第三章 东方近现代文学

日本近現代文学史
1.日本近現代文学と古代文学
ものの哀れ
私生活
外来文化
文字についての改造
 2.近現代文学の主題と方法
個人/市民社会 浪漫/写実
 3.近現代文学の特色
 4.近現代文学の時期わけ
 5.近現代文学の学習ポイント
流派/作者/代表作品/特徴と意義

日
本
近
現
代
文
学


第
一
期:
啓
蒙
時
代




時間:明治元年~18年
啓蒙時代:封建体制の打破、文明開
化に伴い、文学においても新時代の
気風が期待された。江戸末期の戯作
文学や伝統的な詩歌の流れをくむ過
渡的な作品しか見られなかった。
政治小説:政治活動の手段しかなく、
純文学にはならない。
代表作:矢野龍渓『経国美談』、東海
散士『佳人之奇遇』、末広鉄腸『雪中
梅』
翻訳小説:西洋の政治や思想・風俗
を紹介するためになされたもの。
代表作:『西国立志編』、『イソップ物
語』、『花柳春話』、『八十日間世界一
周』など。

第
二
(
新期
文:
学写
の実
は主
じ
め義
)時
期



時間:明治18年~25年
小説改良の最初の試み
坪内逍遥:西洋の近代文学を踏まえた日本
最初の小説論『小説真髄』を発表した。従来
の勧善懲悪の思想や功利的な文学観を強
く否定して文学の独自性を出張し、あるがま
まの人間心理の分析を主眼とした写実主義
を唱えた。『当世処世気質』
二葉亭四迷:逍遥の考えに共鳴し、さらに
写実主義を唱える証拠と目的を明確にした
『小説真髄』を発表した。その理論を具体化
したのが『浮雲』である。主人公の内面的苦
悩を追求した心理描写と言文一致の文体
は、日本近代文学の先駆をなすものであっ
た。
第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
時間:明治26-38年
 浪漫主義:浪漫主義:封建道徳
から人間性の解放を求める
 代表作家:森鴎外(『舞姫』)、高
山樗牛、徳富蘆花、国木田独歩
 擬古典主義:幸田露伴・樋口一
葉・尾崎紅葉
 浪漫詩:『文学界』北村透谷・島
崎藤村、与謝野鉄幹・晶子

第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
時間:明治39-45
 20世紀初期(明治末期)の日本文学界ー
「自然主義時期」。
 自然主義(Naturalism):19世紀後半、フ
ランスを中心に起こった。人間や社会の現
実を体系的・科学的に追求し、それを客観
的に描写することによって社会の病弊を暴
露しようとする文学運動であった。
 日本の自然主義:作家神編の狭い事実偏
重と告白性
島崎藤村『破戒』
田山花袋『蒲団』
徳田秋声、正宗白鳥
 自然主義の評論:島村抱月『近代文芸之研
究』

時間:大正時代
 反自然主義:
余裕派ー夏目漱石、森鴎外
耽美派ー永井荷風、谷崎潤一郎
白樺派ー武者小路実篤、志賀直
哉
 新現実主義:
新思潮派ー菊池寛、芥川龍之介
奇蹟派(私小説)

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
(
昭第
和六
戦期
争:
前文
と学
戦統
争一
期時
間代
)
時間:昭和戦争前と戦争期間
 戦争期間:文学の不毛時代
 プロレタリア文学:
葉山嘉樹
小林多喜二
徳永直

時間:昭和戦後
 芸術派:
新感覚派ー横光利一、川端康成(『伊
豆の踊り子』『雪国』)
新興芸術派ー井伏鱒二、梶井基次郎
新心理主義ー堀辰雄、伊藤整
 昭和十年代の文学
転向作家ー中野重治
既成作家ー永井荷風、谷崎潤一郎、
島崎藤村、徳田秋声、志賀直哉(『暗
夜行路』)

