Systems Control II

システム制御Ⅱ
第2学期 火 1, 2限 8:40-10:50
5号館 第16講義室
担当:平田 健太郎
6/21
第3回 状態方程式の解/伝達関数との関係
Systems Control II
1
講義日程 (予定)
1回目 はじめに/古典制御の問題点
2回目 系のモデリングと状態方程式表現
3回目 状態方程式の解/伝達関数との関係
4回目 安定性と系の固有値,安定判別法
5回目 可制御性
6回目 可観測性
7回目 レギュレータ/オブザーバ
8回目 まとめ/期末試験
前回の講義スライドの完全版を再アップロードしているので確認されたい.
Systems Control II
2
「ミニマム線形代数」をざっくりと斜め読み
Systems Control II
3
3. 状態方程式の解
Systems Control II
4
スカラー系からの類推で考えてみる
𝑑𝑑
𝑥𝑥(𝑡𝑡) = 𝐴𝐴𝐴𝐴(𝑡𝑡) + 𝐵𝐵𝐵𝐵(𝑡𝑡)
𝑑𝑑𝑑𝑑
When 𝑛𝑛 = 𝑝𝑝 = 1
𝑥𝑥 ∈ ℝ𝑛𝑛 , 𝑢𝑢 ∈ ℝ𝑝𝑝
𝑑𝑑
𝑥𝑥(𝑡𝑡) = 𝑎𝑎𝑎𝑎(𝑡𝑡) + 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝑡𝑡)
𝑑𝑑𝑑𝑑
𝑥𝑥 ∈ ℝ, 𝑢𝑢 ∈ ℝ
入力項のある線形定係数常微分方程式
「微分方程式」の知識から解ける
Systems Control II
5
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 − 𝑎𝑎𝑎𝑎(𝑡𝑡) = 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝑡𝑡)
「微分方程式」の知識:
𝑥𝑥 ∈ ℝ, 𝑢𝑢 ∈ ℝ
まず斉次形 (= 0) の解を求める.
基本解
定数変化法から入力 𝑢𝑢(𝑡𝑡) に対応する解を求める.
特殊解
演習問題1: 定数変化法で上の微分方程式を解け
一般解=基本解+特殊解
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Why? (Linear)
6
計算用ページ: 𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 − 𝑎𝑎𝑎𝑎(𝑡𝑡) = 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝑡𝑡)
Systems Control II
7
一般解=基本解+特殊解
𝐷𝐷 𝑥𝑥 𝑡𝑡
𝑑𝑑 𝑛𝑛
𝑑𝑑 𝑛𝑛−1
𝑑𝑑 𝑛𝑛−2
≔ 𝑛𝑛 𝑥𝑥 𝑡𝑡 + 𝑎𝑎1 𝑛𝑛−1 𝑥𝑥 𝑡𝑡 + 𝑎𝑎2 𝑛𝑛−2 𝑥𝑥 𝑡𝑡 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝑥𝑥(𝑡𝑡)
𝑑𝑑𝑡𝑡
𝑑𝑑𝑡𝑡
𝑑𝑑𝑡𝑡
𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑏𝑏 𝑡𝑡
𝐷𝐷 𝑥𝑥 𝑡𝑡
Why? (Linear)
= 0,
𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑠𝑠 (𝑡𝑡) = 𝑓𝑓(𝑡𝑡)
が線形であるので
