11章 グラフィックは成熟のときを迎えた

画像処理論第12
グラフィックスは成熟のときを迎えた
2000年1月17日
美濃 導彦
CGとCV

コンピュータグラフィックス
– コンピュータ上の記述から画像を生成す
ること
– 幾何学的情報,光学的情報を利用

コンピュータビジョン
– 一つ、もしくは複数の画像から、三次元情報を
復元すること
– 画像から幾何学的情報,光学的情報を取得
一般的処理手順

モデリング
– 描こうとする物体に関する
 幾何学的情報
 反射特性
 光源の物理的特性
からモデルを作成

レンダリング
– 視点位置を考慮してモデルから画像を作成
モデリング

物体を処理可能な形式で記述する過程

3次元幾何モデル(geometry)
– 物体の幾何形状を記録

物理モデル(physics based model)
– 物体の内部の物理的な特性も記述
3次元幾何モデル
(a)
(b)
(c)
ワイヤーフレームモデル: 頂点と線分
サーフェスモデル: 多角形の面(ポリゴン)
ソリッドモデル: 多面体であらわされる
ワイヤーフレームモデル
稜線と頂点のデータ
で表現
 面の情報がないため
画像は骨組みだけで
表示されるが、少な
い計算処理で操作
が可能

From: http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/design/design.html
サーフェスモデル
ワイヤーフレームモデ
ルに加えて面の情報も
扱う
 隣接する稜線で囲まれ
た部分(ポリゴン)にテ
クスチャを貼り付ける
 中身は表現できない

From: http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/design/design.html
ソリッドモデル
面のどちら側が外
側であるかの情報
も持っている
 中身の情報を持っ
ているため、重さな
どが計算可能

From: http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/design/design.html
モデリングのデータ構造
以上の画像はモデリングされたデータをレ
ンダリングによって可視化した結果
 実際には頂点やワイヤーなどについての
データのみ


例: ワイヤーフレーム
– ワイヤー名、その両端の頂点名のリスト
– 各頂点の座標値(x,y,z)
物理モデル
単に物体の幾何学的形状を表現するのみな
らず、その物理的な特性も含めてモデリン
グする手法
レンダリング

モデリングされた立体データから、任意
視点からの画像を生成すること
1.
2.
3.
4.
5.
6.
投影変換
ウィンドウイング,クリッピング
陰線消去、隠面消去
シェーディング
スムーズシェーディング
マッピング
座標系

ローカル座標系
– 3次元モデルを記述

ワールド座標系
– 3次元モデルを配置する空間を記述

スクリーン座標系
– 生成する画像を記述
投影変換

3次元形状を2次元画像に変換すること
– 視点から物体上に直線を延ばし、視点と物体
との間に投影面を定義して、この投影面と直
線が交わった点を求めることによって描画

透視投影

平行投影
ウインドウイングとクリッピング

ウインドウイング
– 3次元モデルの中から、ウインドウの中に入る
線もしくは面を選択

クリッピング
– 選ばれた線のどの部分を描くかを決定
– 線を全部描くか,一部のみを描くか
陰線消去、陰面消去
陰線消去: 線のうち、本来手前に存在する
面によって隠されている部分を描かない
 陰面消去: 本来見えるべき面がどこなのか
を判定する

– Zバッファ法
– レイトレーシング法
シェーディング
光の分類: 環境光、反射光、透過光
 拡散反射光:
R=κd・I cosθ
(κd : 拡散反射係数)
 鏡面反射光:
V=κs・I cosnγ
(κs: 鏡面反射率,γ: 定数)

スムーズシェーディング
個々のポリゴンの輝度を、
フラットシェーディング:すべて均一とする
(b) グローシェーディング: 頂点の輝度の補間から計算
(c) フォンシェーディング:頂点の法線の補間から各ポリ
ゴンの法線を求め、それを元に計算
(a)
マッピング


テクスチャマッピング: 画像を貼り付ける
バンプマッピング:法線ベクトルに揺らぎ
を加えて仮想的にな凹凸を表現
映像(アニメーション)の生成
二次元の画像系列を生成
 テレビは毎秒30フレーム、映画は毎秒24フレーム
の動画像を描画


キーフレームアニメーション
– キーとなるフレームのみの画像系列を描く

モーフィング
– 2つの異なった形状を関係付けて、なだらかに形状を変
形
– 三次元のモデル系列も生成可
モーフィング
モーフィングの例
-胎児の発生-
計11段階の胎児成長過程
元のムービー
モーフィングの結果
ライブアニメーション
モーションキャプチャで三次元情報を取得
 取得した三次元情報に従ってリアルタイム
に三次元モデルを変化させる

CGの例-現実同期空間-