第
七
期
:
伝
統
の
打
破
時間:第一次世界大戦後と第二次世
界大戦後
 抑圧されていた言論・表現の自由が
回復された
大家の復活ー永井荷風(『踊り子』)、
谷崎潤一郎(『細雪』)、川端康成
(『古都』)
無頼派ー太宰治、坂口安吾
第一次戦後派ー野間宏
第二次戦後派ー安部公房、大岡昇平、
三島由紀夫
戦争文学ー井伏鱒二(『黒い雨』)
第三の新人ー安岡章太郎
評論ー中村光夫、花田清輝

第
八
期
:
戦
後
の
文
学
第
九
以期
後:
昭
の和
文三
学十
年
代
時間:昭和三十年代ー今
 文学の大衆化
 代表作家:大江健三郎、井上靖、
村上春樹、吉本バナナ

明治改元後、約二十年間の文学
 混沌たる時代:伝統文学と新文学が
入り混じった時代
 旧文学:「西洋道中膝栗毛」「安愚楽
鍋」「柳橋新誌」
 まとめ:世相を劇画化する、底の浅い
もの
 啓蒙文学:森有礼、福沢諭吉、西
周ー「明六社」(近代学問の源流)
福沢諭吉:『学問の勧め』『世界国尽』
『かたわ娘』『文明論の概略』
中村敬宇訳『西国立志編』

第
一
期:
啓
蒙
時
代
福
沢
諭
吉
翻訳文学:明治十年ごろからの
数年間
1、流行した理由
2、意義
 政治小説:
1、背景:自由民権運動
2、代表作:矢野竜渓「経国美談」
東海散士「佳人の奇遇」
末広鉄腸「雪中梅」
3、意義

第
一
期:
啓
蒙
時
代
伝統文学の欠点
1、空々しい空想や大げさな誇張
2、登場人物が型にはまっている
3、生気がない
 新しい文学の生まれ:写実主義
 坪内逍遥:
1、「小説真髄」:従来の勧善懲悪の思
想や功利的な文学観を否定して、文
学の独自性を主張し、あるがままの
人間心理の分析を主眼とした。
2、写実主義の実践:「当世書生気質」

第
二
(
新期
文:
学写
の実
は主
じ
め義
)時
期
坪
内
逍
遥
二葉亭四迷(くたばってしまえ )
1、逍遥の立場を徹底させるー
「小説総論」(リアリズムを主張)
「小説真髄」より徹底した
2、「浮雲」:明治二十ー二十二年
近代小説の先駆
言文一致で書かれた
庶民の生活の再現
心理の描写が優れた
3、翻訳作品『あひびき』『めぐりあひ』ー清新な
自然描写
4、言文一致:文章を話し言葉に近づけていこ
うとする文体の革新運動。
二葉亭四迷「だ調」
山田美妙「です調」
尾崎紅葉「である調」

第
二
(
新期
文:
学写
の実
は主
じ
め義
)時
期
文学への改革
小説の独立
小説の形式
小説の内容
 限るところ
典型には触れていない
描写だけ、評価すべきではない
心理描写の方法がない

坪
内
逍
遥
に
つ
い
て
二
葉
亭
四
迷
浮
雲
に
つ
い
て
劇作文学への突破
 人物の心理活動
 言文一致

擬古典主義
1、硯友社『我楽多文庫』
2、紅露時代
①尾崎紅葉
出世作品『二人比丘尼色懺悔』
『三人妻』 『多情多恨』(である調)
『金色夜叉』雅俗折衷体
貫一 お宮 富山唯継 高利貸
②幸田露伴:
出世作品「風流仏」
「一口剣」「五重塔」

第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
尾
崎
紅
葉
と
幸
田
露
伴



現実 理想
女性 男性
近世 中世
金
色
夜
叉
吁(ああ)、宮(みい)さんかうして二人が一処
に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれ
るのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎり
だよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。
来年の今月今夜は、貫一は何処(どこ)でこの月を
見るのだか! 再来年(さらいねん)の今月今
夜……十年後(のち)の今月今夜……一生を通して
僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕
は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。
来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は
曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇
つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、
今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ
第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
擬古典主義
樋口一葉
①半井桃水 戯作的な傾向
②代表作:「たけくらべ」
「にごりえ」
「十三夜」