𝑥𝑥𝑔𝑔 𝑡𝑡 = 𝑥𝑥𝑏𝑏 𝑡𝑡 +𝑥𝑥𝑠𝑠 𝑡𝑡
𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑔𝑔 𝑡𝑡
= 𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑏𝑏 𝑡𝑡 +𝑥𝑥𝑠𝑠 𝑡𝑡
= 𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑏𝑏 𝑡𝑡
+ 𝐷𝐷 𝑥𝑥𝑠𝑠 𝑡𝑡
= 𝑓𝑓(𝑡𝑡)
ここでも「線形性」が重要な役割を果たしている
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8
古典制御: 伝達関数(初期値= 0 )の入出力関係
𝐺𝐺 𝑠𝑠
𝑢𝑢 𝑠𝑠
𝑦𝑦 𝑠𝑠
周波数領域(ラプラス変換後)
複素関数同士の(単純な)積
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𝑢𝑢 𝑡𝑡
𝑦𝑦 𝑡𝑡
時間領域
𝑡𝑡
𝑦𝑦 𝑠𝑠 = 𝐺𝐺 𝑠𝑠 𝑢𝑢(𝑠𝑠)
𝑢𝑢 𝑠𝑠 = ℒ 𝑢𝑢(𝑡𝑡)
𝑔𝑔 𝑡𝑡
𝑦𝑦 𝑠𝑠 = ℒ 𝑦𝑦(𝑡𝑡)
𝑦𝑦 𝑡𝑡 = � 𝑔𝑔 𝑡𝑡 − 𝜏𝜏 𝑢𝑢(𝜏𝜏)d𝜏𝜏
0
合成積
𝐺𝐺 𝑠𝑠 = ℒ 𝑔𝑔(𝑡𝑡)
𝑔𝑔 𝑡𝑡 : システムのインパルス応答
9
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 − 𝑎𝑎𝑎𝑎(𝑡𝑡) = 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝑡𝑡)
𝑡𝑡
𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑥𝑥 0 + � 𝑒𝑒 𝑎𝑎(𝑡𝑡−𝜏𝜏) 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝜏𝜏)d𝜏𝜏
0
How to extend it to matrix case?
Extension of 𝑒𝑒 𝑎𝑎𝑎𝑎
Matrix Exponential Function
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10
多項式を行列の場合に拡張するのは比較的容易
𝑓𝑓 𝑠𝑠 = 𝑠𝑠 2 − 𝑎𝑎 + 𝑑𝑑 𝑠𝑠 + (𝑎𝑎𝑎𝑎 − 𝑏𝑏𝑏𝑏)
𝑓𝑓 𝐴𝐴 ≔ 𝐴𝐴2 − 𝑎𝑎 + 𝑑𝑑 𝐴𝐴 + 𝑎𝑎𝑎𝑎 − 𝑏𝑏𝑏𝑏 𝐼𝐼, 𝐴𝐴 ∈ ℝ𝑛𝑛×𝑛𝑛 , 𝐼𝐼: 単位行列
ちなみに 𝐴𝐴 =
𝑎𝑎
𝑐𝑐
𝑏𝑏
のとき, 𝑓𝑓 𝐴𝐴 = 0. これをケーリー・ハミルトンの定理という.
𝑑𝑑
確かめよ. Today’s Minutes Paper
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11
上の 𝑓𝑓 𝑠𝑠 は 𝑓𝑓 𝑠𝑠 =
𝑠𝑠 − 𝑎𝑎
−𝑑𝑑
−𝑏𝑏
= 𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴 ,
𝑠𝑠 − 𝑑𝑑
すなわち行列 𝐴𝐴 の特性方程式である. 行列 𝐴𝐴 の固有値 𝜆𝜆 は
𝑓𝑓 𝜆𝜆 = 0 を満たす.
