Study on permanent magnetic synchronous motor parameter

SURE: Shizuoka University REpository
http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/
Title
Author(s)
Study on permanent magnetic synchronous motor parameter
identification based on its current signal
Ji, Xiang
Citation
Issue Date
URL
Version
2015-12
http://doi.org/10.14945/00009599
ETD
Rights
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(課程博士・様式9)
審
査
要
旨
専攻 環境・エネルギーシステム 学籍番号 55345014
論文題目
学生氏名 季 翔
Study on Parameter Identification of Permanent Magnet Synchronous Motor Based on Its
Current Signals(電流信号に着目した永久磁石同期モータのパラメータ同定に関する研究)
本論文は永久磁石同期モータのパラメータ同定に関する研究を取りまとめたもの
で全6章からなる。
第1章は本論文の序論であり,本研究の背景,目的,位置付けや独自性について
述べている。第2章では表面永久磁石形同期モータ(SPMSM)のオフラインパラメ
ータ同定法について述べている。本手法は SPMSM のベクトル制御を行う上で必須
である電流制御ループの制御構造を比例積分型から比例型に切り換えることによ
り,モータパラメータのミスマッチに起因して発生する電流の定常偏差に着目する
ものであり,電流ノルムの情報だけから各種モータパラメータを同定することがで
きる。この章では,まず,電流制御系のブロックダイアグラムからモータパラメー
タのミスマッチと電流ノルムの関係を数理的に導出し,パラメータミスマッチがな
いときに電流ノルムが極大値または極小値をとることを理論的に説明している。そ
の後,このような電流ノルムの特性に着目して山登り法を用いてパラメータミスマ
ッチが零となる動作点を探索する手法について述べている。計算機シミュレーショ
ンにより提案する手法の同定特性について検証し,理論どおり誤差なくパラメータ
同定が可能であることを示した。第3章は第2章で述べた SPMSM に関するパラメ
ータ同定手法を拡張し,内部永久磁石同期モータ(IPMSM)への展開を試みている。
IPMSM のパラメータ同定法として 2 つの手法を新たに提案し理論的に検討してい
る。まず,1 つ目は SPMSM の場合と同様のアルゴリズムで電流制御系の制御構造を
切り換えながら各種モータパラメータを同定する手法である。2 つ目は適当なパラメ
ータ設定値に対応した 2 つの動作点における電流値を用いてパラメータの真値を求
める手法である。いずれの手法もモータ巻線抵抗の変動に対して不感であることを
特長としており,前者は山登り法に基づくためオフラインパラメータ同定に,後者
は同定速度が速いことからオンラインパラメータ同定に適していると論じている。
第4章と第5章では第3章で提案した 2 手法を計算機シミュレーションだけでなく
実験でも検証している。その結果,各種モータパラメータの同定が 4.5%未満の精度
で実現できることや,温度等によるモータ巻線抵抗の変動に対しても不感でロバス
ト性の高いパラメータ同定を実現できることを確認した。第6章は結論であり本研
究の成果と今後の展望について述べている。
以上のように本論文は,永久磁石同期モータのベクトル制御に必須であるパラメ
ータ同定に新たな技術的選択肢を与えるものとして意義があり,モータ制御分野の
更なる発展に寄与するものと言える。よって,本論文は博士(工学)の学位を授与
するに十分な内容を有するものと認める。