第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
浪漫主義:
世俗的習慣や封建的論理にとら
われずに、自我のめざめと内面
的真実とを尊重した運動。
内容によって、3つに分けられる
1.恋
2.神秘的浪漫
3.自然美

森
鴎
外
①ドイツ土産三部
作『舞姫』『うた
かたの記』『文
づかひ』
②翻訳名作『即興
詩人』
③「没理想論争」:
逍遥と鴎外
第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
浪漫主義の理論:
2、文学界
①木村透谷、島崎藤村ら
②人間性の開放と芸術の絶対的
価値とを説いた。
3、北村透谷:
①代表作:『人生に相渉るとは何
の謂ぞ』『内部生命論』
②自我の確立、生命感の充実や
恋愛賛美を叫び、日本の浪漫主
義運動の先駆者として活躍した

島
村
藤
村
初
恋
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
未挽发髻犹少女,
苹果树下初相识。
头上插支小发簪,
如花似玉美若仙。
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたえしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
伸出温柔之玉手,
递来苹果表深情。
泛红熟透之秋实,
激起初恋之温馨。
わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
内心从未发感叹,
及至秀发飘眼前。
君将深深之恋情,
充溢欢愉之杯盏。
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみとぞ
問ひたまふこそこいしけれ
苹果树下自成蹊,
试忆哪方先迈足?
如此发问之本身,
已然充满恋之情。
与
謝
野
晶
子
やわはだのあつき
血汐にふれも見で
さびしからずや
道を説く君
浪漫主義:
4、高山樗牛
①出世作:『滝口入道』
②「日本主義」
③『美的生活を論ず』
5、徳富蘆花
①代表作:『不如帰』
②『自然と人生』『思い出の記』
6、国木田独歩
①代表作:『源叔父』『武蔵野』『忘れえ
ぬ人々』『牛肉と馬鈴薯』『運命論者』
②晩年は人間の運命を凝視する自然
主義的傾向

第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
第
三
期
:
浪
漫
主
義
文
学
時
期
浪漫主義
7、泉鏡花
①浪漫的作風を示し、神秘的・幻
想的な美的世界を築いた。
②代表作:『照葉狂言』『高野聖』
『歌行燈』

第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
自然主義の日本での発展
①フランスを中心に起こった自然
主義(ゾラ)
②小杉天外『はやり歌』
永井荷風『地獄の花』
③島崎藤村『破戒』
田山花袋『蒲団』
④田山花袋『露骨なる描写』
島村抱月「早稲田文学」

第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
代表作家と代表作
①島崎藤村 『破戒』
瀬川丑松
猪子蓮太郎
戒めを破く
他の作品:『春』『家』
『新生』
『夜明け前』

第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
代表作家と作品
②田山花袋 『蒲団』
竹中時雄 芳子
他の作品:
自伝三部作ー『生』『妻』
『縁』
代表作ー『田舎教師』
評論ー『露骨なる描写』
方法ー「平面描写論」
地位ー私小説作家

田
山
花
袋
『
蒲
団
』
芳子が常に用いていた蒲団
――萌黄唐草の敷蒲団と、線の
厚く入った同じ模様の夜着とが
重ねられてあった。時雄はそれ
を引出した。女のなつかしい油
の匂いと汗のにおいとが言いも
知らず時雄の胸をときめかした。
夜着の襟の天鵞絨の際立って
汚れているのに顔を押附けて、
心のゆくばかりなつかしい女の
匂いを嗅いだ。
第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
その他の自然主義作家と作品
①徳田秋声
『新世帯(あらじょたい)』
『足跡』『黴』『爛』『あらくれ』
「無理想・無解決」
『仮想人物』『縮図』
②正宗白鳥
『何処へ』『泥人形』『入江のほ
とり』

第
四
期
:
自
然
主
義
文
学
時
期
日本での自然主義
一、積極的な影響
科学的方法、拡大した社会視野、
市民社会を対象
二、自然主義が日本での再生
ゾラの日本化
真と写実の伝統
三、消極的な影響
自伝や私生活の告白への向かい
作者身辺の狭い事実偏重と告白性とを
特徴とする
社会性に乏しい