行列 𝐴𝐴 が対角化できるとき 𝑇𝑇 −1 𝐴𝐴𝑇𝑇 = 𝛬𝛬, 𝛬𝛬 =
𝐴𝐴 = 𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇 −1
𝐴𝐴𝑘𝑘 = 𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇 −1
𝑘𝑘
𝜆𝜆1
= 𝑇𝑇𝛬𝛬𝑘𝑘 𝑇𝑇 −1
𝑓𝑓 𝐴𝐴 = 𝑎𝑎0 𝐼𝐼 + 𝑎𝑎1 𝐴𝐴 + 𝑎𝑎2 𝐴𝐴2 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝐴𝐴𝑛𝑛
0
⋱
0
𝜆𝜆𝑛𝑛
𝛬𝛬𝑘𝑘 =
𝜆𝜆1𝑘𝑘
0
⋱
0
𝜆𝜆𝑘𝑘𝑛𝑛
= 𝑎𝑎0 𝑇𝑇𝑇𝑇 −1 + 𝑎𝑎1 𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇 −1 + 𝑎𝑎2 𝑇𝑇𝛬𝛬2 𝑇𝑇 −1 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝑇𝑇𝛬𝛬𝑛𝑛 𝑇𝑇 −1
= 𝑇𝑇 𝑎𝑎0 𝐼𝐼 + 𝑎𝑎1 𝛬𝛬 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝛬𝛬𝑛𝑛 𝑇𝑇 −1 = 𝑇𝑇𝑇𝑇 Λ 𝑇𝑇 −1
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【対角化(線形代数)】は重要!
12
𝑓𝑓 𝐴𝐴 = 𝑇𝑇𝑇𝑇 Λ 𝑇𝑇 −1
𝛬𝛬 =
𝑓𝑓 Λ = 𝑎𝑎0 𝐼𝐼 + 𝑎𝑎1 𝛬𝛬 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝛬𝛬𝑛𝑛
=
𝑎𝑎0 + 𝑎𝑎1 𝜆𝜆1 + ⋯ + 𝑎𝑎𝑛𝑛 𝜆𝜆1 𝑛𝑛
0
⋱
𝜆𝜆1
0
0
∗
⋱
=
0
𝜆𝜆𝑛𝑛
𝑓𝑓 𝜆𝜆1
0
⋱
0
𝑓𝑓 𝜆𝜆𝑛𝑛
= 0.
∴ 𝑓𝑓 𝑠𝑠 = 𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴 に対して 𝑓𝑓 𝐴𝐴 = 0.
(必ずしも対角化可能である必要はない)
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13
【発展】
ケーリー・ハミルトンの定理の証明 (対角化可能と仮定しない一般の場合)
𝑝𝑝 𝜆𝜆 = 𝜆𝜆𝜆𝜆 − 𝐴𝐴 とし, 行列 𝜆𝜆𝜆𝜆 − 𝐴𝐴 の余因子行列を 𝑄𝑄(𝜆𝜆) で表す. このとき
𝑝𝑝 𝜆𝜆 𝐼𝐼 = 𝑄𝑄(𝜆𝜆)(𝜆𝜆𝜆𝜆 − 𝐴𝐴)
が成り立つ.
𝑛𝑛
𝑛𝑛−1
𝑘𝑘=0
𝑘𝑘=0
𝑝𝑝 𝜆𝜆 = � 𝑝𝑝𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘 , 𝑄𝑄 𝜆𝜆 = � 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘
𝑛𝑛
とおく. ( 𝑄𝑄 𝜆𝜆 の各成分は 𝜆𝜆 の 𝑛𝑛 − 1 次以下の多項式なので.)
