ドライミストによる気温低下量および日射影響に関する実験的研究

微細水ミストによる気温低下量およ
び日射影響に関する実験的研究
1063119 出居 祐哉
1063148 岡田 尚久
指導教員 成田 健一
研究目的
乾球温度
⇒温度計の表面が乾いているときの温度
湿球温度
「温度」について
温度計
⇒温度計の表面が濡れているときの蒸発
面温度
水
水
水
水
水
水
蒸発
濡れてしまう熱電対と超音波風速温度計は
微細水ミスト噴霧時にどういった温度
を測定しているのか?
熱電対
超音波風速
温度計
周囲の空気から熱
を奪い蒸発する
噴霧された
微細ミスト
ミストの蒸発に日射は
影響しているのか?
日射
噴霧された
微細ミスト
超音波風速温度計とは
熱電対とは
T熱電対
⇒銅 - コンスタンタン
径 0.3 mm
⇒(室内実験で使用した)
E熱電対
⇒クロメル - コンスタンタン
径 0.05 mm
⇒日射影響を受けにくい
(屋外実験で使用した)
濡れてしまう熱電対と超音波風速温度計は
室内噴霧実験
微細水ミスト噴霧時にどういう温度を測定してるの
?
乾湿温度計(ミスト影響外)
超音波風速温度計
乾湿温度計
室内における超音波温度・熱電対温度・湿球温度の比較
30
(扉・窓を閉めきった状態による測定)
3m気温(超音波)
温度℃
28
3m気温(熱電対)
26
24
22
ミスト噴霧
湿球温度(乾湿温度計)
8/18
20
11:38 11:40 11:42 11:44 11:46 11:48 11:50 11:52 11:54
気温(熱電対)=湿球温度(乾湿温度計)
⇒熱電対は微細水ミスト
噴霧後に湿球温度を
測定 している可能性が高い
超音波風速温度計による気温は
同位置の熱電対温度よりも高い
⇒超音波風速計は熱電対よりも
微細水ミストの影響を受けにくい
といえる
熱電対と防水熱電対の温度比較
熱電対 正面脇
熱電対 正面
熱電対・袋付
(噴霧後袋を外す)
熱電対
1500mm
超音波風速温度計
0 (吹き出し口)
ミスト噴霧時のみ防水すれば噴霧後に
微細水ミスト噴霧器
熱電対でも温度を測れるのでは?
熱電対と防水熱電対の温度比較(扉・窓を閉めきった状態による室内測定)
30
気温(熱電対・袋付)
気温(熱電対)正面
28
温度℃
気温(超音波)
26
24
気温(熱電対)正面脇
22
湿球温度
ミスト噴霧
8/19
20
16:38
16:40
16:42
16:44
袋なしの
16:46
16:48
16:50
16:52
気温(超音波)≒防水熱電対
1.5m気温(熱電対)≒湿球温度
⇒非防水の熱電対は、微細
水ミスト噴霧後、しばらくは湿
球温度を測定している
⇒超音波風速温度計と防水熱電
対は、より乾球温度に近い値が
測定できると考えられる
ビニールハウスを用いた
屋外噴霧実験
ミストの蒸発に日射は
影響しているのか?