耽美派
①永井荷風 江戸情緒
『隅田川』『冷笑』
『腕比べ』『おかめざさ』
『濹東綺譚』『踊子』『勲章 』
②谷崎潤一郎
女性の官能美 悪魔主義
『麒麟』『幇間』
『秘密』『悪魔』
『刺青』『痴人の愛』
『卍』『蓼喰う虫』『盲目物語』
『春琴抄』『細雪』

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
谷
崎
潤
一
郎
高踏派・余裕派
倫理的・理知的
 夏目漱石と森鴎外
①夏目漱石
履歴 金之助
漢学
高校ー正岡子規
東京帝国大学英文科
東京高等師範(初期肺結核)
愛媛 松山(中根鏡子) 熊本
英国留学(不愉快)
第一高等学校 東京大学
『ほととぎす』ー「我輩は猫である」
『朝日新聞』

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
漱石という名前
孫楚
石に枕し、流れに漱ぐ
 漱石と正岡子規


漱石その作品
『吾輩は猫である』
『坊ちゃん』『草枕』
『虞美人草』
『三四郎』『それから』『門』
『彼岸過迄』『行人』『心』
『道草』『明暗』

夏
目
漱
石
漢
詩
快刀切断す 両頭の蛇
顧みず 人間笑語の囂しきを
黄土千秋 得失を埋め
蒼天万古 賢邪を照らす
微風 砕け易し 水中の月
片雨 留め難し 枝上の花
大酔 醒め来たりて寒骨に徹し
余生 養い得て 山家にあり
夏
目
漱
石
草
枕
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹さ
せば流される。意地を通せば窮
屈だ。とかくに人の世は住みにく
い。
 一面登山,一面这样想:依理
而行,则棱角突兀;任情而动,
则放浪不羁,意气从事,则到
处碰壁。总之,人的世界是难
处的。

夏
目
漱
石
我
輩
は
猫
で
あ
る

吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当(けんとう)がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いてい
た事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間と
いうものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生とい
う人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそう
だ。この書生というのは時々我々を捕(つかま)えて
煮(に)て食うという話である。しかしその当時は何
という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌(てのひら)に載せられてスーと持ち上げ
られた時何だかフワフワした感じがあったばかりであ
る。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわ
ゆる人間というものの見始(みはじめ)であろう。こ
の時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第
一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてま
るで薬缶(やかん)だ。その後(ご)猫にもだいぶ逢
(あ)ったがこんな片輪(かたわ)には一度も出会
(でく)わした事がない。のみならず顔の真中があま
りに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷう
ぷうと煙(けむり)を吹く。どうも咽(む)せぽくて
実に弱った。これが人間の飲む煙草(たばこ)という
ものである事はようやくこの頃知った。

「僕は実業家は学校時代から大嫌だ。金さえ取れ
れば何でもする、昔で云えば素町人(すちょうに
ん)だからな」と実業家を前に控(ひか)えて太
平楽を並べる。
「まさか――そうばかりも云えんがね、少しは下
品なところもあるのさ、とにかく金(かね)と情
死(しんじゅう)をする覚悟でなければやり通せ
ないから――ところがその金と云う奴が曲者(く
せもの)で、――今もある実業家の所へ行って聞
いて来たんだが、金を作るにも三角術を使わなく
ちゃいけないと云うのさ――義理をかく、人情を
かく、恥をかくこれで三角になるそうだ面白いじ
ゃないかアハハハハ」
「誰だそんな馬鹿は」
「馬鹿じゃない、なかなか利口な男なんだよ、実
業界でちょっと有名だがね、君知らんかしら、つ
いこの先の横丁にいるんだが」
「金田か? 何(な)んだあんな奴」
「大変怒ってるね。なあに、そりゃ、ほんの冗談
(じょうだん)だろうがね、そのくらいにせんと
金は溜らんと云う喩(たとえ)さ。君のようにそ
う真面目に解釈しちゃ困る」
第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
②森鴎外
『青年』『妄想』『雁』
歴史小説:『興津弥五右衛
門』『阿部一族』
(「歴史其儘」)
『阿部一族』
『山椒大夫』『最後の一句』
『寒山拾得』『高瀬舟』
(歴史離れ)
『渋江抽斎』『伊沢蘭軒』
『北条霞亭』
白
樺
派
特徴
 1.個性の尊重と自己肯定
 2.人生のための芸術
 3. 調和
文学的活動
 初期 志賀直哉
 中期 武者小路実篤
 後期
同人
 武者小路実篤、志賀直哉、木下利
玄、有島武郎、有島生馬、里見弴
たち
白樺派
①武者小路実篤
無車·不倒翁
自己肯定 新しき村
『お目出たき人』『幸福
者』
『友情』『愛と死』
『その妹』『人間万歳』
平明な言葉、無技巧の
技巧、
楽天的な精神

