アメニティ創造のまちづくり実習 設計の進め方のコツ 筑波大学大学院システム情報工学研究科 村尾 修 Faculty of Systems and Information Engineering University of Tsukuba www.murao.net 評価項目 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 敷地をどうとらえているか(空間的,歴史的) 周辺環境との関係をどのように考慮しているか 明確なコンセプト・メッセージがあるか プログラム(余条件)をどう解いているか 配置計画,建築計画,動線計画等が妥当か 全体的なデザイン・コンセプトがあるか 美しいか(形態,図面,模型の仕上げ方等) その他 ①敷地を読む (あるもの、ないもの) Genius Loci (地霊) ゲニウス ロキ 周辺環境 (空間的・物的資源) 社会的背景 いいもの わるいもの ある 残 す 壊 す ない 作 る 不 要 歴史的背景 (時間的資源) ②対象地と周辺環境との関係 学校 神社 公園 周辺建物 道路 川 関係性 水上 バス 対岸 ③自分のやりたいことを考える (Vision) 言葉 スケッチ ・お金は ・法律は ・かっこいいデザイン 自分の生活と 経験から考え ・親水空間 てみる ・子供が喜ぶ広場 ・お年寄りが川を見て休む : ・水辺、緑、SOHO ・・・・・ 例えば3つのアイデアを盛り込み,コンセプトの柱としてみる ④プログラム(与条件)の確認 ⇒ プログラムを解く …… ・駐車場計画(台数、動線) ・居室(数、面積、動線) ・他施設( 〃 ) ・ ・周辺に対する出力と入力 ⑤アイデアとプログラムを空間に置き換える(1) 機能図(ダイアグラム) 言葉を空間にする難しさ 集合住宅 A P1 B オフィス P2 広場 C 商業施設 ⑥アイデアとプログラムを空間に置き換える(2) ボリュームスタディ 試行錯誤 ・模型を作る ・図面を描く 周辺模型は先に作る 対象地のボリュームを 決めるのに重要 ⑦デザインコンセプト 美しい音楽をつくるように ・全体的統一感 ・リズムとダイナミズム ・主役と脇役 A B C ⑧ ①~⑦の繰り返し 適宜、決定していく モデル スケッチ 計算 答えは一つ でない 動線 景観 ~ 設計用スケジュール管理(2004年度例) Phase 1 (3週間) 9/2 – 9/24(模写図面提出) アイドリングをかける Phase 2 (3週間) 9/24 – 10/15(中間発表会) 配置図・機能図,住棟基準階平面図,ボリューム模型 Phase 3 (3週間) 10/15 – 11/5(最終発表1週間前) 考え抜いて,最終案を決定 Phase 4 (1週間) 11/5 – 11/12(最終発表会) 最終案を表現する(模型ほか) Phase 5 (1週間) 11/12 – 11/18(最終課題提出) 完成させる Phase 1 (3週間) 9/2 – 9/24(模写図面提出) アイドリングをかける 地図と現地視察により,周辺環境と敷地を読む 自分のやりたいことを考える 大まかな方向性や計画を考えてみる ラフな落書きを一杯してみる アイデアをたくさん出す コンセプトをつくる Phase 2 (3週間) 9/24 – 10/15(中間発表会) 配置図・機能図,住棟基準階平面図,ボリューム模型 いろいろ考えながら,周辺模型をつくる 動線と配置を考える ラフなスケッチ(落書き)をして考える 手で線を引いて考える PCや電卓で計算して考える(面積,高さ,道路幅ほか) 定規で線を引いて考える ボリューム模型を作って考える 以上の繰り返し(最低3案考えてみる) Phase 3 (3週間) 10/15 – 11/5(最終発表1週間前) 考え抜いて,最終案を決定 中間発表で手ごたえを感じたら,もっとがんばる 中間発表で自分でも駄目だと思ったら,変更 どちらにせよ,細かいところまで具体化する 5つの段階で最も核となる時期 かたちにする難しさに直面するけど,がんばろう Phase 4 (1週間) 11/5 – 11/12(最終発表会) 最終案を表現する(模型ほか) 最終案が見えてきたら,あとは表現する 頭の中で,あるいは図面の中で見えていないものは当然, 表現のしようがない 見えているならば,自分のアイデアをうまく伝えるにはどう したよいか考え,表現する そして,最終イメージがあるならば,かたちにする最も楽し い時 最終イメージがないならば,締切に追われる最も苦しい時 Phase 5 (1週間) 11/12 – 11/18(最終課題提出) 完成させる 最終発表も終わり,理想的には微修正と最終の仕上げ 一生に一度の作品として保存するつもりでがんばろう 最終発表でほっとして手を抜かないように デザインをすること 最初は,たくさんの可能性があります デザインをするということは,ひとつひとつの可能 性を切り捨てていく行為です 様々な段階で,ものごとを決定していかなくては いけません よりよい決断をするため,いくつかの候補の妥当 性を検討していかなくては,いけません おわりに がんばりましょう
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