自然気胸

自然気胸
自然気胸になりやすい条件
・喫煙者は非喫煙者に比べて気胸になりやすい。
男
女
1-12本
7倍
4倍
13-22本
21倍
14倍
23本以上(1日当り)
102倍
68倍
・20歳代前半で生じることが多い。
症状
ほとんどは安静時に生じる突然の呼吸苦・胸膜痛。
症状の強さは、胸腔内のairの量に比例する。
低酸素血症は生じるが、高二酸化炭素血症は生じにくい。
再発
初めての罹患から1年以内に25~50%が再発する。
再発のリスクは、女性、高身長、喫煙者で高い。
CXp読影上のポイント
立位では50mlあれば、画像に現れる。正面像で胸壁と虚脱
肺との間隔が1cm増えるごとに10%の虚脱を表す。
吸気も呼気時撮影でも、診断の感度に有意差はなかった。
臥位では500mlの虚脱が診断には必要。
健側臥位にすると、5mlの虚脱でも診断できる。
間違えやすい時
・巨大ブラと気胸の鑑別
虚脱部位の形に注目!
どちらに凹凸あるか
・皮膚のしわ
末梢をみると肺血管陰影がある
・chest tubeのライン
Chest tube挿入は虚脱が横3cm肺尖部4cm以上なら行う
治療
①酸素吸入
胸腔内の空気は1日1.25%は自然に吸収されていく。
酸素吸入で吸収率は早くなり、100%酸素では6倍の
スピードになる。
15%以下の虚脱率の場合は、酸素吸入が推奨される。
②胸腔穿刺(aspiration kit挿入)、それともChest tube挿入か?
15%以上の虚脱時に施行。
Chest tube挿入のほうが、回復するスピードが速いが、
最終的な回復率や再発率は変わらない。しかし、穿刺
の方が平均入院期間が短縮し、疼痛も軽減できる。
simple aspiration versus intercostal tube drainage for spontaneous
pneumothorax in patients with normal lungs BMJ 1994;309:1338
③Chest tubeの大きさは?
8Frと標準サイズのChest tubeを比べると、
虚脱率50%以上の症例では、標準サイズで治療成功
率が高かった。それ以下では同等の結果。しかし、
疼痛は強く、皮下気腫を生じるリスクが高い。
④胸膜癒着術
Chest
tube+胸膜癒着術を併用した例では、再発率を低くする。
⑤外科的治療を推奨する例
Chest tube挿入3日後でも肺が再膨張しない。
Bronchopleural fistulaが3日後でも残っている。
胸膜癒着術後に再発した例。
パイロットやダイバーなどの特殊な職業