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
新し
き村
の旗
②有島武郎
『カインの末裔』
『小さき者へ』
『生まれ出る悩み』
『ある女』
有島農場
白樺派
③志賀直哉(小説の神様)
短編小説ー
『網走まで』『城之崎にて』
『和解』『焚き火』
『小僧の神様』
長編小説ー
『暗夜行路』

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、
新現実主義
芥川龍之介
出世作『鼻』
歴史小説:
王朝物ー
『羅生門』『鼻』『芋粥』
『地獄変』『藪の中』
江戸物ー『戯作三昧』『枯野抄』
切支丹者ー『奉教人の死』
『きりしとほろ上人伝』
開化物ー『開化の殺人』『舞踏会』
現代小説:『秋』『トロッコ』
童話:『蜘蛛の糸』『杜子春』

第
新五
現期
実
:
、新
新
理
浪
想
漫、

芥
川
龍
之
介

新思潮派を代表する芥川龍之介は多彩な様式・文
体を駆使した短編小説に才能を発揮した。初期は歴
史小説を多く書いて、歴史的事象に近代的解釈を加
え明確な主題を定めた再構成したテーマ小説であっ
た。代表作には「羅生門」、「地獄変」、「杜子春」など
一連の傑作がある。芸術の価値を人生よりも高いと
する芸術至上主義の姿勢が見られる。後期に、私小
説や半自伝的小説をたくさん書いて、作風の転換を
図ったが、健康の悪化や、社会の変化への不安か
ら、自殺した。晩年の作品で、時代の流れに従うこと
のできない鋭い自我意識と、宗教への希求をもつ、
作家の苦悩が描かれている。
鼻について
芥川龍之介による初期の短編小説芥川龍之介の
「鼻」が、「今昔物語」の説話を題材にしていることは
余りに有名である。「人の幸福をねたみ、不幸を笑
う」と言う人間の心理を捕らえた作品。ユーモラスな
表現の下に作家の人生に対する懐疑や利己的な人
間の本性に対する諦観が見られる。この小説は諧
謔に富んだ軽快な筆致で、人間心理の微妙な屈折
と明暗を巧みに描き出した。新人として、すでに完成
品と言えるだろう。


菊池
寛




戯曲『屋上の狂人』
『父帰る』
短編小説『無名作
家日記』『忠直卿行
状記』『恩讐の彼方
に』
長編小説『真珠夫
人』
生活第一・芸術第
二
芥川賞・直木賞
「文芸春秋」
私小説
広津和郎『神経病時代』『死児を
抱いて』
宇野浩二『蔵の中』『苦の世界』
『子を貸し屋』
葛西善蔵『悲しき父』『子を連れ
て』
 他の作家
佐藤春夫『田園の憂鬱』『都会の
憂鬱』
久米正雄 山本雄三

他
の
作
家

田
園
の
憂
鬱
彼は、いつ始めてこの丘を見出したので
あろう?とにかく、この丘が彼の目を引いた。
そうして彼はこの丘を非常に好きになってい
た。長い陰気なこのごろの雨の日の毎日毎
日に、彼の沈んだ心の窓である彼の瞳を、
人生の憂悶からそむけて外側の方へ向け
る度ごとに、彼の瞳に映ってくるのはその丘
であった。
その丘は、わけても、彼の庭の木木の枝
と葉とが形作ったあのきゅうりゅう形の額縁
を通して見るときに、おのずとひとつの別天
地のような趣があった。ちょうどいいくらいに
程遠くて、そうして現実よりは夢幻的で、夢
幻よりは現実的で、その上雨の濃淡によっ
て、ある時にはそれが彼のほうへやや近づ
いて、あるときにはずっと遠退いて感じられ
た。ある時には擦ガラスを透かして見るよう
にほのかであった。