𝑛𝑛−1
𝑛𝑛−1
𝑛𝑛
𝑛𝑛−1
𝑘𝑘=0
𝑘𝑘=0
𝑘𝑘=1
𝑘𝑘=0
� 𝑝𝑝𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘 𝐼𝐼 = � 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘 (𝜆𝜆𝜆𝜆 − 𝐴𝐴) = � (𝑄𝑄𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘+1 − 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴𝜆𝜆𝑘𝑘 ) = � 𝑄𝑄𝑘𝑘−1 𝜆𝜆𝑘𝑘 − � 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴𝐴𝐴𝑘𝑘
𝑘𝑘=0
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14
𝑛𝑛
𝑛𝑛
𝑛𝑛−1
𝑘𝑘=0
𝑘𝑘=1
𝑘𝑘=0
� 𝑝𝑝𝑘𝑘 𝜆𝜆𝑘𝑘 𝐼𝐼 = � 𝑄𝑄𝑘𝑘−1 𝜆𝜆𝑘𝑘 − � 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴𝐴𝐴𝑘𝑘
における 𝜆𝜆 のべき乗の係数比較から
𝑝𝑝0 𝐼𝐼 = −𝑄𝑄0 𝐴𝐴
𝑝𝑝𝑘𝑘 𝐼𝐼 = 𝑄𝑄𝑘𝑘−1 − 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴 (𝑘𝑘 = 1, … , 𝑛𝑛 − 1)
これより
𝑝𝑝𝑛𝑛 𝐼𝐼 = 𝑄𝑄𝑛𝑛−1
𝑛𝑛
𝑛𝑛−1
𝑘𝑘=0
𝑘𝑘=1
𝑝𝑝 𝐴𝐴 = � 𝑝𝑝𝑘𝑘 𝐴𝐴𝑘𝑘 = −𝑄𝑄0 𝐴𝐴+ � 𝑄𝑄𝑘𝑘−1 − 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴 𝐴𝐴𝑘𝑘 + 𝑄𝑄𝑛𝑛−1 𝐴𝐴𝑛𝑛
𝑛𝑛
= � 𝑄𝑄𝑘𝑘−1 𝐴𝐴𝑘𝑘 − � 𝑄𝑄𝑘𝑘 𝐴𝐴𝑘𝑘+1 = 0.
𝑘𝑘=1
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𝑛𝑛−1
𝑘𝑘=0
実にスマート!
15
指数関数 𝑒𝑒 𝑎𝑎𝑎𝑎 を多項式のように表すには?
どうすればよいか
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16
指数関数の場合 (𝑓𝑓(𝑠𝑠) = 𝑒𝑒 𝑠𝑠 )
𝑒𝑒
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴
𝑀𝑀
𝑓𝑓
𝑛𝑛
𝑠𝑠 �
𝑠𝑠=0
= 𝑒𝑒 𝑠𝑠 �
𝑠𝑠=0
=1
1
1 2 1 3 1 4
≔ 𝐼𝐼 + 𝑀𝑀 + 𝑀𝑀 + 𝑀𝑀 + 𝑀𝑀 ⋯
1!
2!
3!
4!
1
1 2 2 1 3 3 1 4 4
≔ 𝐼𝐼 + 𝐴𝐴𝐴𝐴 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 ⋯
1!
2!
3!
4!
行列指数関数
と定義するのが, 順当そうである.
無限個の和(無限級数)なので, 本当はこれが収束するか(意味を持つか)を
調べる必要がある. (がここでは追求しない)
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17
行列指数関数
𝑒𝑒
𝐴𝐴𝐴𝐴
1
1 2 2 1 3 3 1 4 4
≔ 𝐼𝐼 + 𝐴𝐴𝐴𝐴 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 ⋯
1!
2!
3!
4!
ある種の条件を満たす級数(絶対収束)は, 項別に微積分してよい.
行列指数関数もOK
𝑑𝑑 𝐴𝐴𝐴𝐴
1
2 2
3 3 2 4 4 3
𝑒𝑒 = 0 + 𝐴𝐴 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 ⋯
𝑑𝑑𝑑𝑑
1!
2!
3!
4!
= 𝐴𝐴 +
1 2
1
1
𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐴𝐴3 𝑡𝑡 2 + 𝐴𝐴4 𝑡𝑡 3 ⋯
1!
2!
3!
= 𝐴𝐴 𝐼𝐼 +
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1
1
1
𝐴𝐴𝑡𝑡 + 𝐴𝐴2 𝑡𝑡 2 + 𝐴𝐴3 𝑡𝑡 3 ⋯
1!
2!
3!
= 𝐴𝐴𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴
18
𝑑𝑑 𝐴𝐴𝐴𝐴
𝑒𝑒 = 𝐴𝐴𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴
𝑑𝑑𝑑𝑑
∴ 𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑥𝑥 0 は 𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴(𝑡𝑡) を満たす.
