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バラでのチリカブリダニ
利用の普及
関塚知己(神奈川県農業技術センター)
自己紹介
・東京都で生まれる
・千葉大学園芸学部蔬菜研究室卒業
・神奈川県へ就職
-県庁農業技術課
(水田転作)
-横浜農業改良普及所 (鉢物を主とした花担当)
-農業総合研究所
(バラの生産技術)
-西湘地区行政センター(補助金全般)
***天敵Wiki、イチゴの天敵利用
-農業技術センター
(平塚秦野の花担当)
***バラの養(溶)液分析、後継者育成
神奈川におけるバラ生産の歴史
・日本における営利的バラ栽培は戦前に東京郊外で始まる。
・戦後、川崎や三浦に先駆者が現れる。
・今日的なバラ栽培は、昭和30年頃に神奈川や静岡で始まる。
-神奈川の三浦試験場でバラ研究が始まる。
-大型温室でのバラ栽培が始まる。
-昭和32年に「日バラ(日本ばら切花協会)」が組織される。
***初代会長は静岡、2代目が神奈川。
・ 硫黄燻蒸機、温湯消毒、ゴンドラ型自動薬散機、etc
・世代交代が進んでいる最中。
・最盛期、県内で100名以上、現在は60名ほど。
・ちなみに今年最大の話題は「重油高騰」でした。。。
神奈川県内のバラ生産者の分布
バラの主要病害虫
<最重要>
灰色かび病、アザミウマ類、(べと病)
<次 点>
うどんこ病、ハダニ類
※この分類は要防除水準(又は緊急度)による
写真で見る
同化専用枝
の状態
ハダニ(チリも)の
生息域は十二分に
ある
写真で見る
切り上げ型
の状態
収穫ライン(赤線)
より下に
ハダニ(チリも)の
生息域が十二分に
ある
普及戦略
◎実は失敗済み、、、
・毎年の様にオランダへ行く生産者もいて海外で
の天敵利用に詳しい。
・基本的に「新しい物好き」
・日本での天敵発売直後にテスト済み
・もちろん(?)失敗(理由は他作物と同様)
→a)とにかく成功例を作る!
b)勧誘ポイントを明確に!
a)とにかく成功例を!
「成功」とは生産者の手応え
・比較的速効で効果が分かり易い
・見た目で分かり易い(形、色、動き)
→チリカブリダニに絞る
※ミヤコは入手が難しかったというのも一因
・成功水準を下げておく
→過大な期待はさせない、デメリットも伝えておく
b)勧誘ポイントを明確に!
・抵抗性獲得の回避
→どんどん効かなくなっている実態がある
・水を使わない
→灰色かび病対策にもなる
・省力的
→単価は冬に高いが、稼ぎ時は多収となる春
※植え換え(5~6月)時も多忙
c)普及員側の内面整理
・農薬の使用実態は案外、登録通り
(情報が少ない、薬害対策などが理由)
→ネオニコ系、ダニ剤はペンタック、コロマイト
・イチゴのマイトコーネ抵抗性発達を繰り返さない
→無理せず、夏は「とりあえず」あきらめる
※潜在的要望は非常に強い
・自動薬散機のある生産者は非優先
→化学農薬でも「とりあえず」なんとかなっている
日
程
全
体
Yバラ園
Tバラ園
2007.06.01 普及指導部に異動
09.14 JA県外視察で紹介 出席
10.12
欠席
影響表等を渡す
2008.01.07
使用歴のチェック
01.17
放飼(1回目)
01.下旬 全体にハダニ多い
ダニサラバ散布
02.04 研究会開催
出席
出席
両方、不在
使用歴チェック
(講師:浜村徹三氏 )
02.06
02.15
放飼(1回目)
03.11
04.08
放飼(2回目)
週1程度で巡回
均衡状態
05.22
放飼(3回目)
06.10
放飼(3回目)
07.中旬
農薬に切り換え
10.28
放飼(1回目)
10.30
放飼(2回目)
農薬に切り換え
放飼(1回目)
(補足1)生産者のデータ
<Yバラ園>40歳代
・養液耕+アーチング(8a×3)
・1+2+3本使用、ダニ剤は期間中に4回
<Tバラ園>50歳代
・土耕+ハイラック(10+15a)
・3×5本使用、ダニ剤は期間中にゼロ
(補足2)巡回について
・概ね、毎週のように温室に足を運んだ
※近いからできる芸当
・温室に行く時は、生産者の不在時を狙った
※生産者が居ると話し込んで調査が難しい
・結果と今後の対策を携帯ですぐに相談
※意見は言うが、判断は生産者に任せた
・巡回日は発注日に合わせる
・イチゴの100株調査で得た感触と比較
で、現状は?
• 春期のチリカブリダニ導入者
3名(前記以外に管轄外に1名)
• 秋期のチリカブリダニ導入者
6名(上記以外に新規3名、11月上旬現在)
※秋は苦戦してます、、、orz
・スワルスキー、ミヤコ辺りを加えて工夫?