影響しているならば
気温低下量に差が
でるはずである
日射量の異なる条件での実験結果の比較
室内実験結果との比較
ハウス内 超音波・熱電対・湿球の温度比較(日中・夕方)
600
気温(超音波)
日射量
36
ミスト噴霧
400
温度℃
34
変動幅
【大】
32
30
熱電対の
温度変化
200
気温(T熱電対)
【日中】
0
湿球温度
28
日射量W/㎡
38
変動頻度【多】
26
14:46
14:48
気温(E熱電対)
8/22
14:50
-200
14:52
34
800
ミスト噴霧
気温(E熱電対)
600
気温(超音波)
温度℃
30
28
26
24
22
17:06
400
変動幅
【小】
気温(T熱電対)
変動頻度【少】
湿球温度
200
日射量
8/22
17:08
17:10
17:12
0
日射量W/㎡
32
【夕方】
ハウス内 超音波・熱電対・湿球の温度比較(ハウス日中・室内実験)
600
気温(超音波)
36
日射量
ミスト噴霧
400
温度℃
34
32
30
200
変動【大】
気温(T熱電対)
気温(E熱電対)
8/22
26
14:46
ハウス
【日中】
0
湿球温度
28
日射量W/㎡
38
14:48
14:50
-200
14:52
⇒温度変動が大きく、室内との比較は難しい
32
ミスト噴霧
30
3m気温(熱電対)
温度℃
28
3m気温(超音波)
室内
実験
26
24
湿球温度
22
20
11:38
8/18
11:40
11:42
11:44
透明塩ビ板製の密閉ボックス
を用いた屋外噴霧実験
1600mm
奥行き
3100mm
・測定条件を明確にするため
ボックスを密閉状態にできる
・ボックス内のミスト
を十分拡散できる
・ボックス表面が蓄熱しないよう
にできる限り透過性をあげる
・実験後ボックス内
を換気できる
ボックス奥行き
1600【mm】
3100
1600
攪換拌気
800
扉開閉可
800
扉開閉可
扉開閉可
50
700
小型送風機
GL
噴霧ノズル
噴霧ノズル
噴霧ノズル
噴霧ノズル
噴霧ノズル
【正面図】
変更後(ノズル5本)
【側面図】
噴霧ノズル
【正面図】
変更後(ノズル1本)
【側面図】
これまでの実験と比べ容積の小さい密閉
ボックスでは急激な湿度上昇が起こる
超音波の温度出力が湿
度変化の影響を受ける
絶対湿度から水蒸気補正量
を算出する必要がある。
↑赤外吸収湿度計
↑赤外吸収湿度計
水滴の影響を受けない
赤外吸収湿度計が適切
超音波風速温度計(水蒸気補正式)
T=(1 – 0.51 x)×Tvt
T : 補正後の超音波の温度[K]
Tvt : 補正前の超音波の温度[K]
x : 絶対湿度[kg/kg’]
30
14
温度℃
気温(超音波・補正前)
13
26
12
24
11
22
10
気温(超音波・補正後)
20
9
絶対湿度
18
補正量
8
16
7
14
12
11:37
12/10
11:39
11:41
11:43
11:45
11:47
ボックス内の超音波温度の補正前後の比較 【日射無】
6
5
11:49
絶対湿度g/kg'
ミスト噴霧
28
ボックス内の超音波温度・熱電対温度 【日射 有・無】
30
日射量
28
600
ミスト噴霧
400
22
18
300
気温(超音波・補正有)
20
気温(熱電対)
200
16
湿球温度
14
12
11:02
12/10
11:04
11:06
11:08
11:10
11:12
0
11:14
30
28
日射量
ミスト噴霧
500
24
温度℃
比較したい
600
26
400
22
気温(超音波・補正有)
20
300
気温(熱電対)
18
200
16
湿球温度
14
12
11:37
【日射有】
100
100
12/10
11:39
11:41
11:43
11:45
11:47
0
11:49
日射量W/㎡
温度℃
24
日射量W/㎡
500
26
【日射無】
日射のエネルギーで微細水ミストが蒸発しているならば、
(日射の有無で) 温度低下量に差が出るはずである
ボックス内の超音波温度・熱電対温度 【日射 有・無】
28
600
ミスト噴霧
【日射有】
500
26
400
温度℃
24
22
18
300
気温(超音波・補正有)
20
気温(熱電対)
200
16
湿球温度
100
14
12
11:02
11:04
11:06
11:08
11:10
11:12
0
11:14
600
日射量
【日射無】
ミスト噴霧
500
26
温度℃
24
400
22
気温(超音波・補正有)
20
300
気温(熱電対)
18
200
16
湿球温度
14
12
11:37
急激な温度
上昇
12/10
30
28
日射量W/㎡
日射量
100
12/10
11:39
11:41
11:43
11:45
11:47
0
11:49
日射量W/㎡
30
比較のベースとな
る値に、ここまで
差があると比べる
ことは難しい
急激な温度
上昇の理由
ボックス内の
・測定器の三脚
・床面のスタイロフォーム
が蓄熱したためで
あると考えられる
結論
• 微細水ミスト噴霧時の熱電対での気温測定は、湿球温度を
測定してしまう
• 微細水ミスト噴霧時は、超音波風速温度計を使用すること
が実用的である。その場合、赤外吸収湿度計を平行して使
用する
• 熱電対を使用する場合には、ポリ袋等で噴霧時のみ防水を
すべきである
• 日射影響を測定するための密閉ボックスの実験では蓄熱す
るものや、周囲からの反射を減らしていくことが重要だと
考えられる