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴(𝑡𝑡) の解は 𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑥𝑥 0 で与えられる.
拡張
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝑎𝑎𝑥𝑥(𝑡𝑡) の解は 𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝑎𝑎𝑡𝑡 𝑥𝑥 0 で与えられる.
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 − 𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑡𝑡 = 𝑏𝑏𝑏𝑏 𝑡𝑡 の解は 𝑥𝑥 𝑡𝑡 =
𝑒𝑒 𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑥𝑥
𝑡𝑡
0 + � 𝑒𝑒 𝑎𝑎(𝑡𝑡−𝜏𝜏) 𝑏𝑏𝑏𝑏(𝜏𝜏)d𝜏𝜏 で与えられる.
0
拡張
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐵𝐵𝐵𝐵(𝑡𝑡) の解は...
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19
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐵𝐵𝐵𝐵(𝑡𝑡) の解は
𝑡𝑡
𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝑡𝑡 𝑥𝑥 0 + � 𝑒𝑒 𝐴𝐴(𝑡𝑡−𝜏𝜏) 𝐵𝐵𝑢𝑢(𝜏𝜏)d𝜏𝜏
0
となりそうである. 確かめよ! (演習問題2)
(スカラーの場合と同様, 解の存在性・一意性からひとつ候補を見つけて
正しいことを示せばよい.)
𝑡𝑡
𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝑡𝑡 𝑥𝑥 0 + 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 ∫0 𝑒𝑒 −𝐴𝐴𝜏𝜏 𝐵𝐵𝑢𝑢(𝜏𝜏)d𝜏𝜏 と書くと分かりやすい. (積の微分)
𝑓𝑓(𝑡𝑡)
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𝑔𝑔(𝑡𝑡)
20
行列指数関数 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 の計算方法
• 定義式に従う
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 = 𝐼𝐼 +
1
1
1
1
𝐴𝐴𝐴𝐴 + 𝐴𝐴2 𝑡𝑡 2 + 𝐴𝐴3 𝑡𝑡 3 + 𝐴𝐴4 𝑡𝑡 4 ⋯
1!
2!
3!
4!
手計算向きではない
• 対角化を利用する
• ラプラス変換を経由する
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑡𝑡
ℒ
𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑠𝑠 − 𝑥𝑥 0 = 𝐴𝐴𝐴𝐴(𝑠𝑠)
𝑋𝑋 𝑠𝑠 = 𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴
𝑥𝑥 𝑡𝑡 = 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑥𝑥(0) であるから
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−1 𝑥𝑥
0
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 = ℒ −1 𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴
−1
𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴 −1 を (𝑠𝑠 の有理関数行列として)計算し, 各要素を
逆ラプラス変換する
21
例題:
𝑥𝑥̇ 𝑡𝑡 = 𝐴𝐴𝐴𝐴 𝑡𝑡 + 𝐵𝐵𝐵𝐵(𝑡𝑡)
𝑑𝑑 𝑥𝑥
0
=
−𝑘𝑘/𝑚𝑚
𝑑𝑑𝑑𝑑 𝑥𝑥̇
1
𝑥𝑥
0
+
𝑓𝑓
−𝑑𝑑/𝑚𝑚 𝑥𝑥̇
1/𝑚𝑚
𝑚𝑚 = 1, 𝑑𝑑 = 3, 𝑘𝑘 = 2 →
𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴
−1
𝐴𝐴 =
0
−𝑘𝑘/𝑚𝑚
1
0
1
=
−𝑑𝑑/𝑚𝑚
−2 −3
を (𝑠𝑠 の有理関数行列として)計算し, 各要素を逆ラプラス変換せよ.
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22
計算用ページ:
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 = ℒ −1 𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴
𝐴𝐴 =
0
−2
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1
−3
−1
𝑠𝑠𝑠𝑠 − 𝐴𝐴 −1 を 計算し, 各要素を逆ラプラス変換して
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 を求めよ.
