ジャーナリズム論

ジャーナリズム論
第8回 ニュースとは何か
担当:野原仁
ニュースとは?
人びとが知らない実際に
起きたできごとや、意図
的に作ったできごとをも
とに、社会の多くの人に
役立つと送り手が考えて
作った情報
事実(できごと)とニュース
世の中に無数にある事実(できごと)の
中から、ある人・組織が取捨選択して、
選んだ事実を組み合わせたものがニュー
ス
このように事実(できごと)をニュース
へと変換する役割のことを、「ゲートキ
ーパー機能」といい、現代社会では主に
マスメディア(事業者)が行っている
ニュースの制作過程
無数にある事実(でき
ごと)
選択・取
材
基礎学習
編集・記事作
成
放送・印
刷
ニュース・バリュー
無数の現実のなかから、ニュー
スの材料として何を基準に選ぶ
のか?
ニュースの選択基準=ニュース
・バリュー
「犬が人間をかんでもニュース
にならないが、人間が犬をかん
だらニュースになる」
ニュース・バリューの一例
1. 重要性(死者の数や生活への影響度など
)
2. 特定の人への興味・関心(有名人のスキ
ャンダルなど)
3. 対立・ケンカ・論争
4. 異常性(=珍奇性)
5. タイムリー
6. 地理的な近さ
ニュースの基本要素
5W1H
いつ(When)
どこで(Where)
誰が(Who)
何を(What)
なぜ(Why)
どうした(How)
ニュースの種類①
突発モノ;事件・事故・災害な
ど
企画モノ;一定のテーマにした
がって、あらかじめ企画をたてて
取材したもの
ヒマネタ;季節ネタやイベント
のお知らせなど、別になくても困
らないもの
ニュースの種類②
ナマモノ;いますぐに伝えなくてはなら
ないもの=災害報道など
ヒモノ;いますぐどうしても伝えなくて
はならないわけではないが、できるだけ
早く伝えたほうがいいもの=スポーツの
試合結果など
くさったネタ;ナマモノが腐って伝える
ことができなくなったこと
ニュースの種類③
ニュースのなかには、特定の組織(マスメ
ディアも含む)が自分たちで、できごと(
=イベント)を仕組んで作ったものや、自
分たちでブームを作り上げたネタも多い
こういったネタを疑似イベントという
アイドルの結婚式・夏の高校野球、など
取材の基本姿勢
自分で直接事実を確かめる
すべてのことに疑問をもつ
取材対象とベッタリならず、適度
に距離をおく
うわさや目撃談をそのまま信じな
い
無関係の人に迷惑をかけない
アポあり取材の注意点と欠点
注意点;事前に待ち合わせ場所・時間・取
材意図や内容を相手ときちんと確認する
長所;確実に取材ができ、相手も取材に対
してのさまざまな準備が可能
欠点;取材の意図や内容をあらかじめ相手
に伝えるため、相手がイヤがる内容を聞い
たり調べたりすることができない
アポなし取材の注意点と欠点
注意点;できるだけ取材相手を刺激せず、
しかし断られてもねばり強く交渉すること
が大切
長所;臨場感あふれる様子を取材できると
ともに、取材相手が隠したがることを明ら
かにできる可能性がある
欠点;相手に取材を拒否される可能性が高
く、また現場でトラブルになりやすい
取材現場で気をつけること
まずは現場の全体像をつかむ
こと
自分の五感をフルに使う
事件・事故の場合は、できる
かぎり多くの目撃者や関係者
に話を聞く=裏取り取材を必
ず行う
インタビューの注意点
「何を」ききたいのかを、は
っきりさせておく
自分が期待する答えを相手に
言わせるように仕向けない(
誘導質問の禁止)
相手がいやがることでも、聞
く必要があればきちんと聞く