コンテンツビジネス論 コンテンツの特性 川村洋次 2015/9/24 コンテンツの特性 1 これまでのメディア産業 通信、放送、出版の区分 垂直統合 放送局:番組制作から電波送信 放送免許制 新聞社:記者、印刷部門、宅配 再販売価格維持制度 映画会社:映画制作、映画館チェーンを配下 2015/9/24 コンテンツの特性 2 デジタル技術による融合 放送と通信の融合 従来 放送:音声・映像による番組、1対多の一斉同報型 通信:会話コミュニケーション、1対1の対話型 近年 デジタル技術の進展・普及 大容量の映像などを通信ネットワークで伝送 コンテンツという概念が登場 技術やインフラ上の違いを超えて流通する「情報の内 容」を横断的に示す概念 2015/9/24 コンテンツの特性 3 コンテンツの概念 コンテンツの定義 様々なメディア上で流通する[映像、音楽、ゲーム、図 書]など動画・静止画・音声・文字・プログラムなどの表 現要素によって構成される“情報の内容” デジタルコンテンツ デジタル形式で記録されたコンテンツ 2015/9/24 コンテンツの特性 4 狭義・広義のコンテンツ 狭義のコンテンツ 映画、音楽、ビデオゲーム、テレビ番組、小説、アニメ・ コミック 広義のコンテンツ 映画、音楽、ビデオゲーム、テレビ番組、小説、アニメ・ コミック データベース、How to本、ビジネスソフト 2015/9/24 コンテンツの特性 5 娯楽、創造、芸術の観点 芸術・アートとコンテンツの違い 芸術・アート:ビジネスと距離 芸術・アート:表現行為を経済行為とみなすことすらも拒 否する傾向がある 大衆文化・ビジネス(コンテンツ):西欧芸術・伝統芸術 からもれ落ちたもの 2015/9/24 コンテンツの特性 6 コンテンツの消費目的 コンテンツを消費することによる効果(ベネフィット) 感動 物語により心や体が高ぶる 短期的、時代を反映、面白さの変化、陳腐化 感情 リズム、雰囲気などにより心や体が反応する 長期的、生理的 記憶 感動、感情、体験(没入感)によりコンテンツ内容が定着する 長期的、繰り返し、規範化や信条化 2015/9/24 コンテンツの特性 7 コンテンツの特性 コンテンツは形無いもの(無形財) コンテンツの本質は世界観 コンテンツの良し悪しを外見から判断することができな い コンテンツの内容・評価が価値を持つ →評論コンテンツが価値を持つ、友人などとの会話ネタになる 制作リスクの回避 →オリジナル以外に、リメイク、他メディア高評価コンテンツ活用 一旦評価・共感されると消費者側から積極的関与 世界観を共有するためのサービスへの展開 →コミュニティ、形有るもの(グッズ)へ 2015/9/24 コンテンツの特性 8 コンテンツの世界観を構成する要 素 全体構成 監督(演出):溝口健二、成瀬巳喜男、黒澤明 製作会社:大映(永田雅一)、東宝、松竹、東映、ATG 内容 コンセプト:勧善懲悪、悲劇・・・ ストーリー 原作:上田秋成「雨月物語」、シェイクスピア「マクベス」 起承転結、家族愛、社会問題・・・ 時代、文化、地域文化 2015/9/24 コンテンツの特性 9 コンテンツの世界観を構成する要 素 表現 メッセージ ナレーション:宿命に泣く妻、欲望に走る男、魔性の女 テロップ:妖美、混乱の世、本能と欲望 台詞:私のために命を尽くしてくれなければいけません 画面演出 出演者:田中絹代、京マチ子、森雅之・・・・・、三船敏郎 美術:衣装、建築、小道具 撮影演出:視点、アングル、トーン、固定、ズーム、パン、移動 2015/9/24 コンテンツの特性 10 コンテンツの世界観を構成する要 素 表現 音響 音楽:ドラマチック、感情、音色、リズム 台詞:メッセージとの連動 効果音:歓声、馬の蹄、・・・・・ 編集 2015/9/24 画面(ショット)の時間:ロング、ショート、リズム、切替の間 画面(ショット)の時間入替:起承転結、回想、モンタージュ オーバーラップ:時間重ね合わせ、空間重ね合わせ ストーリーの起伏:見所、結末 コンテンツの特性 11 コンテンツの広告映像制作に向け て 世界観を構成する要素のどれが差別化できるか設 定 監督(演出):溝口健二 コンセプト:悲劇 ストーリー:激動の時代、欲望と家族愛 メッセージ:私のために命を尽くしてくれなければいけませ ん 画面演出:田中絹代、京マチ子、森雅之 編集:見所 コンテンツの評価を表現 監督(演出):巨匠溝口健二が情熱を持って送り出す 2015/9/24 コンテンツの特性 12
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