23
【復習】
ヘビサイドの展開定理:
𝐹𝐹 𝑠𝑠 =
𝑛𝑛
𝑁𝑁(𝑠𝑠)
𝐷𝐷(𝑠𝑠)
𝑛𝑛
𝐷𝐷 𝑠𝑠 = �(𝑠𝑠 − 𝑠𝑠𝑖𝑖 )
𝑖𝑖=1
𝑓𝑓 𝑡𝑡 = ℒ −1 𝐹𝐹 𝑠𝑠
𝐷𝐷′ 𝑠𝑠 = � �(𝑠𝑠 − 𝑠𝑠𝑘𝑘 )
𝑗𝑗=1
𝑛𝑛
� 内で
𝑗𝑗=1
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𝑘𝑘≠𝑗𝑗
𝑛𝑛
=�
𝑖𝑖=1
𝑠𝑠𝑖𝑖 ≠ 𝑠𝑠𝑗𝑗 (𝑖𝑖 ≠ 𝑗𝑗) とする.
𝑁𝑁(𝑠𝑠𝑖𝑖 ) 𝑠𝑠 𝑡𝑡
𝑒𝑒 𝑖𝑖
𝐷𝐷′(𝑠𝑠𝑖𝑖 )
𝐷𝐷′ 𝑠𝑠𝑖𝑖 = �(𝑠𝑠𝑖𝑖 − 𝑠𝑠𝑘𝑘 )
𝑘𝑘≠𝑖𝑖
𝑗𝑗 ≠ 𝑖𝑖 のとき �(𝑠𝑠𝑖𝑖 − 𝑠𝑠𝑘𝑘 ) は零. なぜなら 𝑠𝑠𝑖𝑖 − 𝑠𝑠𝑖𝑖 を因子に含むので.
𝑘𝑘≠𝑗𝑗
𝑗𝑗 = 𝑖𝑖 のとき �(𝑠𝑠𝑖𝑖 − 𝑠𝑠𝑘𝑘 ) は非零.
𝑘𝑘≠𝑗𝑗
24
別解: 対角化を利用する
アウトライン
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 = 𝐼𝐼 +
1
1
1
1
𝐴𝐴𝐴𝐴 + 𝐴𝐴2 𝑡𝑡 2 + 𝐴𝐴3 𝑡𝑡 3 + 𝐴𝐴4 𝑡𝑡 4 ⋯
1!
2!
3!
4!
𝐴𝐴 = 𝑇𝑇Λ𝑇𝑇 −1 とできたならば
𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴
1
1 2 2
= 𝐼𝐼 + 𝐴𝐴𝐴𝐴 + 𝐴𝐴 𝑡𝑡 + ⋯
1!
2!
1
1 2 2
= 𝑇𝑇 𝐼𝐼 + Λ𝑡𝑡 + Λ 𝑡𝑡 + ⋯
1!
2!
対角行列のべき乗も対角行列
Λ=
𝜆𝜆1
0
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⋱
0
𝜆𝜆𝑛𝑛
Λk
=
𝜆𝜆1𝑘𝑘
0
𝑇𝑇 −1
⋱
= 𝑇𝑇
0
𝜆𝜆𝑘𝑘𝑛𝑛
𝑒𝑒 𝜆𝜆1𝑡𝑡
0
⋱
0
𝑒𝑒 𝜆𝜆𝑛𝑛 𝑡𝑡
𝑇𝑇 −1
各対角要素は 𝑒𝑒 𝜆𝜆𝑘𝑘 𝑡𝑡 の
マクローリン展開になっている
25
計算用ページ:
𝐴𝐴 =
0
1
−2 −3
の固有値, 固有ベクトルを求め, 対角化せよ.
その結果から 𝑒𝑒 𝐴𝐴𝐴𝐴 を求めよ.
Systems Control II
26
計算用ページ:
Systems Control II
27