1)
Text p.15
光量子説のおさらい
波と考えられていた光
光子1個の持つ
エネルギー
運動量
角振動数:w = 2pn
2
p
波数: k =
l
h
=
2p
粒子的な性質をも持つ
e = hn
hn h (1)
p=
=
c l
e= w
p= k
粒子的な量と
波動的な量を
プランク定数が
仲立ち
波動と粒子の
二重性を表す
(2) 量子力学の本質
太字はベクトル
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物質波(2)
2015年度 第4週
Text p.15
逆もまた真なりか?
真に違いない;
Louis de Broglie
ド・ブローイが提唱
粒子と考えられていた電子
波動的な性質をも持つ
e = hn
p=
h
l
e= w
p= k
(1)
(2)
物質波(ド・ブローイ波)
(1), (2)式は物質波についても、
そのまま成り立つ。
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2015年度 第4週
物質波(3) ー波動性の実証ー
本当に電子が波動性を持つならば、
Text p.16
結晶による電子線の回折現象が起こるはず
ダビソン、ガーマー、
演習
教科書p.16の式をフォローし、 トムソン、菊池正士らが
実験的に確認
計算を実行せよ。
100 Vで加速した電子線の波長λ
はl = 1.23 ´ 10 -10 m = 1.23 Å ; 原子間隔と同程度
回折が起こる