活動の規律化 - 総合地球環境学研究所

ラオス・ビエンチャン近郊地域にお
ける日常生活の時空間
616* 11:40〜12:00
西村雄一郎*(総合地球環境学研)・岡本耕平(名古屋大)
研究の目的
ラオス現在の日常生活活動の
変化
都市化
近代化
市場経済の浸透
活動の時空間配置
仕事の変化(賃労働の増加)
モビリティの変化
性別職務分離
→日常生活の規律化がどのように進行し
ているか
方法
統計的分析
LECS (Lao Expenditure and Consumption
Survey)) :
ラオス国立統計局(National Statistical
Center of Laos Government)
Sida (Swedish International Development
Cooperation Agency))援助により実施
インタビュー調査
LECS
消費・農業・自営業・健康・時間利用などの
世帯調査
LECS1 (1992/93) / 2 (1997/98) / 3 (2002/03)
LECS3 調査期間: 2002年3月-2003年2月
LECS 3 サンプル: ラオス全国約8,100世帯,
540村, 45,000 人
活動の規律化 (1)
賃労働へ参入するかどうか
自営の市場商人
賃労働の就業者(工場など)
賃労働の変化
主要な経済活動(ビエンチャン特別市)
年
賃労働
自営 (非農業)
農業
1997/98
35%
19%
45%
2002/03
22%
47%
31%
データ: LECS(Lao Expenditure and Consumption Survey))
賃労働の割合(女性,ビエンチャン特別市)
凡例
賃労働
非賃労働
活動の規律化 (2)
モビリティの変化
モビリティの変化
世帯別所有率
ビエンチャン特別市
ラオス全土
年
自動車
バイク
年
自動車
バイク
1997/98
14%
52%
1997/98
4%
15%
2002/03
15%
65%
2002/03
4%
22%
データ: LECS (Lao Expenditure and Consumption Survey))
凡例
円の面積:村落別移動数
徒歩
自転車
バイク
自動車
トゥクトゥク
ボート
動物
その他
交通モード(男性.ヴィエンチャン特別市)
活動空間の拡張
バイク利用による活動空間の拡大
ビエンチャン特別
市
平均総移動時間
(/日)
time
徒歩での移動
1.30
自転車での移動
1.23
バイクでの移動
1.10
The prism by walk
The prism by motorcycle
distance
活動の規律化と性別役割
賃労働比率
家事時間
モビリティ
子どもの生活時間:生活時間のジェンダー差
の形成
活動における性別役割
主要な活動別時間利用(1日あたり)
賃労働
自営
農業
家事
男性(ビエンチャン特別市)
2.64
1.37
1.16
0.49
女性(ビエンチャン特別市)
1.28
2.12
0.93
2.27
男性 (その他地域)
0.58
0.54
2.39
0.56
女性 (その他地域)
0.19
0.65
2.37
2.61
データ: LECS (Lao Expenditure and Consumption Survey)) 2002/03
凡例
村落別移動数のうちバイク比率(女性)
村落別移動数のうちバイク比率(男性)
移動に占めるバイク比率(ヴィエンチャン特別市)
子どもの生活時間
主要活動別時間利用(/日,ラオス全土)
7〜14歳の子ども
(≦14 yr)
大人 (≧15yr)
男性
仕事
女性
男性
女性
6歳以下の
子ども
(≦6 yr)
7.9h
8.8h
4.1h
5.6h
7.9h
(農業)
(3.4h)
(2.5h)
(1.8h )
(2.0h)
No statistics
(採取狩猟)
(1.6h)
(1.0h)
(1.1h)
(1.0h)
No statistics
(家事)
(0.7h)
(3.1h)
(0.7h)
(1.7h)
(1.7h)
0.4h
0.5h
3.7h
3.1h
0.7h
14.1h
13.7h
14.8h
14.0h
14.2h
1.5h
1.0h
1.4h
1.3h
1.2h
学校
睡眠, 食事, 余暇時間
その他
計
24h
24h
24h
24h
24h
データ: LECS 2 (Lao Expenditure and Consumption Survey) 1997/98
結論
賃労働は1997-2002においてそれほど進展せず
賃労働者割合には地域的な差異
バイクによる活動空間の拡大には地域的な差異
賃労働:男性/自営:女性
子ども:仕事(仕事と遊びの境界があいまい,
生活時間のジェンダー差形成)
生活のフレキシビリティ確保:自営業の進展