第
七
期
:
伝
統
の
打
破


新感覚派
真昼である。特別急行列車は満員
のまま全速力で駆けてゐた。沿線の
小駅は石のやうに黙殺された。
『頭ならびに腹』冒頭
新感覚派特徴ー
それまでの写実的な表現方法を否
定した。擬人法や比喩などを斬新に
用いた表現方法によって、とくに感覚
面で鮮やかなイメージを描き出した。
代表作家:横光利一 川端康成
新感覚派
川端康成
短編集『感情装飾』
不滅の青春文学ー
『伊豆の踊り子』
『浅草紅団』『禽獣』『雪国』
「掌の小説」
後期:『千羽鶴』『山の音』
『みづうみ』『古都』
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期
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川
端
康
成
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新感覚派の代表作家。
初期の代表作「伊豆の踊り子」は、不滅の
青春文学とされる。以後、王朝文学や仏教
の影響の下に、虚無的な哀しみをもった叙
情性の溢れる作品を書くようになり、「雪国」
に至って彼の生命の燃焼と美意識が結晶
した。また、「掌の小説」といわれる短編小
説群があり、様々な人間像や人物の心理を
鮮やかな筆で描き分けている。晩年、ノー
ベル文学賞を受賞した。
伊豆の踊り子の感想
「伊豆の踊子」は美しくそして憂いの雰囲気
を漂っている青春文学の名作である。20歳
の「私」は自分の性質が孤児根性で歪んで
いると厳しい反省を重ねて、旅芸人の踊子
達と一高生という階級格差を超えた交流を
通して、青年が人の温かさを肌で感じ、作
品内にある孤児根性から抜け出せると感じ
るに至る。
新興芸術派
 代表作家:井伏鱒二
傍観者的に人生の事件
を的確に描いた。
『山椒魚』『鯉』
『さざなみ軍記』
『ジョン万次郎漂流記』
 代表作家:梶井基次郎
 青年の憂鬱を散文詩の
ような透明感溢れる
『檸檬』
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期
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新心理主義
伊藤整
堀辰雄『聖家族』『風立ちぬ』『菜
緒子』
既成作家の活躍
永井荷風 『濹東綺譚』
谷崎潤一郎 『吉野葛』『芦刈』
『春琴抄』
『源氏物語』現代語訳
島崎藤村 『夜明け前』
徳田秋声 『仮装人物』『縮図』
志賀直哉 『暗夜行路』
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第
七
期
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伝
統
の
打
破
時間:第一次世界大戦後と第二
次世界大戦後
 抑圧されていた言論・表現の自
由が回復された
大家の復活ー永井荷風(『踊り
子』)、谷崎潤一郎(『細雪』)、川
端康成(『古都』)
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第
七
期
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戦
後
の
文
学
無頼派または新戯作派
 太宰治
中期『走れメロス』『津軽』
後期 破滅的指向
『斜陽』『人間失格』
 坂口安吾
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無
頼
派
戦
後
派
第一次戦後派
野間宏『暗い絵』
大岡昇平『俘虜記』
第二次戦後派
安部公房『赤い繭』『壁ーS・カルマ氏
の犯罪』『砂の女』
三島由紀夫『仮面の告白』『潮騒』『金
閣寺』『豊饒の海』
戦争文学ー井伏鱒二(『黒い雨』)
第三の新人ー安岡章太郎ら
評論ー中村光夫、花田清輝
時間:昭和三十年代ー今
 文学の大衆化
 代表作家:大江健三郎、井上靖、
村上春樹、吉本バナナ

第
九
以期
後:
昭
の和
文三
学十
年
代